こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。「蓄電池って結局、元が取れるの?」と気になってこのページにたどり着いた方は、たぶん営業の話や比較サイトを見て、かえって分からなくなってきた頃じゃないでしょうか。「15〜20年で回収」と書いてある一方で「やめとけ、元は取れない」という声もあって、どっちを信じればいいのか迷いますよね。
先に結論を言うと、蓄電池が元を取れるかどうかは、平均値では判断できません。回収年数は家庭の条件しだいで2倍以上ブレるからです。私は自宅へ太陽光7.92kWと蓄電池7.7kWhを導入する契約を済ませ、2026年8月18日に設置を終えたところです。
稼働が始まったばかりで「元が取れた」という実績はまだ語れませんが、そのぶん総額265万円の見積もりをどう検算して「プラスになる」と判断したのかを包み隠さず公開できます。この記事を読めば、あなたの家の回収年数を自分で計算する道すじが見えるはずです。
- 回収年数を2倍以上変える「太陽光併用・補助金・使う時間帯」の3条件
- 「やめとけ」が当たる家と外れる家を分ける具体的な線引き
- 我が家が総額265万円の見積もりをプラス試算と判断した検算の中身
- 検針票の数字だけで自宅の回収年数を計算する手順
蓄電池は元が取れる?結論は3条件次第
まず答えからお伝えします。蓄電池が元を取れるかは「取れる/取れない」の二択では決まらず、①太陽光を併用しているか②補助金が使えるか③電気を使う時間帯という3つの条件しだいで、回収年数が2倍以上変わります。上位の解説記事が示す「平均15〜20年」はあくまで目安で、条件が揃えば10年台前半、揃わなければ数十年という試算まで幅が出ます。

ねえりょう、ぼくは自分で発電できるからいいんだけど、人間の家の蓄電池って本当に元が取れるの?「やめとけ」って言う人もいるよね?
そこ、うちも一番悩んだところなんですよ。結論から言うと「家による」なんです。同じ蓄電池でも、条件しだいで回収年数が全然ちがってくるみたいで。まずはその仕組みから一緒に見ていきましょう。
「元が取れる」とは、初期費用を電気代の削減や売電の変化で回収し終える状態のこと。分子(初期費用)と分母(年間メリット)が家庭ごとに大きく変わるので、回収年数も家ごとに違います。
回収年数の計算式と平均15〜20年の実態
回収年数の考え方はとてもシンプルです。次の式で求められます。
回収年数の基本式
投資回収年数(年)= 初期費用(円)÷(年間の電気代削減額 + 年間の売電収入の変化)
分子の初期費用は、本体と工事費から補助金を引いた「実質の自己負担額」です。分母は、蓄電池を入れたことで浮いた電気代と、売電の増減を合わせた1年ぶんのメリット。多くの解説記事はここに平均的な数字を当てはめて「およそ15〜20年で回収」と示します。
ただ、この平均値をそのまま自分の家に当てはめるのは危険だと私は感じています。というのも、分子も分母も家庭ごとに何倍も変わるからです。初期費用は補助金の厚さで数十万円〜100万円以上下がりますし、年間メリットも太陽光の有無で3万円台から15万円まで開きます。平均15〜20年という数字は「そういう家もある」という一例にすぎず、あなたの家がその通りになる保証はどこにもありません。
回収年数を2倍以上変える3つの条件
では、何が回収年数を動かすのか。ここが一番大事なところで、主に次の3つのレバーが効きます。それぞれ「どう効くか」の仕組みを押さえると、平均値に振り回されなくなります。
- 太陽光発電の併用 … 太陽光がある家は蓄電池を「昼の余った電気を夜に回す時間シフト装置」として使えます。売る(卒FIT後6〜10円/kWh)より自分で使う(買電を約28〜30円/kWh減らす)ほうが価値が高く、この差額がまるごとメリットになります。太陽光がない家は「深夜の安い電気を昼に使う」か「停電対策」が中心で、金銭回収は一気に厳しくなります
- 補助金の有無と厚さ … 国のDR補助金に自治体補助が乗ると、初期費用が数十万円〜100万円以上下がります。分子(初期費用)を直接削るので、補助の有無だけで回収年数が5年以上、地域によっては結論そのものが変わります
- 電気を使う時間帯と料金プラン … 昼夜の料金差が大きいプランで、夜間の使用量が多い家ほど時間シフトの妙味が出ます。逆に昼夜差の小さいプランでは、同じ蓄電池でもメリットが薄くなります
この3つのレバーを組み合わせると、回収年数はどのくらい開くのか。実際の試算例を並べると、その幅の大きさに驚くはずです。
| 前提条件 | 年間メリット | 回収年数の目安 |
|---|---|---|
| 蓄電池単体・補助金なし・時間シフトのみ | 約2万円 | 約60年 |
| 太陽光併用・補助金なし | 約3.6万円 | 約33年 |
| 5kWh・補助金あり・昼の発電活用 | 約4.9万円 | 約24〜25年 |
| 7kWh・補助金あり・自家消費+ピークシフト | 約7.4万円 | 約13.5年 |
| 太陽光あり・手厚い自治体補助フル活用 | 補助が大きい前提 | 約6年(楽観値) |
同じ「蓄電池」なのに、回収年数が約6年から約60年まで、10倍近く開いています。これが「平均値では判断できない」ことの何よりの証拠です。ちなみに電気料金が5%上がると回収は約0.7年短縮(13.5年→約12.8年)、10%上がると約12.3年と、電気代の高騰は回収を早める方向に働きます。
値上げがつらい今の状況が、皮肉にも蓄電池の追い風になっているわけですね。なお表の数値は各種の試算をもとにした目安で、実際の値は前提により前後します。
「やめとけ」が当たる家と外れる家
「蓄電池はやめとけ、元は取れない」という声は、じつは半分は当たっていて、半分は外れています。太陽光なし・補助金なし・電気の使用量が小さい家では「やめとけ」が当たります。一方、太陽光を併用し補助金が使えるオール電化世帯では、この忠告は外れます。前の章で見た3つのレバーを、あなたの家に当てはめてみると答えが出ます。

元が取れやすい家と取れにくい家の条件
まず、自分の家がどちらのタイプに近いかをざっくり見分けてみましょう。下の表で「取れやすい」側に多く当てはまるほど、蓄電池は前向きに検討していい家庭です。
| 区分 | 具体的な家庭像 |
|---|---|
| 元が取れやすい家 | 太陽光あり/卒FIT世帯/補助金が厚い地域/夜間の使用が多い/停電時の損失が大きい(在宅ワーク・医療機器・小さな子どもや高齢者)/オール電化で使用量が大きい |
| 元が取れにくい家 | 太陽光なし+停電ニーズも低い/電気使用量が小さい/容量が過大な提案/料金プランが合っていない/前提条件が不透明な見積もり |
とくに注意したいのが「取れにくい家」の典型的な後悔パターンです。相談窓口などに寄せられる失敗談を整理すると、だいたい次のどれかに当てはまります。
- 節電効果が期待値以下 … 日中に家を空ける家庭は昼の自家消費が進まず、想定ほど電気代が下がらない
- 容量の選定ミス … 「補助金が大きいから」と急いで大きめを契約し、毎日使い切れずに投資が回収に結びつかない
- 寿命・交換費用の見落とし … 10〜15年の寿命後に本体ごと交換すると実勢70万〜240万円(7.7kWhクラスなら約131万〜169万円)と本体価格に近い費用がかかり、総コストが膨らむ
- 設置スペースの問題 … エアコン室外機1〜2台分の場所とメンテ用スペースが必要になる
逆に言えば、こうした失敗の裏返しが「取れやすい家」の条件です。昼に発電した電気を家でしっかり使い切れる家、補助金が使える地域、そして容量を使い切れる電気使用量の大きい家。ここに当てはまるなら「やめとけ」はあなたの家には当てはまりません。
太陽光とセットで電気代はいくら安くなる
「取れやすい家」の中心にあるのが、太陽光とのセット導入です。結論から言うと、蓄電池単体だと年3〜5万円の削減が、太陽光を併用すると年10〜15万円まで伸びる例があります。差額の大きさが、そのまま回収年数の差になって表れます。
| 条件 | 年間の削減額の目安 | 月あたり |
|---|---|---|
| 蓄電池単体 | 約3〜5万円 | 約2,500〜4,200円 |
| 太陽光パネルと併用 | 約10〜15万円 | — |
| 時間帯別プランで深夜充電のみ活用 | 約1.8万〜2万円 | — |
なぜセットだとここまで伸びるのか。昼に発電した電気を売電(卒FIT後は6〜10円/kWh)に回さず、蓄電池にためて夜に使えば、電力会社から買う電気(約28〜30円/kWh)を減らせます。この売る値段と買う値段の差額(20円/kWh前後)を、まるごと取り込めるのがセット導入の強みです。
売電単価は年々下がっているので、「売るより自分で使う」方向は今後さらに有利になっていくと見られています。ただし、いずれも太陽光の発電量・在宅パターン・料金プランで変わる目安なので、わが家の条件で計算し直すのが前提です。
関連記事:太陽光+蓄電池の導入後、電気代の請求はいくら?明細3か月で比較
寿命は何年?回収が寿命を超えると損
ここで多くの人が不安に思うのが「元が取れる前に寿命が来たら、結局は損じゃないか」という点です。答えははっきりしていて、回収年数を寿命の範囲(おおむね15年以内)に収められるかが損得の分岐点になります。
蓄電池の実使用の寿命は10〜15年程度が目安です。使い方や設置環境が良ければ30年以上使えるという見方もありますが、短い基準を10〜13年、長い基準を30年として幅で捉えておくと安全です。メーカー保証はおおむね10年、有償延長で15年が中心で、この保証年数がだいたいの寿命の参考になります。
蓄電池でも長州産業のように最長20年の機器保証を用意するメーカーがあり、保証の長さはメーカー差が大きい点も覚えておきましょう(同社が太陽光パネルで掲げる「出力25年保証」は蓄電池本体の保証とは別枠です)。
この寿命と、前の章の回収年数を並べてみます。蓄電池単体・補助金なしで回収60年、太陽光併用でも補助金なしで33年という試算は、寿命を大きく超えていて「そのままでは元が取れない」ケースです。一方、太陽光併用+補助金活用で回収13.5年、手厚い自治体補助で約6年なら寿命内に回収できます。回収年数が寿命を超える条件なら、無理に導入しないほうが賢明、という判断もあり得ます。
税務の耐用年数とは別物
会計・税務上の「法定耐用年数6年」という数字を見かけますが、これは減価償却の年数で、実際に使える寿命(10〜15年)とは別の概念です。混同しないよう区別しておきましょう。
我が家がプラス試算で契約を決めるまで
ここからは、私自身の実例です。我が家は太陽光7.92kWと蓄電池7.7kWhを総額265万円・20年ローンで契約しました。施工は2026年8月予定なので、正直に言うと発電の実測データはまだ1件もありません。
それでも契約に踏み切れたのは、業者の収支シミュレーションを自分で検算し直して「これはプラスになる」という試算にたどり着けたからです。実績ではなく、あくまで導入前の試算で判断した、という前提でお読みください。

業者の収支シミュレーションを赤ペン検算
決め手になったのは、業者が出してきた収支シミュレーションを鵜呑みにせず、自分で前提を1つずつ確かめたことでした。毎月のローン支払額より「電気代の削減+売電」の利益が上回る、という試算だったのが一番大きな理由です。「蓄電池を入れると収支がマイナスになることが多い」とよく言われる中で、プラスの試算になったのは、太陽光とセットで自家消費を増やせる前提だったからだと理解しています。
検算するときに私が見たのは、売電単価をいくらで置いているか、料金プランは何を前提にしているか、蓄電池の容量7.7kWhを毎日使い切れる想定になっているか、という3点です。営業資料の数字は、前提が甘いと簡単に良く見えてしまいます。
私は電気系の資格を持つプロではありませんが、だからこそ読者のみなさんと同じ目線で「この前提、うちに本当に当てはまる?」と疑いながら赤ペンを入れました。ほかにも、全国で施工実績が上位に入ると説明を受け、シャープの直接的な代理店だったこと、ガルバリウム屋根に穴をあけない工法で雨漏りリスクが小さいことも、判断を後押ししました。
正直に告白すると、我が家は相見積もりを取らずに1社で即決しました。結果的に金額は安い部類でしたが、本来なら複数社を比べるべきだった、という反省点として正直にお伝えしておきます。
電気代24ヶ月の実測で回収ラインを試算
試算のいちばんの土台にしたのが、導入前の電気代を24ヶ月ぶん記録した実測データです。導入後の発電量は月次の実測がまだ出そろっていませんが、「今いくら払っているか」というビフォーの数字だけは、我が家の正確な実測値として手元にあります。
| 項目 | 実測値(導入前) |
|---|---|
| 2025年(暦年)の電気代合計 | 190,766円(5,559kWh) |
| 月平均の電気代 | 約15,900円 |
| 冬のピーク(2025年1月) | 25,454円(704kWh) |
| 夏のピーク(2025年8月) | 21,990円(670kWh) |
こうして並べると、我が家は冬の1月に電気代が2.5万円を超えて突出していました。太陽光の発電が少ない冬に、いちばん電気を使うというオール電化の弱点がはっきり出ています。
この「毎月これだけ買っている電気」を、太陽光と蓄電池でどれだけ自家消費に置き換えられるかが、回収ラインの分かれ目になります。年間19万円という母数があるからこそ、削減の余地も大きい。
逆に言えば、電気代がもともと小さい家だと、削減できる母数そのものが小さく、回収は伸びやすいわけです。
265万円を20年ローンで組んだ理由
265万円を20年ローンで組む、と聞くと「重い」と感じる方が多いと思います。私も最初はそうでした。それでも踏み切れた決め手のひとつが、このローンに団体信用生命保険(団信)が付帯していたことです。
団信は住宅ローンでは定番ですが、太陽光・蓄電池のソーラーローンにも付いていたのは、正直かなり嬉しい誤算でした。万一のこと(死亡など)があってもローン残債が保険で完済され、太陽光と蓄電池の設備はそのまま家族に残ります。「20年ローンは長すぎないか」という不安に対する、大きな安心材料になりました。
新築のときは予算の都合で太陽光をあきらめたのですが、入居後に南向き片流れの屋根を見て「載せないともったいない」と思い続けていた、という個人的な事情も背中を押しています。もちろんローンの重さは人それぞれなので、団信の有無や金利は契約前に必ずご自身で確認してください。
関連記事:蓄電池の補助金2026の条件と使える制度
自宅の回収年数をシミュレーションする方法

ここまで読んで「じゃあ、うちの場合はどうなの?」と思った方へ。うれしいことに、特別なツールがなくても、検針票(電気使用量のお知らせ)の数字を出発点に、蓄電池の容量や単価差といった前提を置けば回収年数をざっくり概算できます。営業の試算を待つ前に、自分でざっくり計算しておくと、提示された数字が妥当かどうかを見抜けるようになります。
業者任せにしない
見積もりを取る前に自分で概算しておくと、「相場より高い」「前提が甘い」といった営業資料の粗が見えてきます。訪問販売のトラブルを避ける意味でも、この自衛はやっておいて損はありません。
検針票から年間削減額を出す手順
手順はシンプルで、電卓さえあれば10分ほどで概算できます。過去12か月ぶんの検針票を用意して、次の順に計算してみてください。
- 検針票で月間の電気使用量(kWh)と電気代(円)を確認する。12か月ぶん見て季節変動もつかむ
- 年間使用量を出す(月平均kWh × 12か月)。例:月平均348kWh × 12 = 4,176kWh/年
- 平均電気単価を出す(電気代 ÷ 使用量)。例:約27円/kWh
- 年間の削減見込みを見積もる。おおまかには「1日に蓄電池でまかなえるkWh × 単価差 × 365日」。例(自家消費型):5kWh × 27円 × 365日 = 約4.9万円/年
- 回収年数を出す。初期費用(補助金差引後)÷ 年間削減額。例:補助金後約120万円 ÷ 年間4.9万円 = 約24〜25年(前章の表の「5kWh・補助金あり」の行と対応します)
この計算をやってみると、営業資料の「年間◯万円お得」がどんな前提で成り立っているかが見えてきます。もし業者の試算がやたら大きな削減額を出しているなら、太陽光の発電量や自家消費率を強気に置いている可能性が高いので、そこを質問してみるといいですよ。前提が説明できない試算は、いったん保留にするのが安全です。
2026年の補助金を引いて実質負担を出す
回収年数の計算で、初期費用を大きく左右するのが補助金です。2026年の国の補助金(DR補助金=令和7年度補正「家庭用蓄電システム導入支援事業」)は、1kWhあたり約3.45万円、1申請あたり上限約60万円が基本でした。ただしこの回は2026年3月24日に公募が始まり、2026年5月29日に申請額が予算(約54億円規模)に達して受付を終了しています。
国の補助を当てにするなら、次の公募の開始時期や残枠を必ず確認してください。これに自治体の補助が上乗せできる地域もあり、東京都のように単価10万円/kWh・上限120万円/戸という手厚い自治体もあります。(出典:SII(環境共創イニシアチブ)令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業)(出典:クール・ネット東京(東京都環境公社)家庭における蓄電池導入促進事業)
ここで大事なのが、費用の相場感です。我が家は太陽光7.92kWとのセットで総額265万円でしたが、これはあくまで太陽光込みの一例。蓄電池単体の市場実勢は、工事費込みで15〜20万円/kWhが目安です。10kWhなら150万〜200万円が一つの目安になります。
この相場を大きく超える見積もりは、訪問販売などで割高な価格を提示されている可能性があるので要注意です。実際、家庭用蓄電池に関する相談件数は数年で約4倍に増えており、突然の訪問をきっかけに太陽光発電と蓄電池をあわせて約300万円で契約してしまった事例も報告されています。
(出典:国民生活センター『家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!』)
| 容量 | 設置総額の目安 | 補助金の目安 | 実質負担の目安 |
|---|---|---|---|
| 9.8kWh | 約185万円 | 約34万円 | 約131〜141万円 |
| 12kWh | 約215万円 | 約41万円 | 約154〜164万円 |
| 16.4kWh | 約265万円 | 約56万円 | 約189〜199万円 |
なお上の表の「実質負担」は、国のDR補助金に加えて自治体補助を約10〜20万円見込んだ場合の目安で、国の補助だけならこれより10〜20万円高くなります。こうした割高な契約を避ける最大の防衛策が、その場で契約せず、複数社(3社程度)から相見積もりを取ることです。料金メニュー・売電単価・容量選定の理由・補助金の前提が明示された見積もりかどうかを、必ず見比べてください。
万一その場で契約してしまっても、訪問販売なら一定期間はクーリングオフ(無条件解約)が使えます。相見積もりを取らずに即決した私が言うのも何ですが、だからこそ「複数社を比べる手間は、数十万円の損を防ぐ価値がある」と強くお伝えしたいです。なお補助金の制度は年度ごとに予算・要件が変わり、早期に受付終了することもあるので、申請前に必ず公式サイトで最新の交付要綱をご確認ください。
関連記事:太陽光と蓄電池のセット価格相場
卒FIT後まで元が取れるかは実測で検証
最後に、いちばん正直な話をします。ここまで「プラスの試算だった」と書いてきましたが、卒FIT後(売電単価が下がった後)まで含めて本当に元が取れるのかは、正直まだ分かりません。これは私自身の中に残っている、いちばん大きな疑問です。

FITの買取期間は10年間ですが、2026年度に認定される住宅用(10kW未満)は10年間ずっと同じ単価ではなく、最初の4年が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhと途中で大きく下がる二段階の単価です。そして10年の卒FIT後は6〜10円/kWh程度までさらに下がります。
契約時の試算はこの先の20年を見込んだものですが、10年後・20年後に電気料金や売電の仕組みがどうなっているかは誰にも断言できません。「今思うと、卒FIT後まで考えたら本当にお得なんだろうか?」という疑問を、私は隠さずに持ち続けています。営業の試算がプラスでも、それが20年間ずっと成り立つ保証はないからです。
(出典:経済産業省・資源エネルギー庁「2026年度以降の買取価格等」)
だからこそ、このサイトでは施工が終わったあと、毎月の発電量・売電額・電気代を実測して公開していく予定です。導入前のベースライン(月平均約15,900円)と、導入後の実測を突き合わせれば、試算が当たっていたのか外れていたのかが数字ではっきり見えてきます。机上の計算ではなく、我が家という実物の家計で、この疑問を検証していきます。あなたが判断するときの、生きた材料になれたら嬉しいです。
蓄電池が元を取れるかのよくある質問
蓄電池だけ(太陽光なし)でも元は取れますか?
正直に言うと、かなり厳しいです。太陽光なし・補助金なし・時間シフトのみだと、年間メリットが約2万円で回収60年という試算もあり、寿命(10〜15年)を大きく超えてしまいます。ただし補助金が手厚い地域や、停電対策としての価値を重視するなら判断は変わります。まずは検針票で自宅の使用量を確認し、回収年数が寿命内に収まるか計算してみてください。
2026年の補助金はいくらもらえますか?
国のDR補助金(令和7年度補正)は1kWhあたり約3.45万円、1申請あたり上限60万円が基本でしたが、2026年は3月に公募が始まり5月29日に予算到達で受付を終了しました。これに自治体の補助が上乗せできる地域もあります。制度は年度ごとに予算・要件が変わり、予算に達すると期限前でも締め切られます。次の公募を狙う場合も、申請前に必ず公式サイトで最新の交付要綱と受付状況をご確認ください。
蓄電池の寿命は何年くらいですか?
実使用の寿命は10〜15年程度が目安で、メーカー保証の年数(おおむね10年、延長で15年)が一つの参考になります。蓄電池では長州産業のように最長20年の機器保証を用意するメーカーもあり、差は大きいです(同社の「出力25年保証」は太陽光パネル側の保証で、蓄電池とは別枠です)。大事なのは回収年数がこの寿命を超えないこと。契約前に、自宅の回収年数が寿命の範囲に収まるかを確かめておきましょう。
相見積もりは何社くらい取ればいいですか?
3社程度から取って比べるのが目安です。料金メニュー・売電単価・容量選定の理由・補助金の前提が明示されているかを見比べると、割高な提示や前提の甘い試算に気づけます。相見積もりを取らずに即決した私自身の反省として、この手間はぜひかけてほしいと思っています。
訪問販売で契約してしまいましたが解約できますか?
訪問販売で契約した場合は、一定期間内であればクーリングオフ(無条件での解約)が使えます。「今なら安い」「あと◯件だけ」と契約を急がされた場合ほど、いったん立ち止まって相見積もりや条件の見直しを検討してください。最終的な判断に迷うときは、消費生活センターなどの窓口に相談するのも一つの方法です。
関連記事:卒FITはどうする?後悔しない4つの選択肢と損得の分かれ目
関連記事:太陽光の自家消費率とは?初日表示97%→初月実測37.6%の落とし穴
蓄電池が元を取れるかは3条件と自宅の計算しだい
つまり「蓄電池は元が取れる?」の答えは、家によって全然ちがうってことだね!
そうなんです。平均の15〜20年をうのみにせず、うちの場合の3条件で計算してみるのが第一歩ですね。うちも施工が終わったら、実測で答え合わせしていきますよ。
蓄電池が元を取れるかは、平均値ではなく、あなたの家の条件で計算して初めて分かります。「やめとけ」が当たる家も外れる家も、どちらも実在します。最後に要点を振り返っておきましょう。

- 回収年数は「太陽光併用・補助金・使う時間帯」の3条件で、約6年〜60年まで大きく変わる
- 太陽光を併用すると年間削減が10〜15万円まで伸び、回収が寿命(10〜15年)内に収まりやすい
- 検針票の数字を出発点に、いくつかの前提を置けば回収年数はざっくり概算できる。営業の試算を待たず、自分で計算しておく
- 蓄電池単体の相場は15〜20万円/kWhが目安。相場を超える提示は相見積もり(3社程度)で防衛する
- 我が家は265万円をプラス試算で契約したが、卒FIT後まで元が取れるかはこれからの実測で検証していく
費用は人生や家計に関わる大切な判断です。この記事の数値はあくまで一般的な目安なので、補助金や料金プランの正確な情報は公式サイトで確認し、最終的な導入の判断は複数社の見積もりを比べたうえで、必要に応じて専門家にご相談ください。自宅の条件で計算することが、後悔しない蓄電池選びの出発点になります。
相見積もりで集めた見積書は、総額ではなくkW単価に直して比べるのが基本です。太陽光とセットで検討している方向けに、見積書のチェック法を別記事にまとめています。
関連記事:太陽光発電の見積もり注意点7つ|実際の見積書で見るチェック法
回収年数を大きく左右するのは初期費用です。太陽光+蓄電池セットの見積もり額が相場と比べてどの水準かは、無料ツールで確認できます。
関連記事:太陽光+蓄電池セット対応の見積もり単価チェッカー(無料)
この試算のもとにした電気代の実測データは、賃貸22ヶ月+新築2ヶ月の明細をそのまま別記事で公開しています。世帯人数別・季節別の平均と見比べれば、ご自宅の電気代が今どの水準かも確認できます。
関連記事:一軒家の電気代平均と我が家の24ヶ月実測明細
上の手順どおり検針票と補助金の数字を当てはめれば回収年数は手計算できますが、容量や費用を変えて何度も試したいときは、同じ計算式で動く無料ツールが便利です。
関連記事:蓄電池の回収年数シミュレーター(無料・補助金対応)
蓄電池と同じで、太陽光発電にも条件で見送ったほうがいい家があります。屋根の向きや日中の在宅状況から先に確かめておくと判断が早くなります。
関連記事:太陽光をやめたほうがいい家の条件
同じ265万円の契約について、太陽光側で後悔しやすいポイントを整理した記事もあります。
関連記事:太陽光発電で後悔する人の共通点
設備を入れる前に、費用をかけずに電気代を下げられる余地が残っていないかも確認しておくと判断がぶれません。
関連記事:一軒家の電気代を下げる方法10選
同じやり方で太陽光側の試算も検算しています。蓄電池と太陽光は、収支を分けて出すのが前提です。
関連記事:太陽光発電は元が取れない?営業試算を自分で検算した
太陽光を併用するかどうかで蓄電池の回収年数は変わります。太陽光も訪問販売で見積もりを受けた方は、その金額が相場通りか一度確認しておくと安心です。
関連記事:太陽光の見積もりも相場と照らし合わせておきたい方へ
関連記事:蓄電池7.7kWhは停電で何日もつ?オール電化の実測で計算
関連記事:太陽光の自立運転の使い方|1500Wで動く家電と動かない家電
関連記事:検針票から必要な容量を逆算する手順
関連記事:蓄電池の寿命と交換費用
関連記事:蓄電池は後付けと同時どっちが得か
関連記事:充電時間帯を料金プランから逆算する方法
