こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。
「電力会社の依頼で点検に来ました」「無料で点検しますよ」。インターホン越しにこう言われて、なんとなく怪しいと感じた方も多いですよね。本物だったら断ると困るのでは、と迷う気持ちもよく分かります。
わが家は、太陽光とエコキュートがあるオール電化の一軒家です。入居後には、太陽光の飛び込み営業が来たこともありました。外から見える設備が多い家ほど、「点検」を口実にした訪問は他人事ではないと思っています。
この記事では、国民生活センターや電力会社の公表内容をもとに、エコキュート訪問販売の手口と見分け方を整理しました。その場での断り方から、契約してしまった後のクーリング・オフの手順まで、この記事だけで動けるようにまとめています。
- 電力会社やメーカーを名乗る無料点検が本物かを「名乗り・急かし・金額」で見分ける方法
- 「今すぐ交換しないと危険」と言われたときに取扱説明書で確かめられる故障サイン
- インターホン越しで済む、法律上も効き目のある断り方
- 契約後8日以内のクーリング・オフの手順と、期間を過ぎたときの相談先
予告なしの無料点検はその場で断ってよい

結論から言うと、予告なしに来た「無料点検」は、その場で断って大丈夫です。電力会社やメーカー、自治体が、アポなしでエコキュートの点検に回ることは基本的にありません。
「電気の点検」で実際に家へ来るのは、電気保安協会などによる定期調査くらいです。こちらは4年に1回で、事前のお知らせか訪問での日程調整があり、費用もかかりません。調べるのは配線や分電盤で、エコキュート本体の交換を勧める制度ではないんです。
そもそもエコキュートには、法律で決まった点検の義務がありません。「点検しないと違法」「法律で義務になった」という話は、エコキュートについては根拠のない話です。
「今すぐ交換しないと危険」と言われても、あわてる必要は基本的にありません。エコキュートの不調は、お湯が出ない、水が漏れるといった、住人が気づける症状として表れるのが普通です。前触れなく故障することもありますが、それは訪問者の点検でしか見抜けない「隠れた危険」とは別の話なんですね。
交換が本当に必要かどうかは、あとから自分で確かめられます。写真を送るだけで無料見積もりを出す交換業者もあるので、金額と必要性を比べる時間は十分にあります。
迷ったら「名乗り・急かし・金額」の3点を確認し、その場では契約しない。これがいちばんの守りになります。
「断ったら失礼かな」と気にする方もいると思います。でも本物の点検なら、あとから窓口に確認しても困ることはありません。まずは断って、確かめるのはそれからで十分です。
太陽光と同じ型のエコキュート訪問販売の手口
エコキュートの訪問販売で目立つのは、「無料点検」で近づき、不安をあおって高額な交換契約につなげる手口です。入口は点検、出口は交換。太陽光の点検商法とまったく同じ型をしています。

無料で見てくれるなら、ちょっと見てもらおうかなって思っちゃうよね。
その気持ち、分かります。でも流れを知っておくと、入口の時点で気づけるみたいですよ。一緒に見ていきましょう。
国民生活センターによると、給湯器の点検をめぐる相談は、ここ数年ではっきり増えています。
| 年度 | 給湯器の点検に関する相談件数 |
|---|---|
| 2018年度 | 206件 |
| 2019年度 | 241件 |
| 2020年度 | 245件 |
| 2021年度 | 335件 |
| 2022年度 | 561件 |
| 2023年度(12月31日まで) | 1,099件 |
2023年度は年度途中の集計なのに、前年度の同じ時期のおよそ3倍に跳ね上がりました。契約した人の7割以上は70歳以上です。離れて暮らす親の家にも関わる話として、家族で共有しておきたいところですよね。(出典:国民生活センター『給湯器の点検にご注意ください』)
私の住む関西でも、関西電力が国民生活センターの情報をもとに注意を呼びかけています。訪問販売の相談は全体では減る流れなのに、エコキュートなど電気給湯機の相談は増えているそうです。
同社が挙げている型は2つです。経済的なメリットばかりを強調して冷静に判断させない型と、機能の説明が足りず家に合わない機器を勧める型です。電力会社の職員を名乗る詐欺的な電話や訪問も起きている、と案内しています。
無料点検で不安をあおり部材代・工事代を請求
点検そのものは無料でも、点検のあとに修理代や交換の部材代・工事代を求めてくるのが、この手口の中心です。公表されている事例のセリフで流れを並べると、次のようになります。
| 段階 | よく使われる言い方 | 狙い |
|---|---|---|
| 訪問・電話 | 「点検に回っています」「自治体から委託を受けました」「契約中のガス会社から依頼されました」 | 身元をぼかして警戒を解く |
| 点検 | 「無料で点検します」 | 家や機器に近づく口実をつくる |
| 不安をあおる | 「このままでは壊れる」「すぐ交換しないと危ない」 | 判断力を落とす |
| 即決を迫る | 「今契約すれば割引します」 | 他社と比べさせない |
電力会社の関係者を装う型もあります。九州電力は、漏電調査や分電盤の修理を名目に、多額の工事代金を求める事例を公表しています。「電力会社の切り替えに工事が必要」として請求する例もあるそうです。
「点検に来た」と言って販売の目的を隠すこと自体、特定商取引法で禁じられています。点検のはずが途中から交換の話になったら、その時点で警戒してよいサインです。
太陽光でも「点検が法律で義務化された」という勧誘が増えていると、経済産業省が注意を呼びかけています。「義務」という言葉で断りにくくするのも、エコキュートと共通する型なんですね。
交換直後でも約50万円に 点検商法の被害事例
国民生活センターの「見守り新鮮情報」(第478号・2024年3月12日)に、印象に残る事例があります。交換したばかりの給湯器でも「すぐ交換しないと危ない」と言われ、約50万円で契約してしまったケースです。(出典:国民生活センター『見守り新鮮情報 第478号』)
相談者は70歳代で、「ガス給湯器の点検に回っている」と訪ねてきた業者に点検を受けました。最近交換したばかりだったのに、お風呂に入れなくなる不安から交換を承諾したそうです。エコキュートではなくガス給湯器の事例ですが、手口の流れはそのまま当てはまります。
わが家のエコキュートも新築時に入ったばかりですが、この事例を見ると「新しいから安心」とは言えません。機器の状態に関係なく「危ない」と言われうる、と覚えておくのが大事かなと思います。
国民生活センターが2024年2月21日に公表した資料でも、給湯器の点検をめぐる相談として次のような型が挙がっています。
- ガス会社の人だと思い込んで点検を頼み、交換契約をしたが高額だった
- 「自治体から委託された」という業者の点検後に、交換が必要と言われた
- 割引をうたわれて契約し、後から解約したくなった
- 「無料点検」と言われて頼んだら、交換を勧められて契約した
太陽光でも同じ型の被害が報告されています。入口のセリフが違うだけで、流れはそっくりです。
| 太陽光の相談事例 | 入口のセリフ | その後 |
|---|---|---|
| 80歳代女性 | 「点検が法律で義務化された」「パネルによる火災事故が起こっている」 | 無料点検の後、洗浄とコーティングで約40万円の契約 |
| 70歳代男性 | 「県から依頼された。無料点検する」 | 県に確認したら、そのような点検はしていなかった |
| 70歳代女性 | 「設置事業者が倒産したので代わりに来ている」 | 修理に20万円、撤去なら50万円と言われた |
専門業者に頼むパネル洗浄だけなら、相場は1回2万〜5万円ほどです。約40万円の契約はコーティング込みなので単純には比べられませんが、その場で出された金額は、同じ作業内容の見積もりと比べないと高いかどうか分かりません。ここが点検商法のいちばん怖いところですね。
無料点検詐欺を見分ける名乗り・急かし・金額
無料点検が本物かどうかは、「名乗り」「急かし」「金額」の3点でかなりの部分を見分けられます。身元をぼかす、即決を迫る、その場でお金の話をする。どれかに当てはまれば、その場で契約する理由はありません。

| 観点 | 本物の訪問 | 怪しいサイン |
|---|---|---|
| 名乗り | 身分証を示し、会社名・部署名・氏名・訪問の目的をはっきり言う | 「電力会社の方から」「自治体から委託」など主体をぼかす。身分証を出さない |
| 目的 | 電気保安協会の定期調査は配線・分電盤が対象で、機器の交換は勧めない | 「無料点検」で入り、途中から交換の話になる。「法律で点検が義務」と言う |
| 急かし | 不調は住人が気づける症状で分かり、その日に決める必要はない | 「このままでは壊れる」「今日だけ」「今なら割引」 |
| 金額 | 電力会社や保安協会は、その場で工事代や手数料を請求しない | 点検代・出張代をその場で求める。他社と比べさせずに交換を即決させる |
表の右側に当てはまることが出てきたら、話を切り上げてかまいません。ここからは3つの観点を、ひとつずつ具体的に見ていきます。
名乗り:電力会社は点検に来ない 身分証と窓口で確認
電力会社が、エコキュートの点検のために予告なく訪ねてくることは基本的にありません。名乗られたら、身分証を確かめ、自分で調べた窓口に問い合わせるのが確実です。
中部電力ミライズによると、正規の社員は訪問時に身分証明書を示します。会社名・部署名・担当者名と、訪問の目的もはっきり説明するそうです。「電力自由化PRセンター」「スマートライフプラン診断係」といった部署は存在しない、とも明言しています。
九州電力も、現地で工事代金を請求しないこと、検針票を見せてほしいとは言わないことを公表しています。「電力会社の方から来ました」のように、会社名ではなく「方から」とぼかす言い方にも気をつけたいところです。
訪問販売の業者には、勧誘の前に事業者名・勧誘の目的・商品の種類を告げる義務があります(特定商取引法)。名乗らない、目的をはっきり言わない。その時点で、ルールを守っていない相手だと分かります。
本物かどうかを確かめる手順は、次のとおりです。
- インターホン越しのまま、会社名・部署名・氏名・訪問の目的を聞く
- 身分証明書の提示を求める
- その場で渡された番号ではなく、検針票・請求書・公式サイトに載っている番号に電話して、訪問の有無を確かめる
- 自治体やガス会社を名乗った場合も、名乗られた組織に自分で直接確認する
電気保安協会の定期調査を名乗る場合は、事前の「お知らせ」があったか、協会名入りの制服と調査員証があるかで見分けられます。定期調査はお金を求めませんし、エコキュートの交換を勧めることもありません。
ただし、保安協会をかたる偽の調査員も確認されています。少しでも引っかかるなら、その場では何も頼まず、協会や電力会社に自分で問い合わせましょう。
急かし:「今日だけ」「今なら割引」は即決させる型
「今日だけ」「今なら割引」は、他社と比べる時間を与えないための言葉と考えてよいです。本当に必要な交換なら、数日かけて比べても困ることはありません。
太陽光では、「安く契約できるのはあと2件」と言われて約300万円の契約をした相談例も公表されています。数を限って「急がないと損」と思わせるのも、よくある型です。
割引の大きさも、判断の材料にはなりません。エコキュートは、定価と実際の販売価格の差がとても大きい商品だからです。
| 例:三菱電機 SRT-S377(370L フルオート) | 価格 |
|---|---|
| メーカーの積算見積価格(税別) | 1,210,000円 |
| 通販の最安値(2026年9月時点) | 262,730円 |
通販の最安値は、定価のおよそ2割です。つまり「70%OFF」と言われても、それだけでは安いかどうか分かりません。パナソニックのように定価を決めていないメーカーもあるので、割引率ではなく総額で比べるのが基本です。
ここからは、私自身の反省も込めた話です。私は太陽光と蓄電池を、相見積もりを取らずに1社で即決しました。結果的に金額は安い部類でしたが、その場で確かめきれなかったことがあります。
商談の席で、赤ペンを持って検算はしました。ただ、見たのは月々の返済14,963円と、提案書の経済効果17,217円のどちらが大きいかだけ。17,217円が何の足し算でできているかまでは、当時は見ていませんでした。
後から提案書を読み返すと、月別の推定発電量シートの方位欄に「西」と書かれていました。実際の屋根はほぼ真南向きで、同じ提案書の配置図も南向きです。契約のときは、この食い違いにまったく気づいていませんでした。
私の場合は信頼できると判断した相手でしたが、急いで決めると書類の中身まで目が届かないものですよね。後から友人の話を聞いて、「やっぱりしっかり相見積もりが必要だった」と感じています。
金額:45万円は高い?相場と同条件の総額で比べる
結論として、「45万円」という金額だけでは、高いとも安いとも言えません。エコキュート交換の工事費込み総額は40万〜80万円ほどが相場で、45万円はその範囲に入っているからです。
高いかどうかは、同じ容量・同じタイプ・同じ工事範囲で取った他社の総額と並べて、初めて分かります。提示された金額だけを見て判断しないのがポイントです。
参考までに、交換費用の公表例を並べておきます。
| 条件 | 工事費込み総額の目安 |
|---|---|
| 370L フルオート・標準圧(販売事業者の公表例) | 約42万〜53万円 |
| 460L フルオート・標準圧(同) | 約45万〜56万円 |
| 370L(ダイキン公式の目安) | 約50万〜70万円 |
| 460L(ダイキン公式の目安) | 約60万〜70万円 |
どれも公表時点の一般的な目安で、地域や設置条件、機種で実際の金額は変わります。ある交換業者の実績では、総額40万〜50万円未満が約57%を占めています。訪問業者の45万円も、その意味ではごく普通の価格帯です。
つまり、「相場より高いから詐欺」「安いから安心」とは、金額だけでは決められないわけです。比べるときは、次の条件を揃えてください。
- 容量(370L・460Lなど)と給湯タイプ(フルオート・オート・給湯専用)
- タンクの形(角型・薄型)と水圧の仕様(高圧タイプは標準圧より総額で4万〜7万円高い帯)
- 撤去処分費・脚部カバー・基礎工事・電力会社への申請が総額に含まれているか
- 本体の品番と、工事の内訳が分けて書かれているか
同じ容量・タイプでも、本体の実勢価格は10万円前後ばらつきます。総額が高いのは機種のせいか工事のせいか、品番と内訳が分かれていないと判別できません。見積書は、まず品番と工事内訳が分かれているかを見るのがおすすめです。
補助金を使う話が出たときも注意が要ります。「補助金を使えば実質いくら」という見せ方が、まだ決まっていない採択を前提にしていないか確かめておきましょう。
「今すぐ交換しないと危険」は本当か
多くの場合、その日のうちに交換を決めなければ危ない、という状況ではありません。メーカーが「使用をやめて点検を」と求めるサインは、住人が自分で気づける症状だからです。

「危ない」って言われたら、今夜のお風呂どうしようって焦っちゃうな。
分かります。お風呂に入れなくなる不安から契約した事例もありましたよね。取扱説明書で確かめられることを、一緒に見てみましょう。
まず、エコキュートは法律で点検が義務づけられた機器ではありません。所有者登録とメーカーからの点検通知の対象になるのは、「特定保守製品」です。2021年8月の見直し後、これは石油給湯機と石油ふろがまの2品目だけになりました。「点検しないと違法」という話は、エコキュートには当てはまりません。
交換を急がされたときは、工事にかかる時間も知っておくと落ち着けます。エコキュートからエコキュートへの入れ替えでも、工事は半日ほどかかるのが一般的で、土台の作り直しが必要なら1日以上かかります。在庫がなければ取り寄せでさらに日数がかかるので、「今日すぐ」とはいかないことも多いんです。
別の業者に確かめる数日を取っても、故障が出てから交換する流れと大きくは変わりません。修理で済む症状も多く、三菱電機が公表する修理の概算は、電気部品の交換なら数万円、冷媒回路の故障でも十数万円台です。交換を決める前に、修理できるかを聞く余地は十分あります。
施主が取説で確かめられる点検と故障サイン
エコキュートの点検は、住人が自分でやる点検と、専門技術者に頼む有料の点検の2種類です。どちらも、見知らぬ業者が突然「無料で」やりに来るものではありません。
わが家のエコキュートもパナソニック製です。同社の取扱説明書には、住人が年2〜3回やる点検として次の作業が載っています(型番によって細部は異なります)。
| 作業 | 内容の要点 |
|---|---|
| タンクの排水 | 漏電しゃ断器を切り、給水元栓を閉めてから、排水栓を開いて約2分排水する |
| 逃し弁の作動点検 | レバーを上げて排水口からお湯が出るのを約10秒確かめ、下げて止まるのを確認する |
| 漏電しゃ断器の作動点検 | 通電中にテストボタンを押し、「切」になるのを確かめて「入」に戻す |
| 日常の点検 | 床に水漏れがないか、吸込口・吹出口をふさいでいないかを見る |
ダイキンの公式FAQも、同じような点検を半年に1回以上としています。取扱説明書の範囲を超える分解や電気まわりの作業は、有資格の業者の領域なので自分では触らないでください。
一方、パナソニックの取扱説明書が「使用を中止して販売店に相談を」と求める症状は、次のとおりです。
- 漏電しゃ断器が自動で「切」になる
- 使用中にこげ臭いにおい、異常な音や振動がする
- 熱いお湯が出続ける
- 運転中以外に、逃し弁から水が漏れる
- 貯湯ユニットや配管から水が漏れる
どれも、家の人が見たり聞いたりして気づける症状ですよね。訪問者の点検でしか分からない「隠れた危険」という形ではない、というのがポイントです。ダイキンも、エラー表示、お湯が出ない・温度調整ができない、運転音の異常を交換検討のサインに挙げています。
逆に、故障ではない水もあります。足元の水を見て不安になったら、出ている場所とタイミングで見分けてみてください。
| 水が出る場所 | タイミング | メーカーの判断 |
|---|---|---|
| ヒートポンプユニット | 沸き上げ中・直後 | 結露水で異常ではない(多いと一晩に10L程度) |
| ヒートポンプユニット | 冬の霜取り運転中 | 水や湯気が出るが、故障ではない |
| 貯湯ユニットの排水口 | 沸き上げ中 | お湯が温まって増えた分(膨張水)で、異常ではない |
| 貯湯ユニットの排水口 | 沸き上げ中以外 | 逃し弁レバーを動かしても止まらなければ販売店へ |
| 配管の接続部・タンク本体 | いつでも | 異常。止水栓を閉めて販売店へ |
逃し弁や減圧弁は消耗部品で、水質によっては3年程度で劣化することもあります。部品の交換で済む話なのに、本体の交換を勧められていないか。ここは確かめておきたいところです。
専門技術者による点検は3年に1回程度、10年を超えたら毎年が目安で、費用は所有者の負担です。メーカーの定期点検は、「無料で回ってくる」ものではないんですね。不安な症状があるときは、見知らぬ業者ではなく、メーカーの修理窓口か設置した販売店に相談するのが筋です。
本当に交換が必要かは、設置年数と修理費で決める判断表で確かめられます。
関連記事:エコキュートは修理と交換どっち?年数×修理費で決める判断表
インターホンで「結構です」 訪問販売の断り方
断るなら、ドアを開ける前に、インターホン越しで「結構です」「いりません」とはっきり伝えるのがいちばん確実です。国民生活センターも、点検を持ちかける業者にはインターホン越しに断るよう助言しています。

ドアを開けて点検させてから断るのは、思っている以上に難しいものです。点検のあとは「悪いところが見つかった」前提で話が進みがちなので、点検させる前の段階で止めるのが近道になります。
「結構です」はあいまいで不安、という方もいるかもしれません。実は、特定商取引法の運用指針が、どの言い方なら「契約しない」意思表示になるかを具体的に示しています。
| 言い方 | 指針での扱い |
|---|---|
| 「いりません」「関心がありません」「お断りします」「結構です」 | 契約しない意思をはっきり示した言い方に当たる |
| 「今は忙しいので後日にしてほしい」 | その場の勧誘を断っただけで、契約しない意思表示には当たらない |
| 玄関の「訪問販売お断り」の張り紙だけ | 対象や内容があいまいで、当たらない |
指針は「結構です」についてわざわざ注記を置き、否定の意思表示として十分に一般的だとしています。業者が「結構です=了承」と言い張るケースが少なくなかったためです。安心して「結構です」と言ってよいわけですね。
いったん断った相手に、その場で勧誘を続けたり、後日あらためて勧誘したりするのは法律で禁止されています(再勧誘の禁止)。同じ会社の別の担当者が来ることも、禁止の対象です。「後日にして」は断りにならないので、はっきり言い切るのがコツです。
断りの効果は、商品のジャンル全体に及びます。「エコキュートはいりません」と言えば、その機種だけでなくエコキュート全般を断ったことになります。ただし効果は言った本人に及ぶものなので、家族にも断り方を共有しておくと安心です。
そのまま使える断り方の例
「点検は頼んでいません。結構です」「エコキュートの交換はしません。お引き取りください」「気になるときは、こちらからメーカーに連絡します」。名乗られた会社に確認したいときは、会社名・部署名・氏名を聞いたうえで、自分で調べた番号にかけ直すと伝えましょう。
高齢の親が一人で対応すると、断り切れないこともありますよね。点検商法の相談は、本人だけでなく、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターの職員からでもできます。居座られて怖いと感じたときは、ためらわず警察に相談してください。
契約後8日以内ならクーリングオフできる
訪問販売で結んだエコキュートの交換契約は、書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わずクーリング・オフできます。期間内に通知を出せば有効で、違約金や手数料もかかりません。(出典:消費者庁『特定商取引法ガイド(訪問販売)』)

もうサインしちゃった人は、どうすればいいの?
まだ間に合う可能性がありますよ。まずは手元の書面の日付を確かめるところからですね。
8日の起点は、申込書と契約書のうち、早く受け取ったほうです。受け取った日を1日目として数えます。
書面に不備があったり、そもそも渡されていなかったりすると、期間は進みません。クーリング・オフの説明は、赤枠・赤字で書く決まりです。赤枠の記載がない契約書は、法律の要件を満たしていない可能性があります。
契約してから8日以内にやることを、時系列で並べるとこうなります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 契約当日 | 申込書・契約書を受け取った日と、赤枠のクーリング・オフ記載を確認する |
| 1〜3日目 | 型番・工事内容・総額を控え、写真見積もりなどで他社の金額を取る |
| 8日目まで | やめるなら、はがき・メールなどで通知する。ローンを組んだ場合はクレジット会社にも |
| 通知後 | 送付の記録や書類を5年間保管する |
工事がすでに終わっていても、クーリング・オフ自体はできます。扱いの注意点は、このあと説明します。
はがき・メールで通知する手順と控えの残し方
通知は、はがきなどの書面か、メール・専用フォーム・FAXなどの電磁的記録で出します。電子メールでの通知は、2022年6月1日施行の法改正でできるようになりました。
はがきには、国民生活センターの例にならって次の項目を書きます。
- 契約年月日
- 商品名(エコキュートの型番も書いておくと確実)
- 契約金額
- 販売会社名
- 契約を解除する旨の一文
- 商品を受け取っている場合は、引き取りと代金の返還を求める一文
- 発信日・自分の住所・氏名
書いたはがきは両面のコピーを取り、特定記録郵便や簡易書留など、送った記録が残る方法で出しましょう。期間内に発信すれば有効なので、8日目に出しても間に合います。
メールで送るときは、契約書面に通知先や方法が書かれていれば、それに従います。送ったメールや専用フォームの送信画面は、スクリーンショットで残してください。
ローン(クレジット)を組んでいる場合は、販売会社とクレジット会社の両方に同時に通知します。送付の記録や契約書などの書類は、少なくとも5年間は保管しておきましょう。控えが手元にあれば、あとで話がこじれたときの証拠になります。
8日を過ぎた・工事済みのときの取消と相談先
8日を過ぎていても、あきらめるのはまだ早いです。事実と違う説明で契約させられた場合などは、契約を取り消せる可能性があります。
| 手段 | 使える期間 | 当てはまる例 |
|---|---|---|
| 不実告知などによる取消し(特定商取引法) | 誤認に気づいた時(追認できる時)から1年、契約から5年 | 「法律で点検が義務」「すぐ壊れる」が事実でなかった |
| 過量販売の解除(特定商取引法) | 契約から1年 | 通常必要な量を著しく超える契約 |
| クーリング・オフの期間延長 | 8日を過ぎても認められる可能性 | 業者が「クーリング・オフはできない」とうそを言った、手続きを妨げた |
工事が済んでいても、クーリング・オフはできます。訪問販売では、事業者が自分の費用で機器を撤去し、元の状態に戻す義務を負うのが原則です。
ただ、エコキュートは古い機器を撤去して入れ替える工事です。旧機がすでに処分されていて元に戻せない場合、どう扱うかは個別の事情しだいになります。工事済みのケースは、自分で判断せず消費生活センターに相談するのが確実です。
相談先は、消費者ホットライン「188(いやや)」です。電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。取消しなどの判断には個別の検討が必要なので、最終的な判断は消費生活センターや弁護士などの専門家にご相談ください。
本当に交換が必要なら業者は自分で選び直す
本当に交換の時期だったとしても、訪問してきた業者に決める必要はなく、自分で選んだ業者から同じ条件の見積もりを取り直せば十分です。写真を送るだけで無料見積もりを出す交換業者もあり、家に上げずに金額を比べられます。
写真見積もりは、LINEやメール、Webフォームで受け付けているところが複数あります。ある交換業者が求める写真の例は、次のとおりです。
- 道路や駐車場から設置場所までの搬入経路(曲がり角ごとに複数枚)
- エコキュート全体(貯湯ユニットとヒートポンプを別々に)
- 土台のコンクリート
- 必要に応じて、脚部カバー内の配管・型番ラベル・台所と浴室のリモコン・専用ブレーカー
写真を見たうえで、追加の撮影や現地調査を頼まれることはあります。それでも、最初の金額を家に上げずに知れるのは大きいですよね。
訪問業者の見積書は、捨てずに手元に残しておきましょう。同じ機種・同じ工事範囲で他社と比べれば、クーリング・オフの8日以内でも判断できます。
業者の実在や信用は、自社サイトの自己申告ではなく、公的な記録で確かめられます。
| 確かめたいこと | 方法 | 見方 |
|---|---|---|
| 電気工事を合法に請け負えるか | 見積書や標識の登録番号を控え、電気工事業の登録簿と照らし合わせる(建設業許可のある業者は「みなし登録」の届出なので、所管の窓口で届出を確かめる) | 必須の条件 |
| 過去に法違反で処分されていないか | 消費者庁「特定商取引法ガイド」の執行事例検索で社名を調べる | ヒットしたら避ける材料 |
| 建設業許可があるか | 国土交通省の企業情報検索システムで調べる | 500万円未満の工事は許可が不要なので、ヒットしなくても違法ではない |
| 相談窓口の枠組みがあるか | 住宅リフォーム事業者団体登録制度の登録団体を確認する | 加入は任意。未加入でも不良業者とは限らない |
「満足度No.1」のような表示も、うのみにしないほうが安心です。2024年2月には、太陽光やエコキュートを扱う販売施工業者が、消費者庁から措置命令を受けました。根拠の弱い「No.1」表示が問題とされた例です。
国民生活センターは、給湯器は10年を目安に、信頼できる事業者に点検や取り替えを頼むよう勧めています。私自身、太陽光で相見積もりを取らなかったことは、今も引っかかっている点です。急がされたときほど、業者は自分で選び直す。これがいちばん後悔の少ない進め方かなと思います。
エコキュート訪問販売の手口に関するよくある質問
電話で「点検に伺います」と言われたら、どうすればいいですか?
その電話で点検を承諾しないのがいちばんです。国民生活センターも、電話や訪問で点検を持ちかける業者には、安易に点検させないよう助言しています。「一切取引するつもりはありません」と伝えれば、はっきりした断りになります。断れないまま来られた場合は、インターホン越しに断れば大丈夫です。なお、電話での勧誘がきっかけで契約した場合も、電話勧誘販売として8日以内のクーリング・オフの対象になります。
自分から見積もりを頼んだ業者と、自宅で契約してもクーリング・オフできますか?
できる可能性があります。消費者庁の逐条解説は、見積もりだけを目的に訪問を頼んだ業者とその場で契約した場合、クーリング・オフが使えない例外には当たらないとしています。「呼んだのは自分だから」とあきらめる必要はありません。ただし個別の事情で判断が分かれるので、迷ったら消費者ホットライン188に相談してください。
「設置した業者が倒産したので、代わりに点検に来た」と言われました。信じていいですか?
太陽光の点検商法で実際に使われている言い方なので、そのまま信じないほうが安全です。設置した業者と連絡が取れないときの公的な案内は、販売店・工務店・メーカーに自分で問い合わせることです。エコキュートなら、本体メーカーの修理窓口に連絡すれば点検や修理の相談ができます。
エコキュートの点検は、どれくらいの頻度で必要ですか?
パナソニックの取扱説明書の目安では、タンクの排水や逃し弁の確認など、住人がやる点検が年2〜3回です(メーカーや機種で目安は異なるので、お使いの取扱説明書も確かめてください)。専門技術者による点検は3年に1回程度で、10年を超えたら毎年が勧められています。専門の点検は有料で、所有者の負担です。「無料で点検に回っている」業者の点検は、このどちらにも当たりません。
家に上げて点検だけ受けてしまいました。契約していなければ大丈夫ですか?
交換を承諾していなければ、話はそこで止められます。口頭で「お願いします」と言ってしまった、申込金を払ったなど判断に迷うときは、消費者ホットライン188に相談してください。後日また勧誘に来たら「いりません」「結構です」とはっきり断りましょう。断った相手への再勧誘は、法律で禁止されています。点検のあとで機器の調子が気になるときは、その業者ではなく、メーカーの修理窓口か設置した販売店に相談してください。
まとめ:エコキュート訪問販売の手口は3点で見抜く
名乗り・急かし・金額の3つを見れば、落ち着いて判断できそうだね。
そうですね。その場で決めないのが、いちばんの守りでしたね。
エコキュートの訪問販売は、「無料点検」で近づき、不安をあおって交換を即決させる型です。予告なしの点検はその場で断ってよく、交換が必要かどうかは後から自分で確かめられます。

- 電力会社・メーカー・自治体が、予告なしにエコキュートの点検に来ることは基本的にない
- 本物かどうかは「名乗り・急かし・金額」の3点で見分け、身分証と自分で調べた窓口で確認する
- 45万円などの提示額は、同じ条件の他社の総額と比べて初めて高いかどうかが分かる
- エコキュートに法定点検はなく、故障のサインは住人が気づける症状として出る
- 断るならインターホン越しに「結構です」「いりません」とはっきり伝える
- 契約しても、書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフできる。困ったら188へ
制度や窓口の案内は変わることがあるので、正確な情報は各電力会社や消費者庁、国民生活センターの公式サイトでご確認ください。契約の取消しなど個別の判断は、消費生活センターや弁護士などの専門家にご相談ください。
私も、急いで決めたせいで提案書の中身を見落とした経験があります。訪問業者の「今日だけ」より、自分で比べた数日のほうが、ずっと確かな判断材料になるはずです。
