こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。わが家は2026年8月、奈良の自宅の南向き片流れ屋根に、7.92kWの太陽光と7.7kWhの蓄電池を載せました。
発電を始めて1か月半。いま一番気になっているのが、冬の発電量です。「冬は太陽光が発電しない」と聞いて、導入をためらっている人もいるかなと思います。
この記事では、冬の発電量が夏の何割まで落ちるのかを、気象庁の平年値とわが家の提案書・実測で確かめます。導入前のシミュレーションと実測のズレも、当事者の立場から正直に公開。
なお、わが家の実測は2026年8月18日〜9月30日の分だけで、冬の月はまだありません。冬の実測が貯まりしだい、この記事に追記していきます。
- 冬(12〜2月)の発電量が夏の何割・何kWhまで落ちるかの地域別の目安
- 晴れの日が多い冬でも発電が減る理由と、寒さがむしろ有利に働くしくみ
- わが家7.92kWの提案書の月別推定と8・9月の実測のズレとその正体
- 冬に電気代が上がる理由と、契約前に提案書で確かめたいポイント
太陽光の冬の発電量は夏の何割まで落ちる?
結論から言うと、冬(12〜2月)の発電量は、夏の4〜6割がひとつの目安です。夏(8月)と比べると、関西は4〜5割、関東は5〜6割と、地域で落ち方が変わります。ただし1年で見ると、冬3か月の比重は1〜2割ほどにとどまります。

「冬は夏の何割」は、比べる月(8月か5月か)と地域で数字が動きます。この記事では主に8月と比べています。
12月・1月の発電量は夏の4〜6割が目安
まずは気象庁の平年値で、冬と8月の日射量を比べてみます。日射量は発電量を決める一番の要素で、月ごとの形はほぼそのまま発電量の形になります。(出典:気象庁『過去の気象データ検索 奈良 平年値(年・月ごとの値)』)
下の表は、1日あたりの全天日射量(水平面・MJ/m²)の月平均です。統計期間は1991〜2020年の30年です。
| 地点 | 8月 | 12月 | 1月 | 2月 | 冬3か月の平均÷8月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 奈良(関西) | 18.0 | 7.2 | 7.6 | 9.8 | 約45% |
| 東京 | 15.8 | 8.1 | 9.4 | 11.5 | 約61% |
| 札幌 | 15.9 | 4.9 | 6.0 | 8.9 | 約41% |
関西の奈良は、冬3か月の平均で8月の約45%です。夏の半分に届かない水準ですね。12月だけで見ると、最大の月の約40%まで下がります。
東京は冬でも6割ほどを保つ一方、札幌は4割ほどまで落ち込みます。同じ冬でも、落ち込みの深さは住む地域しだいです。
では、実際の発電量(kWh)ではどうなるのか。わが家の提案書(奈良・7.92kW)の月別推定を、1kWあたりにも直して並べてみます。
| 月 | 推定発電量(7.92kW) | 1kWあたり | 1日あたり |
|---|---|---|---|
| 8月 | 960.63kWh | 約121.3kWh | 約31.0kWh |
| 12月 | 429.37kWh | 約54.2kWh | 約13.9kWh |
| 1月 | 462.00kWh | 約58.3kWh | 約14.9kWh |
| 2月 | 520.50kWh | 約65.7kWh | 約18.6kWh |
12月・1月の推定は、どちらも8月の半分に届きません。1kWあたりで見ても、冬の月は8月の半分前後に収まります。
提案書の冬3か月の平均は、8月の約49%でした。関西の家なら「冬は夏の半分弱」と覚えておくと、実感に近いかなと思います。
ただ、提案書でも2月に入ると日が長くなり、8月比は約54%まで戻ります(1日あたりでは約60%)。「5〜6割」という数字は、関東の冬や2月に当てはまる目安と見るとしっくりきます。
冬3か月は年間発電量の1〜2割どまり
次に、冬が年間の発電の中でどれくらいの重みを持つかを見てみます。答えは年間のおよそ1〜2割で、思ったより小さい印象です。
冬の日射量が年間に占める割合を、気象庁の平年値から計算してみました。わが家の提案書の推定発電量も並べています。
| 区分 | 冬3か月(12〜2月)が年間に占める割合 |
|---|---|
| 奈良の日射量(平年値) | 約15.4% |
| 東京の日射量(平年値) | 約18.7% |
| 札幌の日射量(平年値) | 約13.1% |
| わが家の提案書の推定発電量 | 約16.3%(1,411.87÷8,645.97kWh) |
北の札幌でも関西の奈良でも、冬の比重はそろって小さめです。わが家の提案書でも、冬3か月の推定は合計1,411.87kWhで、年間の約16.3%でした。
裏返すと、年間発電量の8割以上は3〜11月に生まれます。冬が細っても、年間を通した損得がそれだけで決まるわけではありません。
ちなみに、わが家の提案書でいちばん発電する月は、真夏の8月ではなく5月でした。推定は5月の1,040.55kWhが最大、12月の429.37kWhが最小で、差は約2.4倍です。
夏に発電が伸びきらないのは、パネルの温度が関係しています。この話は、次の章でくわしく見ていきます。
太陽光が冬に発電しない理由は日射量の減少
冬に発電量が落ちる一番の理由は、日照時間ではなく日射量が減ることです。冬も晴れの日は多いのですが、太陽が低く日も短いため、屋根が受け取る光の量そのものが減ります。寒さはむしろプラスに働くので、「寒いから発電しない」は誤解です。

冬って晴れの日も多いよね。それでも発電は減っちゃうの?
そこ、私も最初は不思議でした。晴れの日の数より、光の強さのほうが効いているみたいですよ。一緒に確かめてみましょう。
日照時間は夏並みでも太陽が低く日射は半減
奈良の平年値を並べると、ちょっと意外な結果が出てきます。12月の日照時間は132.9時間で、梅雨どきの6月(138.9時間)とほぼ同じなんです。
ところが日射量は、6月の16.0に対して12月は7.2(MJ/m²)と半分以下です。日照時間の長さと発電量は比例しません。
| 奈良の平年値 | 日照時間 | 全天日射量(MJ/m²) | 平均気温 |
|---|---|---|---|
| 6月 | 138.9時間 | 16.0 | 22.9℃ |
| 8月 | 202.6時間 | 18.0 | 27.8℃ |
| 12月 | 132.9時間 | 7.2 | 6.8℃ |
| 1月 | 118.3時間 | 7.6 | 4.5℃ |
| 2月 | 120.9時間 | 9.8 | 5.1℃ |
日射量が落ちる原因は、太陽の高さと昼の長さです。国立天文台の暦では、2026年の奈良の南中高度は冬至ごろ31.9°、夏至ごろ78.8°でした。(出典:国立天文台 暦計算室『日の出入り 奈良(2026年12月)』)
南中高度は、太陽が1日でいちばん高く昇ったときの角度です。冬至の太陽は、夏至の半分以下の高さまでしか昇りません。
太陽が低いと、光は大気の中を長く通るぶん弱まります。屋根にも斜めに当たるので、同じ晴天でも受け取る光が薄まるわけです。
昼の長さも、冬至ごろは9時間50分で、夏至ごろより約4時間40分短くなります。「日が低い」と「日が短い」が重なるのが、冬の日射量が落ちる正体です。
この季節差の大きさは、地域によって違います。最大月と最小月の日射量の比は、札幌が約3.8倍と突出していて、奈良が約2.5倍、東京が約2.1倍です。北ほど単純に大きくなるわけではなく、福岡(約2.6倍)のように西日本でも差が大きめの地点があります。
日本海側では、冬の曇天や積雪も重なります。一方で関西や太平洋側の平野部は冬晴れが多く、冬の減り方は「太陽の高さ」でほぼ決まる地域と言えます。
寒さは味方?パネル温度が低いほど高効率
答えは「はい、寒さは味方」です。太陽光パネルは温度が上がるほど効率が落ちるので、気温の低い冬はむしろ効率よく発電できます。
どれくらい違うのか、規格(JIS C 8907)の温度補正の式に奈良の月平均気温を入れて試算してみます。温度係数は結晶系の代表値−0.44%/℃、屋根置きの温度上昇は21.5℃で置きました。
| 月 | 奈良の平均気温 | 温度補正係数(試算) |
|---|---|---|
| 1月 | 4.5℃ | 約0.996 |
| 2月 | 5.1℃ | 約0.993 |
| 5月 | 19.0℃ | 約0.932 |
| 8月 | 27.8℃ | 約0.893 |
| 12月 | 6.8℃ | 約0.985 |
同じ日射量なら、1月は8月より約1割多く発電できる計算です。暑さで効率が落ちる夏より、冬のほうがパネルにとっては働きやすい季節なんですね。
太陽光発電協会の表示ガイドラインも、同じ考え方です。結晶系パネルの補正係数を、夏(6〜9月)は0.80、冬(12〜3月)は0.90と置いています。夏がいちばん低いのは、この温度の影響です。(出典:太陽光発電協会『表示ガイドライン(2025年度)』)
ただ、奈良の冬の日射量は8月の4〜5割しかありません。温度の有利さだけでは、光の不足までは埋めきれないのが実際のところです。
この温度の効き方は、発電のピークが真夏ではなく5月に来る理由でもあります。5月は日射が強いわりに気温がまだ低く、パネルが効率よく働けるからです。
冬の発電減は、温度ではなく日射量で説明できます。なお試算は月平均気温を使った簡易値で、実際のパネル温度は日射や風で変わります。
わが家7.92kWの月別発電量と推定のズレ
わが家の実測は、8月が提案書の推定の約1.25倍(発電開始後13日分の日割り)、9月が約0.88倍でした。一見バラバラですが、天候の影響をざっくりならすと2か月とも推定を1割ほど上回る水準に近づきます。冬の月はまだ未実測なので、実測が入りしだい表を埋めていきます。

9月は推定より少なかったんだね。冬はもっと減っちゃうのかな?
冬は推定の時点で少ない季節ですね。まずは8・9月のズレ方から、一緒に見てみましょう。
提案書の月別推定と8・9月の実測を比較
わが家の条件は、奈良・南向き片流れ・シャープ製7.92kW・蓄電池7.7kWh併設です。連系(電力会社の送電網につないで運転を始めること)は2026年8月18日でした。
実測値は、シャープのSUNVISTAモニタの履歴画面から転記しています。提案書の月別推定と並べたのが、次の表です。
| 月 | 提案書の推定 | 実測 | 実測÷推定 | 奈良の日射量(平年比) |
|---|---|---|---|---|
| 8月 | 960.63kWh | 505.4kWh(8/18〜31の部分月) | 約1.25倍(13日の日割り) | 約107% |
| 9月 | 709.03kWh | 623.8kWh(通月) | 約0.88倍 | 約76% |
| 10月 | 634.35kWh | 未実測 | — | — |
| 11月 | 478.31kWh | 未実測 | — | — |
| 12月 | 429.37kWh | 未実測 | — | — |
| 1月 | 462.00kWh | 未実測 | — | — |
| 2月 | 520.50kWh | 未実測 | — | — |
8月の505.4kWhは、連系当日の8/18を含む月計です。推定と比べるときは、日ごとの履歴がそろう8/19〜31の13日分(500.7kWh)を使いました。
推定の日割りは402.9kWhです。晴天が続いた時期なので、推定をはっきり上回った形ですね。
9月は、連系後はじめて丸1か月そろった月です。推定709.03kWhに対して実測は623.8kWhで、推定を約12%下回りました。
正直、この月を終えたときは「思っていたよりも全然発電できなかったのかな?」と感じていました。晴天続きの好調ぶりで期待が高くなっていたぶん、落差が大きかったんです。
日ごとに見ると、天気による振れがとても大きい月でした。最高は9/22の37.3kWh、最低は雨の9/29の5.5kWhで、約6.8倍の開きがあります。
晴れた日でも30.9〜37.3kWhで、8月の晴天日(44.7〜46.2kWh)の7〜8割どまりでした。季節が秋に進むだけで、晴れの日の天井が下がっていくのが分かります。
1kWあたりに直すと、8月の晴天日は1日5.6〜5.8kWhでした。対して提案書の冬の推定は、1日あたり約1.75kWh(12月)〜約2.35kWh(2月)です。
冬は一日の平均でも、秋の雨の日から平均的な日くらいの発電量に収まる見込み。秋の晴れた日の感覚で冬を想像しないよう、気をつけたいところです。
「9・10月あたりのほうが発電量が高い」という話を見かけたこともありました。ただ、わが家の提案書では9月709.03kWh・10月634.35kWhで、夏より高くはなりません。一般論より、自分の家の提案書の月別値を見るほうが確かです。
モニタの値はメーカー機能のめやすで、電力会社の取引用の計量値ではありません。9月分の電力会社の明細は、2026年10月1日時点でまだ届いていません。
ズレの正体は天候と提案書の方位の誤記
ズレの1つ目の理由は、天候の当たり外れです。9月の奈良は、日照時間が平年の約51%、日射量が約76%しかない日照の少ない月でした。
日照が1時間に満たない日が、30日中14日もありました。「思ったより発電しない」という私の実感は、天気の外れとほぼ重なっていたわけです。
逆に8月は、月全体の日射量が平年の約107%とやや晴れ寄りでした。そこで実測÷推定を日射量の平年比で割り、天候の影響をならしてみます。
| 月 | 実測÷推定 | 奈良の日射量(平年比) | 天候をならした値 |
|---|---|---|---|
| 8月(13日分) | 約1.25倍 | 約107% | 約1.17(実測期間はさらに晴れていたため、実際はこれより低め) |
| 9月(通月) | 約0.88倍 | 約76% | 約1.15 |
ならした値は、2か月とも推定を1割ほど上回る水準に近づきました。ただ8月は、実測した8/19〜31の13日間のほうが月全体より晴れていました(日照時間で平年の約117%、月全体は約107%)。期間をそろえると、8月のならした値は1.17より下がるはずです。上振れした8月も下振れした9月も、天候を除けば推定より少し多めに発電している、というのが今の読み方です。
2つ目の理由は、提案書の前提欄の誤記です。月別推定のシートを見返すと、設置方位の欄に「西」と書かれていました。
実際の屋根はほぼ真南の片流れで、同じ提案書の配置図の方位マークも真南を向いています。同じ書類の中で、前提の記入と実物が食い違っていたわけです。契約したときには、まったく気づいていませんでした。
真南と西では、年間の発電量におおむね1.18〜1.20倍の差があります。天候をならした値とは「推定より多く出る」向きがそろっていて、大きさもそう遠くありません。
推定より少ない月も多い月も、天候と方位の誤記で説明できそう。これが、2か月分の実測から見えている現時点の見立てです。温度やパワコンのロスなど、ほかの要因まで確かめたわけではありません。
この検証の限界
水平面の日射量で、傾いた屋根の発電を割った粗い目安です。推定側の日射データ(NEDO MONSOLA-20・2010〜2018年平均)と気象庁の平年値(1991〜2020年)も、統計期間が違います。9月の気象値は、確定前の準正常値です。真南と西の受け取る光の差は太陽の高さで変わるため、冬も同じ倍率になるとは限りません。
仮に冬も天候をならして推定の1.1〜1.2倍が続けば、12月は470〜520kWhほどになる計算です。ただしこれは仮定を重ねた試算で、予測値ではありません。
冬の天気も年によって振れます。気象庁の月別の観測値から計算すると、過去20年ほどの奈良の冬(12〜2月)の日射量は、平年の約9割から約1.2倍までの幅がありました。直近の冬(2025年12月〜2026年2月)は、月ごとの日射量が平年の1.1〜1.2倍と晴れの多い冬でした。
ひと月の数字を引き伸ばして年間を語ると、どうしても外れます。冬の実測が入ったら、この章の表に追記して確かめていきます。
太陽光があっても冬に電気代が上がる理由
冬に電気代が上がるのは、太陽光が効いていないからではありません。発電が減る季節に、暖房と給湯で使う電気が増えるので、売電の減り以上に買電の増えが家計に響きます。太陽光の効果は「太陽光が無かった場合の請求額」との差で見るのが正確です。

太陽光があるのに冬は電気代が上がるなんて、ちょっと損した気分だね。
その気持ち、分かりますよ。でも中身を分けて見ると、印象が変わるみたいです。
発電減と暖房・給湯の消費増が同時に来る
家庭のエネルギー使用は、冬に増えやすくなります。使用量そのものではありませんが、環境省の家庭CO2統計でも、家庭のCO2排出量は1月が最大で、12〜3月の4か月が年間の約45%を占めます。
わが家も例外ではありません。引っ越し前の賃貸(ガス併用)でも、2025年1月の電気使用量は704kWhでした。底だった6月の296kWhの約2.4倍です。
いまの家はオール電化なので、給湯の負荷が最大になる冬は、さらに電気の使用が増える季節です。ただ新居の冬はまだ実測がないので、数字が出たら改めて報告します。
エコキュートも、冬は外気温や水温が低く、沸き上げ温度も高めになるぶん、多くの電力を使います。パナソニックのある370L機種の公式仕様では、冬期の試験条件(外気温7℃・給水9℃・沸き上げ90℃)の消費電力が、中間期の条件の約1.6倍です。
発電が細る季節に、使う電気が増える。この組み合わせが、冬の電気代が上がる仕組みです。
その兆しは、秋のうちにもう出ていました。天気の悪い日が多かった9月の売電は324.4kWhで、8月の月計(315.3kWh)と同じくらいです。ただ8月の月計は8/18〜31の14日分なので、日数をそろえて1日あたりで比べてみます。
日ごとの履歴がそろう8/19〜31の13日分では、1日あたりの売電が約24.2kWh、買電が約6.3kWhでした。9月は売電が約10.8kWh、買電が約5.7kWhです。天気が崩れると、売電は半分以下に減るのに、買電はほとんど減りません。売電収入がしぼむ一方で、夜や雨の日の買電は同じように続く、という形で効いてくるわけです。
発電10kWh前後以下の雨の日は売電がほぼゼロになり、自給率(発電÷消費)は48〜66%まで下がりました。曇りや雨の日でも発電が消費を上回っていた8月とは、はっきり違う動きです。
| 項目 | 冬の変化 | 家計への効き方 |
|---|---|---|
| 売電量 | 発電減と昼の自家消費増で、余りが大きく減る | 売電収入が減る |
| 売電単価 | 季節では変わらない(FITは認定年度と年数で決まる) | 減るのは量のせいで、単価のせいではない |
| 買電量 | 夜・朝夕の暖房と給湯で増える。発電が細る日は昼も買う | 電気代が上がる主な原因 |
| 月の収支(売電−買電) | 冬はマイナスに振れやすい | 効果が消えたわけではない |
もう一つ注意したいのが、提案書の金額の出し方です。わが家の提案書は、効果額を「1か月の自家発電720kWh」で計算していました。これは年間発電量を単純に12等分した値で、季節の変動を持っていません。
発電の少ない冬の月に、提案書の「月あたり効果」をそのまま当てはめるのは危険です。冬の月の効果は、月平均より小さくなると考えておくのが安全です。
数字の見方も一つだけ。9月のモニタ換算では、売電−買電の「収支」は+2,226円でした。一方、売電と買わずに済んだ自家消費を足した「導入効果」は15,483円です(いずれもメーカー機能のめやす値)。
冬に収支がマイナスになっても、効果までゼロになるわけではありません。この2つを分けて見ておくと、冬の請求書を見ても慌てずに済むかなと思います。
冬の自家消費は天気で蓄電池と家電を切替
冬の自家消費は、天気を見て「昼に回すか、夜に回すか」を切り替えるのが基本になりそうです。わが家は8月と9月で、ちょうど逆向きの使い方をしました。
8月の晴れた昼は、エアコン2台と衣類乾燥機を回していても、まだ売電していました。「どうせ0円だし」と、乾燥機を気軽に回せるようになったのは大きな変化です。
一方、天気の悪い日が続いた9月は、昼でも太陽光で賄いきれない日がありました。そこで翌日の天気を見て、夜の安い時間帯に乾燥機や食洗機を回す工夫をしました。
夜の安い時間帯は、契約している関西電力はぴeタイムRのナイトタイム(23時〜翌7時)です。デイタイム(夏季以外)との単価差は、1kWhあたり10.96円です(2026年11月1日改定後の公式の税込単価で比較・燃料費調整額などを除く。10月31日までは10.87円)。
発電が期待できない日は、割高な昼に買うより夜に回すほうが安く済みます。冬はこの判断の出番がぐっと増えそうです。
| 翌日の天気 | 家電(食洗機・乾燥機など) | 蓄電池 |
|---|---|---|
| 晴れ | 昼の発電時間に寄せる。同時に回しすぎない | 昼の余りで充電 |
| 曇り・雨 | 夜の安い時間帯に回す | 夜間充電を使う選択肢も |
昼へ寄せる家電は、1回あたりの電力量を目安にしておくと便利です。パナソニックの公表値だと、卓上型食洗機は1回約0.77kWhです。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機は、公表条件から計算すると洗濯〜乾燥で約0.80kWhになります。冬は昼の余りが小さいので、同時に回すと余りを超えて買電になりやすい点には気をつけたいところです。
蓄電池は、わが家ではクリーンモード(夜間充電なし)で使っています。8月の曇りや雨の日には、夜22時ごろに残量が設定下限の20%まで落ちました。
冬は、昼の発電だけでは満充電にならない日が増えそうです。そうなると、天気予報に合わせて夜間充電を使う運用が選択肢に入ってきます。
シャープのクラウドHEMS(COCORO ENERGY)には「自産自消モード」があります。晴れの日は夜間充電なし、雨の日は夜間充電ありに、天気予報と連動して切り替える機能です。
得になるかは、夜間単価と昼の買電単価の差や、充放電のロスで決まります。対応機器も要るので、自宅の料金プランと設備で確かめてから使うのがおすすめです。
ただし、晴れの日の昼寄せにも損得の分かれ目があります。余った電気を売る単価と、夜に買う単価のどちらが高いかです。
2026年度認定のFITは、1〜4年目の売電単価が24円/kWhです。夜間が安いプランだと、この期間は「余りは売って、家電は夜」のほうが単価の上では有利になる場合もあります。晴れた昼の「0円」の感覚とは別に、一度自宅の単価で計算してみる価値はありますよ。
エコキュートの昼の沸き上げも、冬は当てにしすぎないほうがよさそうです。パナソニックの公式説明では、日射量が落ちる秋〜春は、アプリの自動判断で昼に沸き上げない傾向が高くなります。
冬に限らず、雨や曇りの日に発電量がどこまで落ちるかは、同じ7.92kWの日別実測で別記事にまとめています。
関連記事:太陽光の雨の日の発電量は晴天の何割?7.92kWの日別実測で比較
発電の落ち込みが冬の請求額にどう響くかは、オール電化の家の冬の電気代を試算した記事で確認できます。
関連記事:太陽光があってもオール電化の冬の電気代は高い?
冬を理由に太陽光の導入を見送るべきか
冬の発電量が少ないことだけを理由に、導入を見送る必要はないと私は考えています。最初の章で見たとおり冬3か月は年間の1〜2割で、損得は1年の合計で決まるからです。ただし積雪・影・方位の条件によっては冬が弱点になるので、契約前に提案書の冬の月別値を確かめてください。

わが家はまだ冬を越していません。この章は、平年値・公的資料・提案書から言える範囲の判断材料です。
積雪・影・方位で冬が弱点になる家
冬の影響が大きくなるのは、次のような条件の家です。当てはまる項目があるなら、冬の月別値は特に丁寧に見ておきたいところです。
| 観点 | 冬の影響が大きくなる条件 | 確認の手がかり |
|---|---|---|
| 地域 | 札幌など北の地域は冬と夏の差が特に大きい | 地域の月別日射量(平年値) |
| 積雪 | 雪で覆われている間は発電が落ちる。推定は積雪を考えない | 提案書の但し書き・自治体の雪国向け資料 |
| 影 | 冬は太陽が低く、南側の建物や木の影が長く伸びる | 冬至ごろの昼に屋根へ影が掛かるか現地で確認 |
| 方位 | 南から外れるほど、冬の低い太陽を受けにくい | 提案書の方位欄と実際の屋根 |
| 電気の使い方 | オール電化・電気暖房の家は冬の買電が大きい | 自宅の月別使用量(検針票・マイページ) |
積雪地でも、年間で見ると大きく劣るとは限りません。環境省東北地方環境事務所の資料が、国のZEH補助事業の住宅実績を紹介しています。(出典:環境省東北地方環境事務所『東北6県の住宅の太陽光発電量実績』資料)
東北6県でも、1kWあたりの年間発電量はおおむね1,000〜1,200kWhでした。秋田の約1,011kWhから福島の約1,184kWhまでで、東京都比は約86〜101%です。
雪で止まる期間があっても、年間では東京と大差ない県があるのは心強いですよね。冬だけで年間の良し悪しは決まらない、という裏付けになります。
一方、奈良の気象台の平年値では最深積雪が3cmほどで、雪が発電を止めることはまれです。奈良のように雪の少ない関西の平野部なら、冬の減り方は雪より日射量の季節変化が主な要因です。
影は、冬にこそ気をつけたい要素です。奈良の冬至ごろの南中高度は31.9°と低く、夏には届かなかった隣家や電柱の影がパネルまで伸びることがあります。
しかも影の影響は、かかった面積に比例しません。電柱の影を再現したある実験では、15枚のうち3枚に影がかかっただけで出力が約54%落ちました。影の3枚が、3つの回路にまたがっていたためです。
夏の昼に1回見ただけでは、影の有無は判断できません。冬至ごろの昼に屋根へ影が掛かるかを、業者と一緒に確かめておくと安心です。
方位は、南向きを100%とすると東・西向きは80〜85%がメーカーの目安です。冬の低い太陽は南から来るので、南から大きく外れる屋根ほど冬の比率が下がりやすくなります。
契約前に提案書の冬の月別値を確かめる
これから契約する人に一番おすすめしたいのは、提案書の「月別推定発電量」を冬の月まで見ることです。私は商談の場で、月々の返済額と効果額の大小しか検算していませんでした。方位欄の「西」に気づいたのは、連系後に書類を見返したときです。
提案書を受け取ったら、次の5点を確かめてみてください。
- 12〜2月の推定値を、自宅の冬の電気使用量と並べる(わが家は12月の推定が429.37kWh)
- 前提欄の方位・傾斜・日射データ(MONSOLA-11か20か)・係数が、実際の屋根と合っているか
- 金額の試算が、年間発電量の12等分(毎月同じ値)で組まれていないか
- 推定に影・積雪・経年劣化・出力制御が入っていない前提で読めているか
- 1kWあたりの年間推定が、目安(業界団体は約1,000kWh、国の想定は約1,200kWh)と比べて極端でないか
4つ目の但し書きは、太陽光発電協会の表示ガイドラインが併記を求めているものです。つまり冬の弱点になりやすい影と積雪は、標準的な推定には入っていないことが多いと考えておきましょう。わが家の提案書にも、影と積雪は考慮していないと書かれていました。
ちなみに、わが家の提案書は1kWあたり年間約1,092kWhで、目安の範囲に収まっていました。係数や数字の大小より、前提欄が実物と合っているかが判断の決め手になります。
また、シミュレーション値はあくまで参考値で、発電量を保証するものではありません。実際の発電が推定を下回っても、それだけで直ちに契約不適合とは言えない、というのが法律面の一般的な整理です。
推定との差を金銭で埋める「シミュレーション保証」を、販売店が付けている場合もあります。代表例では、年間発電量が推定の80%(地域により70%)を下回ったとき、差の分が上限つきで補填される仕組みです。付いているかどうかは、契約書や保証書で確認できます。
最後に、私自身の反省も書いておきます。わが家は相見積もりを取らず、1社で即決しました。契約後に友人の話を聞き、「やっぱりしっかりと相見積もりが必要だった」と感じています。
複数社の提案書を並べれば、冬の月別値や前提欄の違いにも気づきやすくなります。なお、FITの売電単価は認定を受けた年度で決まるので、冬を避けて導入時期をずらしても季節による有利不利はありません。
ここで挙げた数字は、いずれも一般的な目安やわが家の条件での値です。正確な条件は各社の公式情報で確認し、最終的な判断は専門家にも相談してみてください。
関連記事:太陽光は雪でどうなる?積雪時の発電と落雪・荷重の注意点
太陽光の冬の発電量についてよくある質問
冬の曇りや雨の日は、太陽光はどれくらい発電しますか?
パナソニックの公式FAQでは、晴天と比べて曇りは1/3〜1/10、雨は1/5〜1/20が目安とされています。幅が広く、薄曇りか本降りかで大きく変わります。わが家の8月の曇雨天日は晴天日の約52〜53%でしたが、これは1軒・3日分の実測です。9月には発電5.5kWhの雨の日もありました。冬は晴れの日でも光が弱いので、曇りや雨が続くと買電が増えると考えておくのが安全です。
1kWあたり、冬は1日に何kWhくらい発電しますか?
わが家(奈良・南向き・7.92kW)の提案書では、冬の推定は1kWあたり1日約1.75kWh(12月)〜約2.35kWh(2月)でした。8月の晴天日の実測(1kWあたり1日5.6〜5.8kWh)と比べると、半分以下の水準です。年間では、太陽光発電協会が1kWあたり約1,000kWhを目安にしています。地域や屋根の条件で変わるので、あくまで一般的な目安として見てください。
冬は売電価格も下がるのですか?
下がりません。FITの売電単価は、認定を受けた年度と運転開始からの年数で決まり、季節では変わりません。2026年度の認定なら、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。冬に売電額が減るのは、単価ではなく売れる電気の量が減るためです。最新の単価は、経済産業省などの公式サイトで確認してください。
冬の発電量が提案書の推定より少ない場合、業者に責任を問えますか?
推定との差だけを理由に責任を問うのは難しい、というのが一般的な整理です。シミュレーション値は保証ではなく参考値とされ、下回っても直ちに契約不適合とは言えないと解説されています。メーカーの出力保証も、パネル出力が規定値を下回った場合の保証で、推定との差は対象外です。ただし施工に不具合がある場合や、事実と異なる説明で契約させられた場合は別です。困ったときは消費者ホットライン(188)や弁護士などの専門家にご相談ください。
冬の発電量はどこで確認できますか?
パワーコンディショナのリモコンや電力モニタで確認できます。わが家のシャープのモニタ(JH-RWL8)では、日・月・年ごとの売電・買電の実績も見られます。電力会社側から届く購入電力量のお知らせは売電量だけで、発電量そのものは分かりません。モニタの数値はある程度の誤差を含むめやすなので、請求額とは一致しない前提で見るのがおすすめです。
まとめ:太陽光の冬の発電量は夏の4〜6割が目安
冬は減るけど、1年で見ればそこまで怖がらなくていいってことだね。
そうですね。わが家も冬の実測が出たら、また一緒に確かめましょう。
冬の発電量は確かに減りますが、減り方には理由があり、年間で見れば比重は大きくありません。最後に要点を振り返ります。

- 冬(12〜2月)の発電量は夏(8月)の4〜6割が目安で、関西は4〜5割、関東は5〜6割
- 冬3か月は年間発電量の1〜2割。年間の8割以上は3〜11月に生まれる
- 冬に減る主因は日照時間ではなく日射量。寒さはむしろ発電効率を上げる
- わが家の実測は8月が推定の約1.25倍、9月が約0.88倍。天候をならすと両月とも推定を1割ほど上回る水準で、提案書の方位欄の誤記と向きがそろう
- 冬に電気代が上がるのは、発電減と暖房・給湯の消費増が重なるため
- 冬の自家消費は、天気を見て家電を昼に回すか夜に回すかを切り替える
- 契約前は、提案書の冬の月別値・前提欄・影と積雪の扱いを確かめる
数字はいずれも一般的な目安や、わが家の条件での値です。正確な情報は各メーカーや経済産業省などの公式サイトで確認し、最終的な判断は専門家にご相談ください。冬の実測が貯まりしだい、この記事も更新していきます。
