こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。蓄電池の導入を考え始めると、必ずぶつかるのが「結局、何年で元が取れるの?」という疑問だと思います。営業さんの「お得になりますよ」も、ネットの「やめとけ」も、あなたの家の数字で計算していない限り、どちらも答えにはなりませんよね。
そこで、蓄電池の容量と費用の条件を入れるだけで、年間の節約メリットと回収年数を試算し、寿命の目安(10〜15年)の範囲で元が取れそうかを判定するシミュレーターを用意しました。太陽光の有無・FIT期間中か卒FIT後か・補助金にも対応しています。私自身、太陽光7.92kW+蓄電池7.7kWhを総額265万円で契約し2026年8月18日に設置した当事者として、契約前に一番くり返したのがこの計算でした。
普段はシステム開発の仕事をしており、このシミュレーターも私が設計・実装しました。計算に使う単価や相場データはすべて本文で出典を示した公開データです。無料・登録不要で、入力内容がどこかへ送信・保存されることはありません。
蓄電池 回収年数シミュレーター
最低限の入力は容量だけ。ほかは目安値で自動計算します。入力内容が送信・保存されることはありません。
この試算の前提・データの出典
- 回収年数 =(初期費用 − 補助金)÷ 年間の節約メリット。年間メリット = 1日にまかなえる電気量 × 単価差 × 365日 で計算します(1日1サイクル前提)。
- 単価差は「太陽光あり」では買う電気の単価と売電単価の差(売るより自分で使う価値)、「太陽光なし」では昼と夜の電気単価の差です。
- 初期費用の概算単価は、経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」(2025年3月)の実勢価格(設備15〜20万円/kWh+工事費約2万円/kWh=17〜22万円/kWh)の中間19.5万円/kWhを使用しています。
- 卒FIT後の売電単価の既定値8円は、大手電力の標準買取(おおむね7〜9円/kWh)に基づく目安です。FIT期間中の既定値15円は2025年度上期までに設置した住宅用の単価で、2025年度下期・2026年度の設置は当初4年24円・5〜10年目8.3円です(資源エネルギー庁 FIT・FIP制度の買取価格より)。
- 買う電気の単価の全国目安31円/kWhは、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価(2022年7月改定)です。
- 国の補助金の目安(3.45万円/kWh・上限60万円)は2026年のDR補助金に基づきます。制度は年度ごとに予算・要件が変わり早期終了もあるため、申請前に必ず公式の交付要綱を確認してください。
- 判定の物差しは蓄電池の寿命の目安10〜15年です(メーカー保証はおおむね10年、延長で15年)。10〜15年後の交換費用・劣化による容量低下・パワコン交換費は計算に含みません。
- 停電への備えなど、お金に換算しにくい価値は計算に含みません。金銭回収が厳しくても停電対策として導入する判断はあり得ます。
- 太陽光の発電が少ない冬は昼の余りが減り、実際のメリットは季節で上下します。電気料金が値上がりすると回収は早まる方向に働きます。
- 本ツールの結果は公開データに基づく目安であり、契約判断は複数社の見積もり比較のうえで行うことをおすすめします。
使い方——最低限の入力は「容量」だけ
迷ったら、蓄電池の容量(kWh)だけ入れて「回収年数を計算する」を押してください。残りの項目は公開データの目安値で自動計算します。そのうえで、次の項目を自分の家の数字に置き換えるほど、試算の精度は上がります。
| 入力項目 | 正確に入れるコツ |
|---|---|
| 初期費用 | 見積書の蓄電池分の総額(税込・工事費込み・補助金を引く前)。空欄なら実勢単価19.5万円/kWhで概算します |
| 補助金 | 「国の補助金の目安を入れる」ボタンで2026年の国のDR補助金の目安(3.45万円/kWh・上限60万円)が入ります。自治体の上乗せ分は手動で足してください |
| 買う電気の単価 | 検針票の「電気代 ÷ 使用量」がいちばん正確です。わが家の実測は約27円/kWhでした(全国の目安単価は31円/kWh) |
| 売電単価 | 卒FIT後なら大手電力の標準買取7〜9円/kWhが目安。FIT期間中なら契約時の単価を入れてください |
| 1日にまかなえる電気量 | 「容量の85%」と「夜間に使う電気量」の小さいほうが現実的な上限です。日中不在が多い家は小さめに |
太陽光とセットの見積もりで、蓄電池分の内訳金額が分からない場合は、初期費用を空欄のまま概算に任せるのがおすすめです。あわせて、セット総額そのものが相場より高くないかを太陽光発電の見積もり単価チェッカーで先に確認しておくと、二重のチェックになります。
計算式と使っている公開データ
計算式はシンプルで、回収年数 =(初期費用 − 補助金)÷ 年間の節約メリット、年間メリット = 1日に蓄電池でまかなえる電気量 × 単価差 × 365日です。単価差は、太陽光がある家では「買う電気の単価 − 売電単価」(売るより自分で使う価値)、太陽光がない家では「昼と夜の電気単価の差」を使います。蓄電池は元が取れるのかを検証した記事で紹介した、検針票から手計算する手順をそのまま自動化したものです。
| 使っているデータ | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 蓄電池の実勢価格 | 17〜22万円/kWh(概算は中間の19.5万円/kWh・工事費込み) | 経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」(2025年3月) |
| 蓄電池(補助事業の平均) | 12.1万円/kWh(工事費込み) | 同上 |
| 卒FIT後の売電単価の目安 | 7〜9円/kWh(既定値8円) | 大手電力各社の標準買取メニュー |
| FIT期間中の売電単価 | 2025年度上期までの設置=15円/kWh。2025年度下期・2026年度の設置=当初4年24円・5〜10年目8.3円 | 資源エネルギー庁 FIT・FIP制度 買取価格 |
| 買う電気の全国目安 | 31円/kWh | 全国家庭電気製品公正取引協議会 目安単価(2022年7月改定) |
| 国の補助金の目安 | 3.45万円/kWh・1申請あたり上限約60万円 | 2026年の国のDR補助金 |
いずれも2026年7月時点で確認した公開データです。売電単価や補助金は年度ごとに変わるため、契約・申請の前には必ず最新の公式情報を確認してください。寿命の物差し(10〜15年)と交換費用の考え方は、メーカー保証がおおむね10年(有償延長で15年)であることに基づく目安です。
結果の見方——物差しは「寿命10〜15年」
蓄電池の実使用の寿命は10〜15年程度が目安なので、回収年数が寿命の範囲に収まるかが損得の分岐点になります。判定は「〜10年=寿命より早い」「10〜15年=寿命の範囲内」「15〜20年=寿命超えのおそれ」「20年超=金銭回収は厳しい」の4段階です。
厳しい判定が出たときに動かせるレバーは3つあります。補助金を厚くする(自治体の上乗せを調べる)・初期費用を下げる(3社程度の相見積もりで比べる)・単価差を広げる(料金プランを見直す)です。それでも寿命内に届かない場合、金銭回収だけを理由にした導入は慎重に考えたほうがよい、というのが公開データから言える正直なところです。停電への備えとしての価値は、この計算とは別に判断してください。
実際、実勢価格で蓄電池を後付けすると、卒FITの好条件でも回収20年超という試算は珍しくありません。わが家がプラスの試算で契約できたのは、太陽光とセットで自家消費を増やせる前提に、値引きと補助金が重なったからです。その検算の中身は蓄電池は元が取れるのかを検証した記事で数字ごと公開しています。
関連記事:蓄電池の寿命と交換費用
よくある質問
太陽光がない家でも元は取れますか?
正直に言うと、かなり厳しいです。深夜の安い電気をためて昼に使う「昼夜差」の節約は、昼夜差10円・1日5kWhの条件でも年間約1.8万円にしかならず、回収年数は寿命を大きく超えがちです。シミュレーターの「太陽光なし」で自分の条件を入れて確かめたうえで、停電対策としての価値や、太陽光との同時導入も含めて検討してみてください。
FIT期間中に蓄電池を足すのは損ですか?
売電単価が高い間は「ためるより売るほうが得」なので、蓄電池の金銭メリットは小さくなります。とくに2026年度設置の当初4年(24円/kWh)は単価差がほとんど出ません。メリットが本格化するのは売電単価が下がってから(2026年度設置なら5年目の8.3円以降、従来のFITなら卒FIT後)です。わが家も2026年8月設置なので、最初の4年は売電優先・5年目からが蓄電池の本領と考えています。シミュレーターをFIT期間中と卒FIT後の両方の条件で動かして、時間軸で見るのがおすすめです。
業者のシミュレーションと結果が違います
前提の違いです。業者の試算は自家消費量・電気料金の値上がり率・売電単価などの前提を強気に置くと簡単に良く見えます。このシミュレーターの結果と大きく違うなら、「どの前提が違うのか」を質問する材料にしてください。前提を説明できない試算は、いったん保留にするのが安全です。
実測データでの検証はしないのですか?
します。わが家の太陽光+蓄電池は2026年8月18日に稼働を始めたので、これから毎月の発電量・売電額・電気代を実測して公開していきます。実測が貯まったら、このシミュレーターの係数も「公開データの目安」から「わが家の実測」へ更新していきます。机上の試算と実測がどれだけずれるかも、そのとき正直にお見せします。
試算の次にやること——答え合わせと相場チェック
回収年数を2倍以上変える3つの条件、「やめとけ」が当たる家と外れる家の見分け方、わが家が総額265万円の見積もりを検算してプラス試算と判断した中身は、蓄電池は元が取れる?我が家の導入実例で回収年数を計算にまとめています。試算結果の答え合わせに使ってください。
また、手元の見積もりが相場より高いかは太陽光発電の見積もり単価チェッカーで、そもそもの電気代が平均より高いかは一軒家の電気代平均と比較した記事で確認できます。数字で判断する材料を揃えてから、契約を決めても遅くありません。
回収年数の試算ができたら、停電時にどれくらい電気が使えるかも合わせて確認しておくと安心です。
関連記事:蓄電池7.7kWhは停電で何日もつ?オール電化の実測で計算
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