こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。
オール電化のまま電力会社を乗り換えたい。でも、何から手を付ければいいのか分からない。調べ始めると「必要なのは検針票だけ」という説明ばかり出てきますよね。
ところが実際は、申し込む前の段階で落ちることがあります。さらに切り替わったあとにも、エコキュート側でやる作業が残ります。ここを飛ばすと、夜間時間帯が変わったときに、沸き上げが割安な時間帯から外れることがあります。
わが家は関西の新築一軒家で、2026年4月からオール電化で暮らしています。給湯はパナソニックのエコキュート。この記事では、申込から初回明細の見方までを4段階で追える形に整理します。
- 乗り換え手続きは申込・切替日・機器設定・初回明細の4段階
- オール電化は申し込む前に落ちる条件が3つある
- 切替日を決めるのは電力会社ではなく自分の検針日
- 夜間時間帯が変わったらエコキュートの設定を直す
オール電化の乗り換え手続きの全体像は4段階

結論から言うと、オール電化の乗り換えは申込・切替日・エコキュートの設定・初回明細の4段階で終わります。いま契約している会社への解約連絡は要りません。申込のときに同意すれば、乗り換え先が解約まで進めてくれます。
ただ、世の中の手順解説はたいてい2段階目で話が終わります。申し込む側の案内としては、そこまでで足りるからです。オール電化で効いてくるのは、そのあとに残る2工程なんですよね。
電力会社を変えるとき、いまの会社に解約の電話をしなくていいの?
要らないみたいですよ。申し込むときに同意すれば、新しい会社が解約まで進めてくれるそうです。
じゃあ申し込んだら終わりだね!
それが、オール電化だとあと2つ残るんです。エコキュートの設定と、初回明細の見方。順番に見ていきましょう。
| 段階 | やること | 動く人 | 目印になる出来事 |
|---|---|---|---|
| 1 申込 | 乗り換え先にWebで申し込む | 自分 | 供給地点特定番号を入力する画面 |
| 2 切替日 | 旧会社の解約と切替が処理される | 新会社と一般送配電事業者 | 切替日の通知・検針日 |
| 3 機器設定 | エコキュートの夜間時間帯を合わせ直す | 自分または工事店 | リモコンの電力契約設定 |
| 4 確認 | 初回明細と時間帯別の使用量を見る | 自分 | 切替翌月のまるまる1か月分の明細 |
表の3段階目が、オール電化だけに出てくる工程です。時間帯別のプランは、給湯を夜に寄せる前提で単価が組まれています。機器が見ている時間帯とプランの時間帯がずれると、寄せたつもりの分が割引の外に出ます。
電力会社を切り替えても、エコキュート本体の時間帯設定は自動で変わりません
わが家は2026年4月に新築へ入居し、オール電化の時間帯別プランを契約しました。乗り換えそのものはまだしていません。ただ、その前に住んでいた賃貸では、契約の都合でプランの見直しに手が出せませんでした。
持ち家のオール電化は、プランを自分の判断で動かせます。自由度が高いぶん、申し込む前に確かめることと切り替わったあとにやることを、自分で把握しておく必要があります。
電力会社選びは従量電灯だと夜が割高
乗り換え先はオール電化向けの時間帯別メニューを持つ会社に絞ります。従量電灯には時間帯の区分がありません。深夜に使用を寄せても単価は下がらないので、夜に沸き上げるオール電化の使い方とは噛み合わないんです。ただし、昼に沸き上げる給湯機や太陽光との併用を前提にしたプランには、時間帯の区分が無く単価が一律のものもあります。

関西電力の「はぴeタイムR」を例にすると、ナイトタイム(毎日23時〜翌7時)は16.00円/kWhです。従量電灯Aの第1段階は20.89円/kWh(いずれも2026年11月1日改定後の単価)。どちらも税込で、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は別に加わります。
つまり、夜に寄せられる分だけが得になる構造です。逆に昼しか電気を使わない家では、その割安さが消えます。デイタイムの夏季単価は、従量電灯Aの第3段階とほぼ同じ水準に置かれているからです。
| 順番 | 見るところ | 手続きへの影響 |
|---|---|---|
| 1 | 夜間時間帯の開始・終了時刻 | 切替後にエコキュートの設定変更が要るかが決まる |
| 2 | 加入条件(機器・容量・旧プランの除外) | そもそも申し込めるかが決まる |
| 3 | 基本料金の決まり方(契約容量制か実量制か) | 実量制は深夜に作ったピークが以後11か月効く(はぴeタイムRは10kWを超えた分だけ) |
| 4 | 電化割引・セット割の有無 | いま受けている割引を失う分を差し引く |
| 5 | 解約金・更新月がプラン本体か割引特約か | 次に動くときの縛りになる |
| 6 | 燃料費調整の建て付け(上限の有無・独自の調整単価) | 公表単価の差が月々の調整額で反転しうる |
1番目を先頭に置いているのは、ここで切替後の作業量が決まるからです。夜間時間帯の時刻が変わるかどうかで、エコキュートを触るかどうかが分かれます。単価の比較はその次で間に合いますよ。
見落としやすいのが、いま受けている割引です。大手電力のオール電化メニューに付く電化割引は、メニューを変えた時点で終了し、復活しないものがあります。はぴeタイムRなら、エコキュートに加えてIHクッキングヒーターなどを使っている場合に受けられる、基本料金と電力量料金の5%割引です(燃料費調整額は対象外)。
申し込めない条件を先に確認する
申込フォームに進む前に、3つのゲートを順に確認します。ここを通らないと、番号や支払い情報をそろえても先に進めません。
- そのエリアにオール電化向けの時間帯別メニューがあるか
- いま契約しているプランが申込の対象に入っているか
- 夜間蓄熱式機器の設置が条件か、容量の要件はあるか
1つ目はエリアの問題です。新電力の多くは従量電灯相当の段階制メニューしか持ちません。オール電化向けプランの提供を関東・中部・関西の3エリアに限っている会社もあります。エリア外だと、受け皿は従量電灯相当のプランです。
2つ目は旧プランの契約者に効いてきます。東京ガスのオール電化向け時間帯別プランは、13のメニューを契約中だと原則として申し込めません。対象は電化上手・オトクなナイト8/10・深夜電力など、旧来の安いオール電化系メニューです。idemitsuでんきも、2016年4月以前のオール電化用契約は対象外と明記しています。
旧プランほど条件が有利なことが多く、そのぶん受け入れ先が限られます。「安いプランを解約してから、乗り換え先に断られる」。これがいちばん痛い失敗の形です。
申し込めるかどうかを確かめる前に、いまの契約を動かさないでください
3つ目はオール電化なら通常は満たせます。エコキュートがあれば夜間蓄熱式機器に当たるためです。ただし総容量1kVA以上といった条件が付くので、給湯の一部だけを賄う小型の電気温水器は対象外とされます。
関西では夜間の区切りが変わらない
関西エリアに限ると、夜間時間帯の時刻が変わらない組み合わせが多いです。関西電力のオール電化メニューはナイトタイムが23時〜翌7時。同じエリアでオール電化向けメニューを公表している新電力も、区切りが23時台でそろっています。
| 会社・プラン | ナイトタイムの時間帯 | ナイトタイム単価 |
|---|---|---|
| 関西電力 はぴeタイムR | 毎日23時〜翌7時 | 16.00円/kWh(2026年11月1日改定後) |
| eo電気 オール電化プランK | 毎日0時〜7時・23時〜24時 | 14.60円/kWh |
| HTBエナジー ぜんぶでんき(関西エリア) | 毎日23時〜翌7時 | 14.29円/kWh |
いずれも税込で、各社が公式に掲載している値です(2026年8〜9月に確認)。燃料費調整額と再エネ賦課金は別に加わります。
区切りが同じなら、切替後にエコキュートの設定を触らずに済みます。手続きの手間という意味では、これはかなり大きな差です。
一方、エリアをまたぐと事情が変わります。東京電力エナジーパートナーのスマートライフLは、安いのが午前1時〜6時の5時間だけ。前のプランと同じ感覚でタイマーを組むと、沸き上げが安い時間帯からはみ出します。
同じ会社でも、夜間帯を選べるプランがあります。中部電力ミライズのスマートライフプランは、標準の22時〜翌8時・朝とくの23時〜翌9時・夜とくの21時〜翌7時から選ぶ形です。九州電力の電化でナイト・セレクトも、21時・22時・23時始まりの3パターンを用意しています。
つまり会社名とプラン名だけでは、夜間時間帯が決まりません。申し込むときに選んだ時間帯まで控えておくと、あとでエコキュート側の設定に迷わずに済みます。
ここで気をつけたいのが、公表単価だけを並べた比較です。月々の調整額で順位が入れ替わることがあります。
HTBエナジーの2026年8月分(低圧・関西エリア)は、燃料費等調整単価が合計11.11円/kWhでした。同じ月の関西電力の時間帯別メニューは▲0円03銭/kWh。差は約11.14円/kWhで、月450kWh使う家なら約5,000円の開きになります。
表の単価差が数百円でも、調整額でまるごと消えてしまうわけです。比べるなら、同じ月の料金項目を全部並べて確かめてください。単価表だけを見て決めないほうが安全かなと思います。
乗り換え手続きに必要な情報をそろえる
申込に要るものは5つです。供給地点特定番号、お客さま番号、支払い情報、いまのプラン名と契約容量、そして直近の使用量データ。検針票か、契約中の会社の会員サイトでほぼそろいます。

| 用意するもの | どこで分かるか | 注意点 |
|---|---|---|
| 供給地点特定番号(22桁) | 検針票・契約中の会社の会員サイト | 見つからなければ今の会社に問い合わせできる |
| お客さま番号 | 検針票・会員サイト | 小売ごとに付く番号で、乗り換えると変わる |
| 支払い情報(口座またはカード) | 手元の通帳・クレジットカード | 旧会社の設定は引き継がれない |
| いまの料金プラン名と契約容量 | 検針票・会員サイト | 加入できるかと基本料金の比較に使う |
| 直近12か月の使用量データ | 会員サイトのダウンロード機能 | 解約後は見られなくなる可能性がある |
見落とされがちなのが最後の使用量データです。会員サイトの過去データは、解約すると見られなくなる可能性があります。乗り換え後に「前はどうだったか」を確かめる材料なので、切替前に手元へ落としておきます。
支払い方法も引き継がれません。旧会社の口座やカードの設定はそのまま移らないので、新しい会社で登録し直します。ここは申込フォームの中で一緒に済むことがほとんどです。
わが家の場合、請求額と使用量は電力会社のマイページで確認しています。2026年7月分は使用期間が6月25日〜7月26日で、549kWh・17,442円でした。紙の検針票を開く機会は、正直ほとんどありません。
紙を廃止していると、番号は会員サイトの中にしかありません。申し込む前にログインできるか試しておくと安心ですよね。
供給地点特定番号はどこを見るか
供給地点特定番号は22桁の番号で、検針票か契約中の会社の会員サイトに載っています。電気を使う場所ごとに、地域の一般送配電事業者が発行する番号です。
会員サイトでの置き場所は会社ごとに違います。北海道電力は会員サイトの「ご利用状況」と「ご契約内容」の2画面に出ると公式に説明しています。関西電力なら「はぴeみる電」、中部電力ミライズなら「カテエネ」と、サイトの名前から違うわけです。
見つからないときは、いま契約している会社に聞けます。資源エネルギー庁も、検針票等が見つからない場合は現在契約している電力会社に直接問い合わせできると案内しています。番号を探して詰まる必要はありません。
受電地点特定番号と混同しない
太陽光で発電した電気の買取地点には、同じ22桁の「受電地点特定番号」が別に設定されます。わが家も2026年8月に太陽光と蓄電池を入れたので、家には供給側と買取側の2つの番号があります。乗り換えの申込に使うのは、供給地点特定番号のほうです。
お客さま番号のほうは、小売の会社ごとに付く番号です。乗り換えると新しい会社の番号に変わります。供給地点特定番号は場所に付くので、住み続けるかぎり変わりません。
申込から何日かかるかは検針日次第
切替日を決めているのは、申し込んだ会社ではありません。一般送配電事業者の標準処理期間と、自分の検針日で決まります。申し込んだ日から単価が変わるわけではないんです。(出典:資源エネルギー庁『電力会社の切り替え方法』)

「何日かかるか」として流通している数字は、性質が3つに分かれています。混ざったまま読むと、自分の場合がどれなのか分からなくなります。
| 数字 | 何の数字か | 出どころ |
|---|---|---|
| 交換工事が必要なら約2週間、不要なら約4日 | 国が示す標準的な処理期間 | 資源エネルギー庁の公式説明 |
| 計量器取替が必要ならマッチング日+8営業日+2暦日、不要なら+1営業日+2暦日 | 一般送配電事業者の標準処理期間 | 関西電力送配電の公式掲載値 |
| 最短2日〜1か月程度 | 小売が案内する申込から切替完了までの実務レンジ | idemitsuでんきの公式コラム |
3つ目が1か月まで伸びるのは、処理が遅いからではありません。切り替えが原則として月1回の検針日に行われるからです。手続き自体が数営業日で終わっても、検針日を過ぎていれば次の検針日まで待ちます。
関西電力送配電は、切り替えを「原則、標準処理期間以降の検針日」としています。計量器の取替が必要な場合は「標準処理期間満了日以降の次回または次々回検針日」。取替が挟まると2か月後にずれる余地が制度上あります。
ここから導ける実務ルールは1つだけです。申込は検針日の2週間以上前に置く。自分の検針日は検針票に書いてあります。わが家の7月分なら使用期間の終わりが7月26日なので、毎月そのあたりが目安になります。
2月から4月の引っ越しシーズンは、申込が集中します。電話窓口が混み合い、Web申込を勧める案内が各社から出る時期です。日数を読み切れないので、この時期に動くなら早めに申し込むほうが無難ですよ。
解約連絡は不要、引っ越しだけ例外
いまの会社への解約連絡は要りません。正確に言うと、申込のときに同意した時点で、乗り換え先が解約を代行します。「連絡しなくていい」ではなく「代わりに進めてくれる」と理解しておくと、ずれがありません。
例外は引っ越しを伴う場合です。引っ越しは切り替えではなく、旧居の使用停止と新居の使用開始という別々の2手続きになります。旧居の停止は自分で申し込みます。
引っ越しを「解約不要」と読み違えると、旧居の契約が残ったままになります
申込に使う番号も変わります。新居で申し込むときに要るのは新居の供給地点特定番号で、旧居のものではありません。契約書や入居案内に書かれていることが多く、分からなければ新しく契約する会社に住所を伝えて照会できます。
わが家も2026年4月に賃貸から新築へ移りました。旧居はプロパンガス併用の賃貸で、そもそも契約の都合からプランの見直しができませんでした。賃貸でも契約名義が本人であれば切り替えはできますが、名義が別ならその名義人への確認が要ります。
マンションでも切り替えは可能です。ただし管理組合を通じて建物全体でまとめて電気を買っている場合は、その契約や管理規約で制限されることがあります。戸建てのオール電化なら、ここで引っかかることはまずありません。
新築はメーター交換が要らない
新築や入居して間もない家は、スマートメーターが最初から付いていることが多いです。交換工事が不要な側に入るので、処理は最短のほうで進みます。築年数が古くアナログメーターのままなら、交換が1工程挟まります。
交換そのものに原則として費用はかかりません。ただしメーターの位置や設備の状態によっては、工事に費用がかかる場合があります。交換のときは1軒あたり約15分を目安とする停電を伴うことがあります。
逆に言えば、停電が起きる可能性があるのはこのときだけです。切り替えたあとに停電しやすくなることはありません。
電気はどの会社と契約していても、同じ送電網を流れます。周波数と電圧を保つのは一般送配電事業者の仕事で、小売の契約先とは切り離されています。停電したときの復旧も情報の窓口も、小売ではなく一般送配電事業者の側です。
わが家は時間帯別のプランなので、30分ごとに使用量を計れるメーターが前提になっています。新築でオール電化なら、工事の心配はまずしなくていいかなと思います。
切替後にエコキュートの電力契約設定を直す
切り替えが済んだら、エコキュートに新しい夜間時間帯を教え直します。切り替えの手続きは小売と一般送配電事業者の間で進むもので、家の中の機器には触りません。設定が前のままだと、機器は古いプランの時間帯で沸き上げ続けます。

電力会社を変えたら、エコキュートも勝手に新しい時間に合わせてくれるんじゃないの?
それが変わらないんですよ。手続きは家の中の機器までは届かないので、設定はこちら側の宿題として残るみたいです。
パナソニックの工事説明書には、こう書かれています。「ご契約の夜間時間帯は、正しく設定してください。設定が合っていないと思わぬ電気代がかかる場合があります」。メーカー自身が、電気代に響くと明記しているわけです。(出典:パナソニック『エコキュート 新電気料金メニュー設定方法(工事説明書)』)
設定の呼び名はメーカーで違います。パナソニックとダイキンは「電力契約設定」「電力制度設定」、三菱電機は「多様化する電力契約へ対応」。同じことを指していると知らないまま取扱説明書を開くと、まず見つけられません。
自分で触るかは選んでよい
パナソニックの手順は、工事作業者向けの工事説明書に載っています。そこには「リモコン設定は、販売店(工事店)が行ってください」とあります。設定が要るかどうかを自分で見分け、そのうえで自分で直すか工事店に頼むかを決める。この順番が現実的かなと思います。
わが家の給湯もパナソニックのエコキュートです。乗り換えを検討するなら、まずは手元の設定と新しいプランの時間帯を突き合わせるところから始めます。
設定変更が要るかを見分ける
判定は3つの質問を順に通すだけです。最初の質問で「同じ」なら、機器は触らなくて構いません。
- 乗り換えの前後で、夜間時間帯の開始・終了時刻が同じか
- リモコンの登録プラン一覧に、乗り換え先のプラン名があるか
- 無ければ、マニュアル設定や直接入力で時刻を手で入れる
ダイキンも「既存の契約プランをそのまま継続する場合は設定変更不要」と整理しています。新しいプランに変えたときだけ設定が要る、という切り分けです。(出典:ダイキン工業『エコキュート 新電力契約プランに対する、電力契約設定方法』)
つまずきやすいのは3つ目でしょう。新電力のプラン名は、リモコンの一覧に載っていないことがほとんどです。そうなると手入力に進むことになります。
| メーカー | 登録にないプランのときの操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| パナソニック | 試運転ナビでH08・B08・F08から選ぶ、または夜間時間を直接入力 | 3つの選択肢にぴったり合わないことがある。直接入力は対応機種が限られる |
| ダイキン | メニュー→初期設定→電力契約設定→マニュアル設定(かんたん/ほんかく) | 先に型式から分類①〜⑧を特定してから操作する |
| 三菱電機 | 台所リモコンでマニュアル設定(沸上開始・終了時刻・沸上動作パターン) | 終了時刻は開始から4〜12時間の範囲で決める |
パナソニックのH08は23時〜7時、B08は0時〜8時、F08は22時〜6時に対応します。関西のオール電化メニューのように23時〜翌7時ならH08が合う側です。東京電力のスマートライフLのように午前1時〜6時が安いプランなら、B08を選びます。
操作の手順は機種と年式でも変わります。パナソニックは13・14年モデルと15・16年モデルで手順が別になっています。まずは本体の型式を控える。ここが実務上の第一歩です。
夜間時間の開始前に済ませる
設定変更は夜間時間が始まる前に済ませます。夜間時間に入ってから触ると、その日の必要湯量の計算がもう終わっているため、反映が翌日以降にずれます。パナソニックとダイキンが、公式のFAQで同じ趣旨を説明しています。
切替日の夜にあわてて触ると、1日ぶん空振りする。これが具体的な失敗の形です。切替日の昼のうちに設定を終わらせておくのがおすすめですよ。
設定どおりに必ず夜だけで沸くわけでもありません。三菱電機は「わき上げ時間帯以外にわき上げすることがあります」と公式に注記しています。湯切れを防ぐ側が優先される設計だからです。(出典:三菱電機『多様化する電力契約へ対応』)
そこで、設定を直したあとは翌朝の湯量と沸き上げの動きを1〜2日見ておきます。いきなり明細で確かめようとすると、結果が分かるまで1か月待つことになります。
太陽光を載せている家では、設定が二重になる点にも注意が要ります。昼に沸かすほうの設定と、夜間時間帯の設定は別物です。乗り換えのときに直すのは夜間時間帯の側で、昼へのシフトは売電単価と夜間単価の関係で決める別の話になります。
HEMSで制御している場合、リモコン側の操作がHEMSの制御を打ち消すことがあります
わが家は2026年8月18日に太陽光7.92kWと蓄電池7.7kWhを連系しました。モニターが付いてから、電気の出入りを何度も見るようになりました。蓄電池は早い日だと22時ごろに設定した下限まで落ちるので、そのあとの時間に何が動いているかは気にして見ています。
初回明細で見るのは金額ではない
切り替えたあとに見るのは、請求金額ではありません。時間帯ごとの使用量の内訳です。オール電化の時間帯別メニューなら、明細にデイタイム・リビングタイム・ナイトタイムといった区分ごとの使用量が載ります。

金額は燃料費調整額や賦課金、その月の気温でも動きます。設定が合っているかどうかを金額から読み取るのは、かなり難しいんですよね。使用量の内訳なら、機器の動きがそのまま出ます。
- 切替月の明細は判断に使わない
- ナイトタイムの使用量の比率が、乗り換え前と同じか
- 時間ごとのグラフで、沸き上げの山が安い時間帯に収まっているか
- 実量制のプランなら、切替直後に作ったピークの値
最後の項目は基本料金に効きます。関西電力の時間帯別メニューは実量制です。月間で最大の30分使用電力量の2倍と、過去11か月の最大値。その大きいほうが契約電力になります。深夜に機器の同時運転が重なって一度ピークを作ると、その値が以後11か月効き続けます。ただしはぴeタイムRの基本料金は10kWまで定額なので、料金が上がるのはピークが10kWを超えたときです。
切替直後は設定を触ったり、使い方を変えたりしがちな時期です。そこでうっかり作ったピークが1年近く残る、と覚えておくといいかなと思います。
切替月は日割りで比べられない
切替月の明細は、損得の判断に使えません。旧プランと新プランが1か月のなかで入れ替わるうえ、日数も1か月に満たない変則的な期間になりやすいからです。使えるのは切替翌月以降の、まるまる1か月分の明細になります。
切替月は旧会社と新会社から2通届きます。これは二重請求ではありません。旧会社は直前の検針日から解約日まで、新会社は利用開始日から次の検針日の前日までで、請求の対象期間が重ならないからです。切替日が検針日からずれた分だけ、この2通はそれぞれ日割りになり、合わせて1か月分になります。
日割りになったときの中身も見ておきましょう。基本料金は、使用日数を30日で割った比率で計算されます。電力量料金は、各段階の適用電力量に同じ比率を掛けて区分を出し直します。燃料費調整額と再エネ賦課金も同じ扱いです。
単価が同じでも、日数が違えば金額は当然ずれます。ここを見落とすと「乗り換えたのに高くなった」と焦ることになりますよね。比べるのは翌月からで大丈夫です。
わが家の明細でいうと、2026年7月分は使用期間が6月25日から7月26日でした。ほぼ1か月ぶんが素直に入っている月です。乗り換えの前後を比べるなら、こういう通常の月どうしを並べます。
時間帯別の使用量で沸き上げを見る
ナイトタイムの比率が乗り換え前より下がっていたら、設定のずれを疑います。給湯の沸き上げが、安い時間帯から外れている可能性が高いからです。
月単位の数字だけでは分かりにくいので、時間ごとのグラフまで下ります。スマートメーターは、30分ごとの使用量を計測できるメーターと国が定義しています。会員サイトでは日ごと・時間ごとの使用量まで確認できます。
関西電力の会員サイトなら、過去25か月分の料金と使用量をグラフで見られ、必要なデータを選んでダウンロードできます。乗り換え前の分も同じ形で残しておくと、あとの比較が楽になります。
グラフで見るのは山の位置です。沸き上げの山が夜間時間帯の中に収まっていれば、そのままで構いません。端からはみ出していれば、設定した時刻か夜間時間の長さのどちらかが合っていません。
夜間時間の長さは、会社とプランで幅があります。5時間のプランもあれば、12時間のプランもあります。370Lや460Lクラスの沸き上げには7〜8時間程度かかるので、5時間の枠には収まりきりません。
時間の長さのほうは、設定では変えられません。そこが合わないなら、プラン選びの段階まで戻る話になります。だからこそ申込前の比較で、夜間時間帯を最初に見るわけです。
なお単価も時間帯も、会社とエリアと契約中のプランで変わります。この記事に挙げた数字は、2026年9月時点で公開されている目安です。申し込む前に、必ず公式サイトと手元の検針票でご確認ください。判断に迷うときは、契約先の窓口に相談するのが確実です。
初回明細やマイページで30分値を見て、昼型か夜型かを判定する手順はこちらでまとめています。
関連記事:電気の使用量を時間帯別に確認する方法
オール電化の電力会社乗り換え手続きのよくある質問
オール電化の電力会社乗り換え手続きに費用はかかりますか
申込そのものは無料の会社がほとんどです。eo電気のように、プラン変更の事務手数料を0円と公式に明記している例もあります。スマートメーターへの交換にも、原則として費用はかかりません。注意が要るのはいまの契約側で、割引特約に解約手数料が付いていることがあります。金額は契約ごとに違うので、申し込む前に公式サイトや約款でご確認ください。
いま契約しているプランに解約金や期間の縛りはありますか
縛りは料金プラン本体ではなく、割引特約の側に付いていることが多いです。ENEOSでんきの「にねん とく2割」は、適用開始から24ヵ月間が対象です。更新月を除く期間中に解約すると、1,100円(税込)の解約手数料がかかります。大手電力のオール電化メニューにも、加入後は原則1年間ほかのメニューへ変更できないといった条件を置く会社があります。確認するのは、金額・プランと特約のどちらに付いているか・更新月・引っ越しが免除になるかの4点です。
乗り換えた会社が撤退したら電気は止まりますか
すぐ止まることはありませんが、期限までに次の会社と契約する必要があります。押さえておきたいのは受け皿の中身です。家庭の低圧は最終保障供給の対象ではなく、制度として残っているのは大手電力の従量電灯です。オール電化向けの時間帯別プランが保証されているわけではありません。通知が届いたら早めに次の契約先を探してください。
乗り換えたあとで元のプランに戻せますか
戻せないことがあります。大手電力の旧オール電化メニューは新規受付を終えているものが多く、一度メニューを変えると同じ条件には戻れません。メニュー変更で終了して復活しない割引もあります。だからこそ手続きの順番が大切で、乗り換え先に申し込めるかを確かめる前に、いまの契約を動かさないことをおすすめします。
市場連動型のプランはオール電化でも使えますか
契約できますが、契約上の夜間割引が無い点に注意が要ります。市場連動型は電力量料金の一部を卸電力市場の価格に30分単位で連動させる設計です。平常時の市場価格は、年平均で10円台のこともあります。ただし2021年1月には、1日平均が154.6円/kWhまで跳ねた記録があります。オール電化は沸き上げを深夜に寄せるので、需給がひっ迫したときの高騰がそのまま乗ります。時間帯別プランのように夜間単価が固定されているわけではない、と理解しておいてください。
オール電化の乗り換え手続き4段階の要点
乗り換えって、申し込んで終わりじゃないんだね。
そうなんです。わが家もまだ乗り換えていませんが、やるならエコキュートの設定までを1セットで考えるつもりです。
オール電化の乗り換えは、切り替わった時点では終わりません。夜間時間帯をエコキュートに教え直し、初回明細で時間帯ごとの使用量を確かめるところまでが1セットです。
- 乗り換え先は、オール電化向けの時間帯別メニューを持つ会社に絞る
- 申し込めるかを確かめる前に、いまの契約を動かさない
- 用意するのは供給地点特定番号・お客さま番号・支払い情報・プラン名と契約容量・使用量データ
- 切替日は検針日で決まるので、申込は検針日の2週間以上前に置く
- 夜間時間帯の時刻が変わったら、切替日の昼までにエコキュートの設定を直す
- 判断に使う明細は切替翌月以降。見るのは金額ではなく時間帯別の使用量
単価も時間帯も、エリアと契約中のプランで変わります。ここに挙げた数字は2026年9月時点で公開されている目安です。申し込む前に必ず公式サイトと手元の検針票をご確認いただき、判断に迷うときは契約先の窓口や専門家にご相談ください。
関連記事:オール電化のアンペア変更は得?関西の実量制で基本料金を検算
関連記事:新築の電気契約はいつ・誰が?入居後も選び直せる流れを実例で解説
