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オール電化の暖房の電気代|エアコン・床暖房・ヒーター比較

オール電化の暖房の電気代をエアコン・床暖房・ヒーターで比較し、最安はエアコンと示す画像

こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。

オール電化の家で冬の明細を見ると、「暖房にいくら使っているんだろう」と気になりますよね。エアコンがいいのか、床暖房やオイルヒーターは高いのか。夜の安い時間に使えば得なのかも、迷いやすいところです。

この記事では、暖房器具ごとの消費電力量を、関西電力「はぴeタイムR」の時間帯別単価で掛け直しました。1ヶ月の電気代を一表にした、暖房だけの内訳の試算です。

わが家は2026年4月に入居した、断熱等級5の新築オール電化です。新居で冬を迎えるのはこれから。なので実測ではなく試算と公的なデータを中心に、条件ごと正直にお伝えします。

  • オール電化の暖房で熱あたりの電気代が最も安いのはエアコン
  • エアコン・床暖房・蓄熱暖房機・オイルヒーターの1ヶ月の電気代の目安
  • はぴeタイムRの時間帯別単価で暖房をどう使えば請求が下がるか
  • 冬の請求で暖房と給湯を切り分ける手順と断熱等級5の効き方

オール電化の暖房の電気代はエアコンが最安

結論から言うと、オール電化の家で同じ熱を作るなら、電気代が最も安いのはエアコンです。電気式の床暖房・蓄熱暖房機・オイルヒーターは、同じ暖かさを得るのにエアコンの数倍の電気を使い得ます。

熱1kWhあたりの電気代を、昼のエアコン約9.0円と夜の電気ヒーター16.0円で並べた棒グラフ

差を生むのは料金プランより、機器の効率です。時間帯別プランの昼夜の単価差より、暖房器具どうしの効率の差のほうがずっと大きいんです。

エネすけ
エネすけ

オール電化の暖房って、夜の安い電気で動く機械がいちばんお得なんじゃないの?

私も最初はそう思っていました。でも比べてみると、単価より機械の効率の差が大きいみたいですよ。一緒に確かめてみましょう。

りょう
りょう

エアコンは電気1kWhで3〜5kWhの熱を出す

エアコンは電気で熱を「作る」機械ではありません。ヒートポンプで外の空気から熱を「運ぶ」機械です。運んだ熱の量を、使った電気で割った値をCOP(エネルギー消費効率)と呼びます。

たとえばパナソニックの14畳級200V機 CS-X406D2 は、定格で暖房能力5.0kWに対し消費電力950W。COPは約5.3で、電気1kWhから5kWh超の熱を出せる計算です。

ただし外が冷えるほど、この効率は落ちます。同じ機種でも、外気2℃の低温暖房ではCOPが約2.3まで下がります。真冬の朝にエアコンの電気代が跳ねやすいのは、このためです。

普段使いの目安は「電気1kWhで熱3〜5kWh」。寒い日は2kWh台まで落ちる、と覚えておくと数字を読み違えません。この記事では、平均的な運転をCOP3と仮定して計算していきます。

床暖房や蓄熱暖房がエアコンの数倍になる理由

電気式床暖房・蓄熱暖房機・オイルヒーター・セラミックファンヒーターは、電気を流して直接熱に変える機器です。COPは1なので、電気1kWhからは熱1kWhしか出ません。

エアコンがCOP3なら、同じ熱を作る電気は3分の1で済みます。裏返すと、電気ヒーター類はエアコンの約3倍の電気を使う計算。条件のよいときのエアコンと比べれば、差はさらに開きます。

熱1kWhを作る電気代は「電力量単価÷COP」で出せます。はぴeタイムR(2026年11月1日以降の単価)で計算すると、次のとおりです。

熱の作り方COPの目安ナイトタイム 16.00円リビングタイム 23.52円平日デイタイム 26.96円
エアコン 定格運転約5.3約3.0円約4.4円約5.1円
エアコン 平均的な運転(仮定)3約5.3円約7.8円約9.0円
エアコン 外気2℃の低温暖房約2.3約7.0円約10.2円約11.7円
電気ヒーター類(電気式床暖房・蓄熱暖房機・オイルヒーター等)116.0円約23.5円約27.0円

※熱1kWhあたりの電力量料金です。燃料費調整額・再エネ賦課金・基本料金は含みません。

表を見ると、夜の安い時間に電気ヒーターで熱を作っても、昼のエアコンより高いと分かります。時間帯で単価が下がる幅より、機器の効率の差のほうが大きいからです。

なお、床暖房でもヒートポンプを熱源にする温水式は、COPが1を超えます。床暖房がすべて高いわけではなく、方式で分かれる点は次の章で見ていきます。

暖房器具別の1ヶ月の電気代を一表で比較

1日8時間×30日で比べると、エアコンが最も安く、電気ヒーター類はその数倍です。電力量料金だけで見ると、14畳のエアコンは月1,000〜3,400円ほど。1,200Wのオイルヒーターを連続で使うと、月4,600〜7,800円ほどかかります(燃料費調整額・再エネ賦課金・基本料金は別)。

暖房器具ごとの1ヶ月の電力量料金を、エアコン14畳からオイルヒーター強まで横棒グラフで比べた図

この表の前提

単価ははぴeタイムRの2026年11月1日改定後で、ナイトタイム16.00円・リビングタイム23.52円・平日デイタイム26.96円(1kWhあたり・税込)。金額は電力量料金のみで、燃料費調整額と再エネ賦課金(合計で1kWhあたり約8.93円)は右端の列に分けました。基本料金と電化割引は入れていません。

機器(出典の条件)30日の電力量すべてナイトタイムすべてリビングタイムすべて平日デイタイム燃調+賦課金の上乗せ
エアコン 6畳(パナソニックXシリーズ・暖房期間平均)約36kWh約568円約835円約958円約317円
エアコン 14畳(同・暖房期間平均)約64kWh約1,025円約1,507円約1,728円約572円
エアコン 14畳 4.0kW(ダイキン実測・暖房24℃の真冬日)約127kWh約2,032円約2,987円約3,424円約1,134円
電気カーペット 3畳 中(パナソニック DC-3NK)約80kWh約1,286円約1,891円約2,168円約718円
温水式床暖房 8畳 ヒートポンプ熱源(参考値)約110kWh約1,755円約2,580円約2,957円約979円
電気式床暖房 8畳(床温ひかえめ〜あたたかめ・参考値)約103〜226kWh約1,652〜3,613円約2,428〜5,311円約2,783〜6,088円約922〜2,016円
セラミックファンヒーター 弱(約640W連続)約154kWh約2,458円約3,613円約4,141円約1,372円
オイルヒーター 中700W(連続通電と仮定)168kWh2,688円3,951円4,529円約1,500円
オイルヒーター 強1,200W/セラミック 強1,200W(連続)288kWh4,608円6,774円7,764円約2,572円

メーカーのカタログの電気代は、全国一律の目安単価31円/kWhで計算されています。オール電化で夜間に使うと実際より高く、平日昼だと少し高めに出ます。そこでこの表では、消費電力量だけを借りて単価を掛け直しました。

同じ8時間でも、どの時間帯に置くかで金額は変わります。それでも時間帯をずらすより、機器を変えるほうが差は大きい。表全体から読み取れるのは、この一点かなと思います。

冬の電気代の総額や平均は、別の記事でまとめています。ここでの数字は、あくまで暖房だけの内訳として読んでください。

エアコン14畳は1ヶ月1,000〜3,000円の幅

14畳のエアコンを1日8時間・30日使うと、電力量料金は月1,000〜3,000円台が目安です。幅が出るのは、暖房期間を均した平均と真冬の寒い日とで、電力量が約2倍違うからです。

平均側は、パナソニックXシリーズの暖房期間(160日・設定20℃)の値で1時間あたり約0.27kWh。寒い日側は、ダイキンが京都で行った実測(設定24℃・最高気温7.8℃の日)で、24時間運転の平均が1時間あたり約0.53kWhでした。表ではこれを8時間分に単純換算しています。

同じ部屋でも、設定温度と外の寒さ次第で電気代は倍になり得るわけです。表の金額は「この間のどこか」と読むのが現実的ですね。

機種の差も無視できません。同じ14畳でも、上位のXシリーズは暖房期間769kWh、普及機のJシリーズは1,081kWhで、約1.4倍の開きがあります。買い替えのときは本体価格だけでなく、期間消費電力量も見比べると毎冬の差に効いてきます。

お金をかけない対策もあります。パナソニックによると、設定温度を1℃下げると消費電力は約10%減ると言われています。逆にフィルターを1年掃除しないと、暖房時の消費電力は約25%増えるそうです。(出典:パナソニック『エアコンの暖房の電気代』)

複数台のエアコンで家全体を暖める場合の試算はこちら。
関連記事:一軒家のエアコン暖房の電気代は1ヶ月いくら?

オール電化の床暖房の電気代は方式で変わる

床暖房の電気代は、ヒートポンプ熱源の温水式か、電熱の電気式かで大きく変わります。パナソニックの方式比較では、温水式はランニングコストが低い代わりに設置費用が高め。電気式は設置費用が安く、ランニングコストはやや割高です。

8畳・1日8時間×30日の試算では、ヒートポンプ温水式が約110kWh、電気式が約103〜226kWhでした。リビングタイムで使うと、温水式は約2,580円、電気式は約2,428〜5,311円の計算です。

電気式の幅が広いのは、床温を「ひかえめ」にするか「あたたかめ」にするかの違いです。設定次第で倍以上変わるので、使い方の影響が大きい方式と言えます。

床暖房の2行は、比較サイトがパナソニックの2023年版カタログの値として紹介している月額(8畳・室温約20℃)を割り戻した参考値で、カタログ原本は確認できていません。機種の世代・床面積・住宅性能で大きく動くので、導入前は施工会社の試算も必ず確認してください。

メーカー公式の年間試算もあります。ダイキンはヒートポンプ温水床暖房(東京・20畳・6か月・1日8時間・31円/kWh)を年15,500円、同じ条件のガス温水床暖房を年28,300円としています。

広い面積を長く暖めても、熱源がヒートポンプならガス式より安く収まり得る、という目安ですね。一方で床暖房は立ち上がりに時間がかかり、ダイキンの試算も立ち上がり2時間ぶんの負荷を見込んでいます。短時間だけ暖めたい部屋には向きません。

床暖房は床の施工が要るので、住み始めてから足すのは大がかりになります。これから家を建てる方なら、設置費用とランニングコストのどちらを重く見るかで方式を選ぶ、というのが私の考えです。

蓄熱暖房機は夜間単価でも1ヶ月1万円超

電気蓄熱暖房機は、夜間の安い電気で蓄熱レンガに熱をため、昼夜に放熱する機器です。ただしCOPは1なので、夜間単価でも1台で月1万円を超えます。

満蓄熱の晩は「定格×8時間」の電気を使います。ユニデールの4kW機なら1晩32kWh、30日で960kWhです。エアコン14畳を1日8時間使う月の電力量と比べると、まさに桁違いの量ですよね。

機種(定格)1晩の最大蓄熱30日・蓄熱100%30日・蓄熱70%燃調+賦課金(100%時)
4kW機(VUEi 40JW)32kWh960kWh・15,360円672kWh・10,752円約8,573円
6kW機(VUEi 60JW)48kWh1,440kWh・23,040円1,008kWh・16,128円約12,859円

※ナイトタイム16.00円/kWhで計算した電力量料金です。メーカーの蓄熱量の目安は、真冬が100%、初冬が70%です。

使い勝手にも注意点があります。ファンを止めても本体からの放熱は続き、自然放熱では残熱が約55%までしか下がりません。暖房がいらない時間や留守の日にも熱が出るので、生活スタイルによっては無駄になります。

蓄熱量は前日に決めるため、翌日の急な冷え込みや暖かさに合わせにくい面もあります。メーカー自身も、外気温の変動が大きいと不足する場合があると注記しています。

もう一つは基本料金です。はぴeタイムRの基本料金は10kWまで定額で、超えると1kWごとに467.55円が加わります。蓄熱暖房機2台とエコキュートの沸き上げが深夜に重なると、この枠を超え得るので要注意です。

断熱等級5のわが家の条件で考えると、昼夜ずっと熱を出し続ける蓄熱暖房機を新たに入れる理由は見当たりません。すでに設置済みの家なら、まずは蓄熱量の設定を季節に合わせて下げるのが手軽な一歩かなと思います。

既存の蓄熱暖房機を撤去・入れ替えるときは、200Vの専用回路や契約電力も変わり得ます。電気工事は有資格の業者の領域なので、自分で配線に手を出さず業者に相談してください。

オイルヒーターはエアコンの2〜4倍かかる

1,200Wのオイルヒーターを1日8時間・30日連続で使うと288kWh。エアコン14畳の約2〜4倍の電気を使う計算です。

倍率に幅があるのは、比べるエアコンの条件が違うからです。暖房期間の平均と比べると約4.4倍、寒い日のエアコン実測と比べても約2.3倍になります。

しかも、この比較は同じ暖かさどうしではありません。1,200Wのヒーターの熱出力は1.2kWで、14畳級エアコンの暖房能力(定格5.0kW)よりずっと小さいんです。ヒーター1台で14畳を暖めきるのは難しく、熱の量で揃えれば差はもっと開きます。

デロンギの1,200Wタイプは強・中・弱(1,200W・700W・500W)の切り替え式で、広さの目安は8〜10畳です。サーモスタットで通電を入り切りするため、部屋が暖まった後は表の「連続」より電気代が小さくなり得ます。

オイルヒーターには、燃焼がなく空気を汚さない、音が静かといった良さがあります。部屋全体の主暖房ではなく、脱衣所や足元など狭い範囲の短時間の補助なら、評価は変わってきます。

1,200W級の機器は、100Vのコンセント1口で約12Aを使います。同じ回路につないだ他の家電との兼ね合いもあるので、使う場所は気にしておきたいところです。

わが家で電気ヒーター類を検討するなら、脱衣所などエアコンの暖気が届きにくい場所で、短時間だけ使う補助としてです。リビングの主暖房をヒーターに任せる選択肢は、電気代の面では選びにくいと感じています。

はぴeタイムRの時間帯で暖房をどう使えば安いか

はぴeタイムRでは、冬の暖房の大半は朝晩のリビングタイムに乗ります。夜に寄せる工夫より、いらない時間に止めることと、効率のよいエアコンを主役にすることが請求に効きます。

はぴeタイムRの3つの時間帯の単価を時間軸で示した図。ナイト16.00円、リビング23.52円、平日デイ26.96円

夜の電気は安いので、暖房も夜につけっぱなしのほうが得なのか気になりますよね。

りょう
りょう
エネすけ
エネすけ

それそれ! 安いなら、ずっとつけておけばいいんじゃないの?

安いのは確かですけど、使った分はやっぱりかかるんですよね。時間帯と生活リズムを重ねて、一緒に考えてみましょう。

りょう
りょう
時間帯平日休日扱い日単価(2026年11月1日〜)
7〜10時(朝の暖房)リビングタイムリビングタイム23.52円/kWh
10〜17時(日中の在宅暖房)デイタイム(冬は「その他季」)リビングタイム26.96円/kWh(休日は23.52円)
17〜23時(夕方〜夜の暖房)リビングタイムリビングタイム23.52円/kWh
23〜翌7時(就寝中)ナイトタイムナイトタイム16.00円/kWh

※休日扱い日は土日祝と、1月2〜3日・4月30日・5月1〜2日・12月30〜31日。2026年10月31日までは旧単価(ナイト15.37円・リビング22.80円・デイその他季26.24円)です。

では、エアコン1台を生活パターンごとに使うと月いくらか。14畳級の期間平均と、寒い日の実測の2つの消費電力量で計算すると、次のとおりです。

使い方(エアコン1台・30日)期間平均(1時間約0.27kWh)寒い日・24℃設定(約0.53kWh)
平日の朝夕(リビングタイム)8時間約1,524円約2,992円
在宅で7〜23時の16時間(デイタイム7時間を含む)約3,243円約6,366円
就寝中(ナイトタイム)8時間約1,037円約2,035円

※電力量料金のみ。30日すべてを平日扱いにした上限側の計算です(休日扱い日はデイタイムが無くリビングタイム)。

月額を大きく左右するのは、時間帯の選び方より在宅で暖房を使う時間の長さです。家にいる時間が長い家庭ほど、効率のよい機種と設定温度の見直しが効いてきます。

冬のデイタイムは「その他季」の単価で、夏季の29.59円より安くなります。平日昼に暖房しても、リビングタイムとの差は1kWhあたり3.44円にとどまります。在宅ワークで昼に暖房を使う家でも、時間帯を過度に気にする必要はなさそうです。

燃料費調整額(11月分で+4.75円/kWh)と再エネ賦課金(2026年度4.18円/kWh)は、どの時間帯にも同じだけかかります。

この上乗せ分は使った量に比例するので、時間帯をずらしても減りません。結局は、暖房に使う量そのものを減らすのがいちばん効きます。

国の冬の電気料金支援は、2026年10月13日時点で今冬分が未発表です。前の冬は1・2月使用分に1kWhあたり4.5円の値引きがありました。支援がなければ、去年と同じ使用量でも今冬の請求は高く見えるかもしれません。

エアコンの夜間つけっぱなしは安いのか

就寝中にエアコンをつけると、その分はナイトタイム単価になり、リビングタイムより1kWhあたり7.52円安くなります。とはいえ単価が安いことは、つける理由になりません。使わなければ0円だからです。

参考になるのがダイキンの実測です。14畳・4.0kW機を設定24℃で丸1日運転したところ、つけっぱなしは24時間で12.7kWh。就寝中や長時間の外出で止める運転は11.6kWhで、こちらが少なく済みました。(出典:ダイキン工業『冬のエアコンつけっぱなし検証』)

時間帯つけっぱなし就寝中などに止める運転
深夜〜早朝(23〜6時)3.5kWh0.3kWh
日中(6〜18時)5.7kWh8.9kWh
夜(18〜23時)3.4kWh2.4kWh
24時間12.7kWh11.6kWh

注目したいのは日中の逆転です。夜に止めた部屋は、朝の立ち上がりで電気を多く使いました。夜止めた分の一部は、朝のリビングタイムに付け替わるわけです。

はぴeタイムRに当てはめると、比べるのは「夜に削れる約3.2kWh(ナイト単価)」と「朝の立ち上がりの増加(リビング単価)」です。この実測では1日で約1.1kWh少なく済みました。ただ、減ったのは主に安いナイトタイム、増えたのは朝以降の単価の高い時間帯です。増えた分をリビングタイム単価で見積もると金額の差は1日1円にも満たず、電力量の差ほどには安くなりません。

一方、30分ごとに入り切りする使い方は、全時間帯でつけっぱなしより電気を多く使いました。ダイキンの結論は「30分程度の外出ならつけっぱなし、長時間の外出や就寝時は止める」です。

ダイキン自身も、設置状況・天候・断熱性・気密性で結果は変わると注記しています。迷ったら、電力会社のマイページの時間別使用量で、止めた日とつけた日を比べるのが確実です。

夜間の蓄熱暖房と昼のエアコンはどちらが安いか

先ほどの熱単価の表のとおり、熱1kWhあたりでは昼のエアコンのほうが夜間の蓄熱暖房より安いです。「夜間電力の蓄熱暖房はエアコンより安い」とは、単価の差だけでは言えないわけですね。

しかも蓄熱暖房機には、ためた熱のロスが乗ってきます。建築研究所の省エネ計算方法は、蓄熱効率を0.850と置いています。実際の差は熱単価の比較以上に開く、と考えておくのが無難です。

追焚(昼の蓄熱)にも注意が必要です。追焚を使うと、その分はデイタイムやリビングタイムの単価になります。夜間の安さを活かせるのは、あくまで夜にためた分だけです。

請求明細での見分け方もあります。蓄熱暖房機は使用量の大半がナイトタイムに入ります。冬に夜間の使用量が大きく伸びていれば蓄熱機器、昼やリビングタイムが伸びていればエアコンなどの直接暖房、という目安です。

古いタイプのオール電化(電気温水器+蓄熱暖房機)の家なら、この熱単価の差はエアコンへの置き換えを考える材料になります。ただ撤去や工事は機器の状態や配線も絡むので、最終判断は業者や専門家に相談してください。

関西以外や寒冷地では暖房費をどう読み替えるか

この記事の金額は、関西電力はぴeタイムRの単価で計算しています。ほかのエリアでは時間帯の区切りと昼夜の差が違うので、消費電力量(kWh)だけを借りて、自分の契約の単価で掛け直してください。

エリア・プラン前提の違い(暖房への効き方)
東京電力EP スマートライフS/L夜間は午前1〜6時の5時間だけ。昼夜差は7.90円/kWhで、夜に寄せる効果は関西より小さい
中部電力ミライズ スマートライフプランデイタイム(10〜17時)38.80円とナイト16.52円の差が22.28円。平日昼の暖房の重さが関西より大きい
九州電力 電化でナイト・セレクト冬の平日昼間27.63円が最高で、休日昼間は22.01円
北海道電力(eタイム3プラス等の旧プラン)ヒートポンプ式暖房機などに冬期間の電力量料金10%の暖房融雪割引。エコキュートは対象外

寒冷地では、表の金額をそのまま使えない点にも注意が必要です。外気が下がるほどエアコンの能力と効率は落ち、霜取り運転で一時的に暖房が止まることもあります。

国交省の設計ガイドは、インバーター機なら低温下でも能力を上げられ、外気−30℃でも暖房できる寒冷地向け製品もあると説明しています。それでも寒い地域ほど電力量は増えるので、表より多めにかかる前提で見ておくのが安全かなと思います。

単価や時間帯は改定されることがあります。正確な料金は、契約先の電力会社の公式サイトで確認してください。

わが家の冬の請求で暖房と給湯を切り分ける

オール電化の冬の請求の増分は、主に暖房と給湯(エコキュート)の合算です。電力会社のマイページの時間別の使用量で、23〜7時の増分は主に給湯、7〜23時の増分は主に暖房と読むと切り分けられます。

冬の請求の増分を、時間別の使用量を並べて暖房と給湯に切り分ける3ステップの手順図
エネすけ
エネすけ

冬の電気代が高いのって、全部暖房のせいだと思ってた!

私もそう思っていました。でもオール電化だと、お湯を沸かすのも電気なんですよね。どちらがどれだけか、明細で確かめていきましょう。

りょう
りょう

年間で見ると、実は給湯のほうが暖房より大きいんです。環境省の家庭CO2統計(令和5年度)では、戸建の暖房は年8.9GJ、給湯は10.4GJでした。暖房は冬に集中し、給湯は通年で使いながら冬に上乗せされる、という違いがあります。(出典:環境省『令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果について(確報値)』)

給湯が冬に増えるのは、水道水が冷たくなるからです。奈良の水道水温は、実測で最低5.0℃・最高30.3℃。42℃のお湯を作るなら、冬は夏の約3倍の熱が要る計算です。

そのうえ外気が冷えると、エコキュートのヒートポンプも効率が落ちます。同じお湯の量でも、冬の給湯は夏よりずっと重くなるわけです。

見分けの手がかりは、電気を使う時間帯の違いです。エコキュートは消費電力量の約80%が夜間帯に出ます。エアコンなどの直接暖房は、使った時間帯、つまり主にリビングタイムやデイタイムに出ます。

  • 電力会社のマイページ(関西電力ははぴeみる電)で、秋(暖房なし)と冬の同じ曜日の1時間ごとの使用量を並べる
  • 23〜7時の増分は主にエコキュート(蓄熱暖房機があればそれも)と読む
  • 7〜23時の増分は主にエアコンなどの直接暖房と読む
  • 沸き上げ量は湯の使用量でも変わるので、家族構成・入浴回数が同じ週どうしで比べる

時間帯別の公的な平均値は無いので、比べる基準は自宅の秋の時間別使用量そのものにするのが確実です。

正直に言うと、わが家は新居で冬を迎えるのがこれからです。新居の明細は2026年5月分からで、冬の暖房費はまだ実測できていません。

参考になるのは、旧居(賃貸アパート・給湯と調理はプロパンガス)の電気の明細です。2025年1月は704kWhで、6月の296kWhの約2.4倍に増えていました。

翌冬の2026年1月も629kWhで、2冬続けて冬に大きく跳ねています。旧居の給湯はガスだったので、この増分は給湯を含まない「暖房+照明家電」の増え方として読めます。ただ住宅の性能がまったく違うので、新居にそのまま当てはめることはできません。

新居ならではの注意点もあります。わが家は2026年8月18日から太陽光と蓄電池が動いていて、請求の使用量は電力会社から「買った電気」だけです。

実際、9月分の請求はデイタイムがわずか1kWhで、残りはナイトタイム111kWh・リビングタイム34kWhでした。太陽光で昼の電気をまかなえる日は、請求の時間帯別使用量だけでは暖房の量が見えにくくなりそうです。太陽光のある家では、モニターの消費量もあわせて見ていくつもりです。

太陽光発電がある家の冬の電気代の試算はこちら。
関連記事:太陽光があってもオール電化の冬の電気代は高い?

断熱等級5の新築と灯油併用で暖房費は変わるか

東京などの6地域で、部屋ごとに必要な時間だけ暖める場合、断熱等級5の家は等級4より暖房エネルギーが約4割減る目安です。灯油ストーブの併用は、熱の単価で見るとエアコンより高く、夜間の電気ヒーター並みです。

国交省が編集協力した設計ガイド(令和7年3月)は、HEAT20のシナリオを引いて断熱の水準ごとの差を示しています。6地域(東京など)で、部分間けつ暖房をした場合の比較です。

断熱の水準暖房エネルギー(等級4比・部分間けつ暖房)暖房期の最低室温の目安
等級4(平成28年省エネ基準)基準概ね8℃
G1(概ね等級5)約40%減概ね10℃
G2(概ね等級6)約55%減概ね13℃
G3(概ね等級7)約75%減概ね15℃

ここで、家じゅうを連続で暖めると話が逆転する点に注意が必要です。同じシナリオで、G1を全館連続暖房にすると、等級4で居室だけ暖める場合より暖房負荷が約50%増えます。

国の検討会(2021年)の委員資料の試算(東京)でも、傾向は同じです。等級4→G2で、暖房電気代は間欠暖房なら年3.1万円→2.3万円、連続暖房なら年9.3万円→4.1万円でした。(出典:国土交通省『脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会』第2回 委員提言資料)

単価の前提が不明なので、金額は相対的な目安にとどまります。断熱がよくても暖め方次第で電気代は増えも減りもする、という点は等級5のわが家にとっても気になるところです。

エアコン選びにも関係します。畳数の目安は断熱性の低い住宅を想定しているため、高断熱の家でそのまま選ぶとオーバースペックになり、効率が下がることがあります。国交省のガイドは、暖房負荷の計算から能力を選ぶよう勧めています。

次に灯油ストーブとの併用です。灯油1Lは約10.1kWh分の熱になります。札幌市調査の2026年10月9日の多量配達価格159.35円/Lで計算すると、燃焼効率100%と仮定して熱1kWhあたり約15.7円です。

これは夜間に電気ヒーターで熱を作るのとほぼ同じ水準。エアコンなら夜でも昼でもこれより安く、単価の面で灯油が得になる場面は少なそうです。ただ灯油の価格は地域と時期で動くので、関西なら関西の価格で引き直してください。

灯油ストーブ併用の注意点

開放式(石油ストーブ・石油ファンヒーター)は室内の空気で燃焼し、排気も室内に出ます。コロナは使用中1時間に1〜2回(1〜2分)の換気を求めており、換気不足は不完全燃焼・一酸化炭素中毒のおそれがあります。気密性の高い部屋では燃焼用の空気が不足し、自動消火する機種もあります。給油は必ず消火してから行い、寝るときや外出時は消してください。

FF式(強制給排気式)なら、屋外の空気で燃焼して屋外へ排気するので、室内の空気を汚しません。ただし給排気筒を通すため、壁の貫通工事が必要です。

灯油を持つ意味は、節約より停電対策にあるのかもしれません。電源の要らない反射式・対流式ストーブは、停電時の暖房手段になります。電源を使う石油ファンヒーターやFF式は停電で動かない機種が多いので、取扱説明書で確かめておくと安心です。

オール電化の暖房の電気代のよくある質問

暖房を使うと、はぴeタイムRの基本料金も上がりますか?

10kWを超えない限り、暖房の使い方で基本料金は動きません。はぴeタイムRの基本料金は10kWまで定額で、超えた分だけ1kWごとに467.55円が加わります。注意したいのは、一度超えると以後11か月その値が残る点です。深夜に蓄熱暖房機やエコキュートの沸き上げ、200Vエアコンの立ち上がりが重なる家は、30分値の最大を一度確認しておくと安心です。

エアコンを24時間つけっぱなしにすると、1ヶ月いくらかかりますか?

14畳級で寒い日並みの使い方なら、電力量料金で月6,000〜10,000円台が目安です。ダイキンの実測(4.0kW機・設定24℃の真冬日)では1日12.7kWhで、30日続けると約381kWhになります。全部をナイトタイム単価で買えば約6,096円、平日デイタイム単価なら約10,272円で、実際はその間です。これに燃料費調整額と再エネ賦課金が上乗せされるので、長時間の外出時は止めるほうが無難です。

メーカーのカタログの電気代は、オール電化だと当てになりませんか?

消費電力量(kWh)の目安としては使えますが、金額はそのまま当てにしないほうが安全です。カタログの電気代は全国一律の目安単価で計算されていて、時間帯で単価が変わるオール電化の請求とは前提が違います。機種ページの期間消費電力量だけを拾い、自分の契約の単価で掛け直すと実態に近づきます。機種を比べるときも、金額よりkWhで比べるのがおすすめです。

電気カーペットは補助暖房として安いですか?

足元だけ温める使い方なら、消費電力量は小さめです。パナソニックの3畳タイプ(DC-3NK)は中で1時間335Whで、1日8時間・30日リビングタイムで使っても約1,891円の計算です。ただし温めるのは人が触れている床面だけで、部屋の空気は暖まりません。部屋全体はエアコン、座る場所だけ電気カーペット、という組み合わせ方が向いています。

まとめ:オール電化の暖房費はエアコンの効率で決まる

オール電化の暖房の電気代の要点を、エアコンを主役に機器の効率が決め手とまとめた図
エネすけ
エネすけ

夜の安い電気より、機械の効率のほうが大事だったんだね!

そうなんです。わが家もこの冬は、エアコンを主役に使い方を確かめていきたいと思います。

りょう
りょう

オール電化の暖房の電気代は、料金プランの時間帯より、機器の効率(COP)で大きく決まります。はぴeタイムRの単価で引き直しても、エアコンがいちばん安いという結論は変わりませんでした。

  • 熱1kWhあたりの電気代は、昼のエアコン(約9.0円)が夜の電気ヒーター(16.0円)より安い
  • 電力量料金のみで、14畳のエアコンは1日8時間で月1,000〜3,000円台、オイルヒーター強は月4,600〜7,800円ほど
  • 蓄熱暖房機は満蓄熱で1台月1万円超。床暖房はヒートポンプ温水式か電気式かで大きく違う
  • 夜間つけっぱなしは単価が安くても得とは限らない。就寝中・長時間外出に止めると電力量は減るが、時間帯別料金では金額差はわずか
  • 冬の請求の増分は主に暖房と給湯の合算。時間別の使用量で23〜7時と7〜23時の増分を分けて見る
  • 断熱等級5(G1相当)は6地域の部分間けつ暖房なら等級4より約4割減。ただし全館連続暖房では逆に増え得る

数値はすべて条件つきの一般的な目安で、住宅の性能や地域、生活リズムで変わります。正確な単価や制度は、電力会社や国の公式サイトで確認してください。機器の入れ替えや電気工事を伴う判断は、最終的には専門家や有資格の業者に相談するのがおすすめです。

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りょう / エネすけ運営者

関西の新築一軒家(オール電化)で、妻と子ども2人と暮らす一般の施主です。2026年8月に太陽光7.92kW+蓄電池7.7kWhを設置しました。導入前24ヶ月分の電気代実測をもとに、「太陽光は本当に元が取れるのか」を導入前後の比較で検証していきます。

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