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太陽光の売電収入はいくら?7.92kW実例と容量別の計算方法

2026年8月31日

太陽光の稼働初日の自家消費率97%と、初月13日の実測で発電の62%が売電に回ったことを比較するイラスト

こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。

太陽光を載せたら、売電収入は月にいくら入るのか。見積書に書かれた「年間◯万円」が本当なのか、気になりますよね。

わが家は2026年8月18日に、7.92kWの太陽光と7.7kWhの蓄電池が稼働を始めました。ところが稼働初日のモニタを見ると、売電はごくわずか。発電のほとんどが家の中と蓄電池へ流れていました。

この記事では、容量別の目安と計算式を先に整理します。そのうえで、わが家の提案書と稼働初日の実測から「売電額だけでは収入を測れない」という現実をお伝えしますね。

  • 4kWから8kWの売電収入は1〜4年目で年8万円から16万円ほどが目安
  • 売電収入は発電量と余剰率と単価の掛け算だけで決まる
  • 蓄電池を併用しても満充電後は売電に回る。売電額と電気代削減の合算で見る
  • 確定申告の判定は収入ではなく経費を引いた所得20万円で行う

太陽光の売電収入はいくらが目安か

先に結論です。2026年度に認定を受けた住宅用なら、4kWから8kWの売電収入は1〜4年目で年8万円から16万円ほどが目安になります。月に直すと、およそ7千円から1万3千円ですね。

太陽光4kWから8kWまでの容量別に、1〜4年目の年間売電収入の目安が8万円から16万円ほどであることを示す図

ただし、この水準が続くのは最初の4年だけです。5年目に売電単価が段差で落ちるため、同じ設備でも収入は3分の1近くまで縮みます。

エネすけ
エネすけ

太陽光をつけたら、電気を売ってけっこう稼げるんだよね?

それが、思っているほど単純じゃないんですよ。うちは蓄電池もあるので、稼働初日はほとんど売電が出ませんでした。

りょう
りょう
エネすけ
エネすけ

えっ、売れてないの?せっかく発電してるのに、もったいなくない?

電気の行き先が変わるだけなんです。まずは容量別の目安から、一緒に見ていきましょう。

りょう
りょう

先に断っておくと、この記事に出てくる金額は国の想定値やわが家の提案書をもとにした推計です。実際の入金額は屋根の条件・生活パターン・認定年度で変わります。あくまで目安として見てくださいね。

一般家庭4kWから8kWの月と年の目安

容量別の目安を先に置きます。2026年度に認定を受けた場合の買取単価は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。(出典:資源エネルギー庁『FIT・FIP制度 買取価格・期間等(2026年度以降)』)

容量年間発電量年間売電量1〜4年目(24円/kWh)5〜10年目(8.3円/kWh)
4.0kW4,800kWh3,360kWh80,640円27,888円
4.5kW5,400kWh3,780kWh90,720円31,374円
5.0kW6,000kWh4,200kWh100,800円34,860円
6.0kW7,200kWh5,040kWh120,960円41,832円
7.0kW8,400kWh5,880kWh141,120円48,804円
8.0kW9,600kWh6,720kWh161,280円55,776円

前提は国の想定値をそのまま使いました。1kWあたり年1,200kWhを発電し、そのうち70%を系統へ流す置き方です。

屋根の向きや家族の在宅時間が変われば、この表からは簡単にずれます。あくまで「条件が想定どおりならこのくらい」という基準線として見てください。

5.0kWを月あたりに直すと、1〜4年目は約8,400円、5〜10年目は約2,905円になります。

設備は何も変わらないのに、5年目には月6千円近く減る計算になります。

蓄電池ありは売電額だけでは測れない

蓄電池を併用している家には、この表がそのままは当てはまりません。自家消費を優先する運転(クリーンモードなど)では余った電気がまず蓄電池へ向かうため、系統へ流れる分=売電が大きく減るからです。

わが家の稼働初日(2026年8月18日)がまさにそうでした。その日の自家消費率は97%で、売電はごくわずかしか出ていません。

稼働初日は自家消費率97%、ところが初月(8月18〜31日)の集計では発電の6割が売電と、正反対の結果になりました(数字は後半の追記で報告します)。蓄電池ありの売電は運転と天候でここまで振れます。相場表をそのまま当てはめられない理由です。

売電収入の相場をまとめた記事が前提にしているのは、蓄電池を持たない家です。太陽光を使う世帯のうち蓄電システムを使っているのは2023年度で26.4%。残りの7割強が相場の母集団になります。

統計の作られ方も同じ方向を向いています。委員会が公表している余剰売電比率の平均64.8%・中央値60.7%は、シングル発電案件だけを集計した値。蓄電池を併設した世帯の余剰率をまとめた公的統計は、まだ公表されていません。相場表を蓄電池ありの家に当てはめる根拠が、そもそも統計の側に無いんです。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁『太陽光発電について』(調達価格等算定委員会 第110回 資料1・2026年1月))

だから蓄電池ありの家は、売電額だけで収入を測ると実力を見誤ります。売電で受け取った金額と、自家消費で買わずに済んだ電気代を足して見る。ここが出発点かなと思います。

売電収入の計算方法は掛け算3つだけ

売電収入の計算方法は、年間発電量 × 余剰売電比率 × 売電単価という掛け算だけです。難しい式は出てきません。

売電収入は年間発電量と余剰売電比率と売電単価の掛け算で決まり、単価は制度で決まる一方、発電量は容量で、余剰売電比率は生活パターンと蓄電池の設定で動くことを示す図解

厄介なのは式ではなく、3つの箱に何を入れるかです。同じ容量でも、置いた前提しだいで答えは2割ほど動きます。

しかも売電単価は制度で決まってしまい、こちらでは動かせません。自分で決められるのは容量と、蓄電池を入れるならその容量と運転モードくらい。残りは生活パターン次第です。ここが試算のいちばん誤解されやすいところかなと思います。

発電量と余剰率と単価に何を入れるか

まずは3つの箱の中身を確認します。それぞれに入れる値で、収入がどちらへ動くかが決まります。

項目何を入れるか入れる値で起きるズレ
年間発電量容量(kW)× 1kWあたり年間発電量1kWあたりの値の置き方で最大2割以上動く
余剰売電比率発電したうち系統へ流す割合国の想定70%に対し実績の平均は64.8%。蓄電池を併設すると容量と運転モードしだいで大きく下がる
売電単価認定年度のFIT単価2026年度に認定を受けた設備は1〜4年目が24円/kWh、5年目からは8.3円/kWh

1kWあたりの年間発電量は、業界団体の目安が1,000kWh、国の想定が1,200kWh、実績寄りだと1,235kWhです。

どれが正解というより、保守的に見るか強気に見るかの違いですね。営業の試算がどれを使っているかは、必ず確かめておきたいところ。

屋根の条件でも発電量は変わります。真南・傾斜30度を100とすると、東西面は83〜85%、南東・南西面は95〜96%。カタログの推定発電量は真南・傾斜30度・5kWを前提にした値です。

つまり自宅の条件に置き換えないと、最初から上振れした数字で計算することになります。わが家は南向きの片流れ屋根で条件は良いほうですが、それでも提案書の発電量はそのまま信じずに検算しました。

関連記事:太陽光の発電量の目安は?1kWあたりの年間量と7.92kW実測

前提の置き方で試算はどこまで動くか

答えを先に言うと、片方の前提だけを都合よく実績値へ差し替えた試算は膨らみます。5.0kWで並べると分かりやすいですよ。

前提の置き方年間売電量1〜4年目の年間売電収入
国の想定(1,200kWh/kW・余剰70%)4,200kWh100,800円
実績寄り(1,235kWh/kW・余剰70%)4,322kWh103,740円
実績寄り(1,235kWh/kW・余剰64.8%)4,001kWh96,034円

発電量を実績寄りに上げれば収入は増え、余剰率を実績寄りに下げれば減ります。両方を実績に寄せると、国の想定とほぼ同じ水準に戻りました。

発電量だけを実績寄りに動かした試算が高く出るのは、こういう仕組みです。見積書の年間発電量と余剰率は、必ずセットで確認してください。

保守的に見たいときは、業界団体の目安1,000kWh/kWで置き直すのが早いです。国の想定より約17%低い発電量になり、下限側の目安として使えます。

発電量だけを実績寄りの高い値に差し替え、余剰率を国の想定70%のまま据え置いた試算は、収入が過大に出ます。

年収入を12で割った月額にはならない

年間の売電収入を12で割った額が、毎月そのまま入るわけではありません。日射量が季節で大きく振れるからです。

気象庁の平年値では、月平均全天日射量の最大月と最小月の比が大阪で約2.4倍、東京で約2.1倍あります。売電量も同じ形でぶれます。

ピークは真夏ではなく5月前後です。8月は日射量が5月と同じか低いうえ、パネルの温度が上がって変換効率も落ちます。

冬はさらに厳しくなります。日射量が最小になる一方で、暖房により家の消費が増えるため、発電した分が自家消費に回って売電量はもっと落ちるからです。

冬の明細だけを見て「思ったより少ない」と判断すると、年間を見誤ります。1か月の実績を12倍した年換算も、春なら過大・冬なら過小。年間を語るには12か月そろえたいところです。

2026年度の売電価格で今も収入になるか

収入にはなります。ただし2026年度に認定を受けた住宅用は、収入が最初の4年に集中する形へ変わりました。

住宅用太陽光の売電単価が運転開始から1〜4年目は24円、5〜10年目は8.3円に分かれる二段階の制度になったことを示すタイムライン図

2025年度の下半期から、住宅用のFITは単価が一定ではなくなりました。運転開始からの経過年数で二段階に変わる「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」です。

年度単価(10kW未満)調達期間
2022年度17円/kWh10年
2023年度16円/kWh10年
2024年度16円/kWh10年
2025年度上期15円/kWh10年
2025年度下期・2026・2027年度24円(1〜4年目)/8.3円(5〜10年目)10年

24円という数字だけ見ると、単価が上がったように見えますよね。でも24円が続くのは4年だけ。10年を年数で単純平均すると14.58円/kWhになります。

この14.58円は、事業者のシミュレーションでもよく使われる値です。単価の水準としては正しいのですが、入金の時間分布が落ちている点には注意が必要です。

5年目に売電収入が3分の1へ落ちる

5年目の単価8.3円は、4年目までの24円の約34.6%です。同じ発電量でも売電収入は3分の1近くまで縮みます。

ここで「もっと高く買ってくれる会社へ移ればいい」と考えたくなりますよね。ところが制度上、その道はふさがれています。

資源エネルギー庁のQ&Aでは、設備を廃止しない限りFIT制度から離脱できないと整理されています。初期投資支援スキームの案件には、調達期間中に特定契約によらない売電を行えないという条件も付きます。

しかも国が想定する調達期間終了後の売電価格は10.0円/kWhで、5〜10年目の8.3円より高い水準です。この想定値どおりなら、いちばん単価が安い区間は卒FIT後ではなく5年目からの6年間ということになります。ただし卒FIT後の買取価格はFITの単価ではなく事業者ごとの自由設定で、大手電力の標準メニューは7〜9円台が中心。買取先を変えなければ、8.3円と大きく変わらない水準にとどまります。

5年目からの6年間が、10年の調達期間でもっとも単価の低い区間になります。

わが家7.92kWの提案書から売電分を抜く

わが家の提案書には、月あたりの経済効果17,217円と書かれています。そのうち売電収入として計上されているのは8,281円。全体の半分弱しか売電ではありません。

見方値
月の経済効果に占める売電の割合約48.1%
売電収入の年換算(提案の前提のまま)99,372円
同じ余剰量を1〜4年目の24円/kWhで置き直した年額163,584円
同じ余剰量を5〜10年目の8.3円/kWhで置き直した年額56,568円

この3つの年額は、提案書の前提を単価だけ置き換えた推計です。わが家の実測ではありません。稼働は2026年8月18日で、手元の実測は初月(8月18〜31日)のモニタ値と、20日分の初回入金だけだからです(どちらも後半の追記で報告します)。

それでも分かることがあります。14.58円の一本値で示された年99,372円は、実際には前半163,584円・後半56,568円という段差なのです。

10年の合計は一致しますが、受け取り方はまったく違います。提案書の効果額をそのまま「毎年入る売電収入」と読むと、5年目以降に肩透かしを食らうことになります。

提案書が置いた余剰は568kWh、自家消費は152kWhで、自家消費率にすると約21%でした。国の想定30%より低く、売電が多く出る側に寄った置き方です。

ここは正直に書いておきます。契約したときの私は、この前提の置き方まで見ていませんでした。効果額を分解して、ようやく売電がどこまで効くのかが見えてきました。

関連記事:卒FITの売電単価はいくら?大手と新電力の差と今からできる備え

蓄電池を併用すると売電収入は減るか

太陽光と蓄電池が稼働した初日のモニタ画面。発電2.00kW・充電1.53kW・消費0.42kW・売電0.05kWと表示され、自家消費率97%と読み取れる様子
2026年8月18日15時11分、稼働初日のモニタ実測(自家消費率97%)

減ります。下の試算では、売電収入が蓄電池なしの3割弱まで落ちます。ただし合計の経済効果で見ると、蓄電池ありが不利とは限りません。

蓄電池なしと蓄電池ありを比べ、売電収入は蓄電池ありのほうが大きく減るが、電気代の削減を合わせた合計の経済効果はほぼ同等になることを示す比較図
エネすけ
エネすけ

売電が減るのに損してないって、なんだか不思議だね。

電気の行き先が変わるだけなんですよ。売らずに使えば、その分だけ電気を買わずに済みますから。

りょう
りょう
エネすけ
エネすけ

なるほど!じゃあ、どっちがどれだけ得なのか見てみたいな。

順番に見ていきます。まずはわが家の稼働初日の実測、次に金額での置き換えです。

稼働初日の自家消費率は97%だった

2026年8月18日15時11分、稼働初日のモニタです。発電2.00kW・充電1.53kW・消費0.42kW・売電0.05kW。その日の自家消費率は97%と表示されていました。

運転はクリーンモードで、夜間充電をせず太陽光の余りをまず蓄電池へ回す設定です。売電に向かうのは、家の消費と充電を満たした残りだけになります。

提案書が置いた自家消費率は約21%。初日の実測とは正反対です。前提と実際の運転の差が、そのまま売電量の差になると分かりました。

注意したいのは、この97%が1日分の記録にすぎない点です。蓄電池が満充電になる日や、家の消費が少ない日には売電の割合が上がります。年間の姿はこれから12か月分の実測で確かめていきます。

正直なところ、モニタを何度も見てしまっています。数字が動くのを眺めるのは楽しいのですが、判断に使えるのは日単位ではなく年単位の記録ですね。

この初日97%という数字、初月の実測ではどう変わったのか気になった方はこちら。
関連記事:太陽光の自家消費率とは?初日表示97%→初月実測37.6%の落とし穴

減った売電は電気代の削減に置き換わる

売電が減った分は、消えるわけではありません。買わずに済んだ電気代という形で家計に残ります。5.0kWで金額に置き換えてみます。

年間発電量6,000kWhを固定し、自家消費率だけを変えた比較です。自家消費1kWhの価値は、国が単価の算定に使っている27.31円/kWhで置きました。なお蓄電池の充放電で失われる分は含めていません。国の試算では「設備利用率は14%、蓄電ロスは20%と仮定」と置かれており、実際に買電を減らせる量は表の自家消費量より小さくなります。(出典:経済産業省 調達価格等算定委員会『令和8年度以降の調達価格等に関する意見』)

区分蓄電池なし(自家消費率30%)蓄電池あり(自家消費率80%と置いた場合)
自家消費1,800kWh4,800kWh
売電4,200kWh1,200kWh
売電収入(1〜4年目・24円/kWh)100,800円28,800円
自家消費による電気代削減(27.31円/kWh)49,158円131,088円
合計の経済効果149,958円159,888円

売電収入だけを見れば年72,000円のマイナスです。数字だけ見ると、大損したように思えますよね。ところが自家消費による削減は年81,930円増えます。行き先が変わっただけで、家計に残る額はむしろ増えました。

売電単価24円と自家消費の価値27.31円が近いため、行き先を入れ替えても総額が動きにくいわけです。1〜4年目に限れば、蓄電池の有無で合計の経済効果はほとんど変わりません。

差がつくのは5年目からです。同じ5.0kWで、売電単価だけを8.3円に置き直してみます。

区分蓄電池なし蓄電池あり
売電収入(5〜10年目・8.3円/kWh)34,860円9,960円
自家消費による電気代削減(27.31円/kWh)49,158円131,088円
合計の経済効果84,018円141,048円

蓄電池あり側が年57,030円上回りました。売電に回した1kWhの価値が、自家消費の3分の1以下まで落ちるからです。ただしこれは充放電ロスと設備費用を除いた仮定上の差額で、実際の差はこれより小さくなります。

売電額で測ると蓄電池ありの家は大きく見劣りしますが、家計への効果はむしろ広がります。

ひとつ断っておくと、この比較は年間の効果額どうしを並べたもので、蓄電池の設備費用は入っていません。投資として回収できるかどうかは、導入費とローンの利息まで含めた別軸の計算になります。

自家消費1kWhの価値も、わが家の契約単価で置き直してみます。関西電力のはぴeタイムRは、在宅時間帯にあたるリビングタイムが23.52円/kWh、その他季のデイタイムが26.96円/kWh(2026年11月1日改定後)。国の算定値27.31円より低い水準です。

ただし自家消費で実際に浮くのは電力量料金だけではありません。燃料費調整額と再エネ賦課金を足した金額が消えるので、単価表の数字よりは上振れします。

ついでに気づいたことをひとつ。提案書に書かれていた単価は22.89円・26.33円・夜間15.20円で、電力会社の当時の公表単価(2026年10月までの22.80円・26.24円・ナイトタイム15.37円)と1円未満ずつずれていました。結論を変える差ではありませんが、試算の単価がどこから来た数字なのかは確かめる価値があります。

なお27.31円は国の算定に使われた値です。電気単価の高い契約なら差は開き、安ければ縮みます。ご自宅の単価と賦課金で計算し直してみてくださいね。

売電と自家消費はどっちが得なのか

単価だけを比べれば、答えははっきりしています。1kWhあたりの価値は、売るより使うほうが高いという構造です。

自家消費1kWhの価値は、買わずに済んだ電気代そのもの。国の算定値で27.31円、実際の請求ベースなら約28円から40円が目安です。ただし電気代は契約プランと時間帯で変わります。昼の単価が安いオール電化プランだと、1〜4年目の売電単価との差はほとんど無いこともあるので、自分の契約の昼の単価を一度見ておくと判断がぶれません。

対する売電は24円から始まり、5年目に8.3円、卒FIT後は10円前後。単価の落ちる区間では、余りを自家消費へ回すほうが1kWhの価値は高くなります。

では逆に、蓄電池から放電して売電量を増やす使い方はどうでしょうか。結論から言うと、制度上は可能です。

太陽光の発電時間帯に蓄電池から放電し、余剰を増やす使い方は「ダブル発電」と呼ばれていました。単価を減額する区分は2019年度に廃止されており、蓄電池を併設しても売電単価は下がりません。

ただ、押し上げても1kWhあたりの手取りは自家消費より小さいままです。収入を増やす手段としては成立しにくいのが実際のところ。系統から買った電気を貯めて売ることも、余剰売電の対象外です。

運転モードを経済性モードにすれば売電量は増え、クリーンモードにすれば最小になります。同じ設備・同じ発電量でも売電額は設定で変わるので、他人の売電額をそのまま自分に当てはめられません。

追記:稼働初月(8月18〜31日)は売電315.3kWhだった

【2026年9月1日追記】約束していた実測の続報です。8月分(8月18日の連系から31日まで)のモニタ月計が出ました。連系当日の18日は午後だけの部分日です。

項目8月の月計(8/18〜31)
発電量505.4kWh
売電量315.3kWh
自家消費量190.1kWh
買電量86.8kWh
売電量換算(モニタのめやす)7,471円
買電量換算(同)3,875円
自家消費量換算(同)4,922円

初日の自家消費率97%とは、正反対の結果になりました。月では発電の62.4%が売電に回り、自家消費率は37.6%。売電量は自家消費量の約1.7倍です。

理由は蓄電池の満充電でした。晴れた日は午前10時前後に満充電になり、午後の発電はほぼそのまま系統へ流れます。運転モードはクリーンモードのままですが、少なくとも夏に関しては「売電がほとんど残らない」は起きませんでした。

体感もそのとおりで、晴れの昼はエアコン2台と衣類乾燥機を回していても、モニタはまだ売電中でした。発電が需要を大きく上回る季節は、蓄電池を満たしてなお余るんですね。

金額で見ると、売電めやす7,471円−買電めやす3,875円で差引きプラス3,596円。電気代の収支としては連系からの約2週間(18日は午後のみ)でこれだけ黒字で、ひと月に直せば8,000円前後のペースです。導入の効果として見るなら数え方が変わります。太陽光がなければ消費した276.9kWhを全部買っていたので、売電7,471円に買わずに済んだ自家消費分4,922円を足した12,393円がこの期間の効果額。残った買電3,875円は、効果からさらに引く性質のお金ではありません。

提案書の月17,217円という効果額には、設備が生む効果ではない省エネ意識効果額1,500円が含まれています。それを除いた15,717円が比較の相手で、こちらは約2週間で12,393円。日割りなら上回るペースでした。ただし内訳の定義は違いますし、8月は発電量が多い季節です。それでも本文で書いた「売電収入と電気代の削減を合算で見る」を、初めて実数で確かめられました。

連系から月末まで、晴天に恵まれた8月後半の値です。曇雨天の3日間は売電が1日8〜11kWhまで落ちており、冬や雨の多い月はこの水準では語れません。なお8月分は受給開始日(9月9日)より前で、初回の入金には入っていません(次の追記を参照)。

追記:初回の入金は20日分で5,040円だった

【2026年10月20日追記】約束していた入金額の実測です。初回の売電代金は、2026年10月19日に5,040円が口座へ入金されました。

項目初回(2026年9月分)
受給期間9月9日〜9月28日(20日分)
受給電力量210kWh
買取単価(税込)24.00円/kWh
振込金額5,040円(うち消費税458円)
検針日9月29日
入金日10月19日

210kWh×24円で、ちょうど5,040円です。本文の計算式の最後の掛け算が、明細の上でもそのまま成り立っていました。

注目したいのは対象期間です。初回の入金は、受給開始日の9月9日からの20日分だけでした。8月18日の連系からモニタに出ていた8月の売電315.3kWhは、この初回分に入っていません。

前の追記の「売電めやす7,471円」や差引きプラス3,596円は、モニタの換算値です。8月分は受給期間の外なので、実際の入金額とは分けて読んでください。

モニタの9月の売電量も暦月の集計で、計測する場所も違います。お知らせの210kWhとは区切りが違うため、並べて比べないようにしています。

この5,040円は、月の売電収入の代表値には使えません。初回は20日分しかないからです。ひと月まるごとの入金額が出るのは、2回目の明細からになります。

入金を銀行の通知で見たときは、正直ホッとしました。連系から入金までの流れが、これでようやく一巡した形です。

関連記事:売電の振込が少ない理由|故障か正常かを5分で切り分ける

売電収入の確定申告はいくらから必要か

判定に使うのは売電収入の額ではありません。給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員なら、必要経費を引いた「所得」が20万円を超えるかで決まります。給与の年間収入が2,000万円を超える人や、2か所以上から給与を受けている人は別の基準になります。

太陽光の売電で確定申告が必要かどうかを、収入ではなく必要経費を引いた所得が20万円を超えるかで判定するフローチャート

そして住宅用の容量では、そもそも収入が20万円に届きにくいのが実情です。多くの家庭は所得税の確定申告の対象外になります。ただし医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする年は、20万円以下でも売電の所得を含めて申告します。

所得の区分は原則として雑所得です。国税庁の質疑応答事例では、自宅に設置した設備の余剰売電は、家事用資産の余りを売っているにすぎない場合、雑所得に当たると整理されています。(出典:国税庁 質疑応答事例『自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入』)

では上限いっぱいの容量ならどうでしょうか。住宅用FITの上限である10kW未満、9.9kWで確かめてみます。

前提年間売電量年間売電収入(24円/kWh)
9.9kW・国の想定(1,200kWh/kW・余剰70%)8,316kWh199,584円
9.9kW・実績寄り(1,235kWh/kW・余剰70%)8,559kWh205,405円

載せられる上限の容量でも、売電収入はようやく20万円前後という水準です。一般的な4kWから6kWなら、1〜4年目でも年8万円から12万円台にとどまります。

5年目以降は単価が落ちるので、このラインに届くことはまずありません。まず「そもそも届くのか」を確かめるところから始めるのがおすすめです。

収入が届いた場合は、次に必要経費を引きます。太陽光発電設備は減価償却資産の機械及び装置に区分され、耐用年数17年・定額法の償却率0.059で計算します。設置した年は使い始めた月からの月数で月割りし(10月に設置したら12分の3)、下の例は1年を通して使った年の金額です。

家庭用は発電した電気の一部を自家消費するため、売電割合で按分するのが決まりです。売電割合は「年間売電量 ÷ 年間総発電量」で出します。

5.0kW・設置費用150万円・補助金なし・売電割合70%の例で並べてみます。

項目金額
減価償却費(按分前)88,500円
減価償却費(売電割合70%で按分)61,950円
年間売電収入(1〜4年目・24円/kWh)100,800円
差引の所得38,850円

減価償却費だけで売電収入の6割前後が消えました。ここにメンテナンス費用などを同じ割合で按分して足せば、所得はさらに小さくなります。

ここまでが「いくらから必要か」の判定です。ここからは手を動かす順番ですが、売電量しか記録が残っていないと、そもそも按分ができません。

確認は次の順番で進めます。

  • 送配電会社の明細で、年間の売電量(kWh)と入金額を1年分そろえる
  • モニタやHEMSの積算値から年間総発電量を取り、売電割合を出す
  • 設置費用から補助金を引いた額で減価償却費を計算し、売電割合で按分する
  • 売電収入から経費を引いた所得が20万円を超えるかを確認する
  • 所得税の申告をしない場合でも、住民税の申告が必要かを自治体の案内で確かめる

判定は売電だけの金額で行うわけではありません。副収入などほかの所得も合算した「各種の所得金額の合計額」で見る点に注意してください。

住民税の申告は別枠

見落としやすいのが住民税です。所得税の確定申告が不要でも、市・県民税の申告は必要という案内を出している自治体があります。所得税とは別の手続きなので、お住まいの自治体の案内を確かめてください。

最後に、よくある誤解を整理しておきます。

よくある誤解実際
売電収入が20万円を超えたら申告判定は収入ではなく必要経費を引いた所得
20万円以下なら何もしなくてよい所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合がある(自治体の案内で確認)
売電収入に消費税がかかる自宅の余剰売電の収入は消費税の課税対象外
設置費用は全額を経費にできる耐用年数17年で分割し、さらに売電割合で按分する
経費は設備費だけメンテナンス費用など売電に対応する経費も同じ割合で按分できる

税の扱いは家庭ごとの事情で変わります。ここに書いたのは一般的な目安なので、正確な情報は国税庁や自治体の公式サイトをご確認ください。判断に迷うときは、税務署や税理士などの専門家にご相談くださいね。

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太陽光の売電収入についてよくある質問

売電のお金はいつ振り込まれますか?

起点は検針日で、支払期日は送配電会社ごとに要綱で決まっています。関西電力送配電なら検針日の翌日から起算して30日目(休業日なら翌営業日)です。これは期限であって、実際にはそれより早く入金されることもあります。なお連系した直後は、検針期間が短いと当月の検針が行われない規定があります。初回の入金だけ2か月以上あとになる典型的な理由がこれで、故障や手続き漏れとは限りません。ただし受給契約の処理や振込口座の登録が済んでいないケースもあるので、案内された予定日を過ぎても入金がないときは送配電会社に確認してくださいね。

売電量や入金額の明細はどこで確認できますか?

送配電会社が通知する「受給電力量のお知らせ」が、税務上の仕入明細書にあたります。関西電力送配電では初回検針後にハガキが届き、以降はWebの買取実績照会サービス「うちの発電量(うち電)」で確認します。東京電力パワーグリッドは紙の通知がなく「購入実績お知らせサービス」、中部電力パワーグリッドは「再エネ実績お知らせサービス」で見る形です。確定申告の判定には年間の売電量と入金額の両方が要るので、1年分そろえておくと安心です。

売電収入に消費税はかかりますか?

資源エネルギー庁は、自宅に設置した太陽光発電設備の余剰売電による収入を消費税の課税の対象外と明記しています。消費税を申告・納付していない免税事業者であれば、インボイスの登録がなくても買取価格は変わりません。免税事業者かどうかは家庭かどうかではなく、原則として基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円以下かで決まり、インボイス登録をしている場合などは1,000万円以下でも課税事業者になるので、ほかに事業をしている人は自分の区分を確認してください。買取義務者が発行する受給料金のお知らせが消費税法上の仕入明細書になるので、こちらから改めてインボイスを発行する必要もありません。

出力制御で売電できない時間があると聞きました。住宅用も対象ですか?

住宅用の10kW未満は、当面の間、出力制御の対象外として整理されています。出力制御が最も多い九州エリアでも、送配電会社が10kW未満は引き続き対象外と案内しています。2022年に対象が広がったのは10kW以上500kW未満の設備で、住宅用は含まれません。ただし10kW以上を制御してもなお足りない場合は、将来的に10kW未満も対象になりうるとされています。最新の扱いは送配電会社の公式サイトでご確認ください。

11年目以降の卒FIT後は売電単価がいくらになりますか?

国が算定に使っている想定値は10.0円/kWhです。実際の買取メニューも2025年12月時点で平均10.0円・中央値9.5円と、ほぼ同じ水準でした。関西エリアなら中位が10.0〜10.4円、高値の例で12.02円という幅があります。ただし10円を超えるメニューは、その会社の電気とのセット契約や蓄電池の併設など条件付きのことが多い点に注意してください。単価だけを見れば、FIT期間中の5〜10年目(8.3円)より卒FIT後のほうが高くなるケースもあります。

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太陽光の売電収入はいくらかの要点まとめ

エネすけ
エネすけ

結局、売電収入っていくらだと思っておけばいいの?

うちみたいに蓄電池があるなら、売電額だけ見ても分かりませんよ。電気代の削減とセットで見るのが正解かなと思います。

りょう
りょう

太陽光の売電収入は、掛け算3つと単価の年数で決まります。そして蓄電池を併用した家では、売電額という指標そのものが実力を測れません。

太陽光の売電収入について、容量別の目安、計算式、単価の二段階、蓄電池併用時の効果、確定申告の基準という記事全体の要点を1枚にまとめた図
  • 4kWから8kWの売電収入は1〜4年目で年8万円から16万円ほど。国の想定値による推計で、実際の入金額は条件で変わる
  • 計算式は年間発電量×余剰売電比率×売電単価。片方の前提だけを実績値に差し替えた試算は過大に出る
  • 年収入を12で割った額は毎月入らない。ピークは5月前後で、冬は発電も売電も落ちる
  • 2026年度認定は1〜4年目24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWh。5年目に収入が3分の1近くまで縮む
  • わが家7.92kWの提案書は月17,217円の効果のうち売電が8,281円。年換算は163,584円から56,568円へ落ちる推計
  • 稼働初日の自家消費率は97%、初月(8月18〜31日)の集計では37.6%。売電額と電気代削減の合算で家計への効果を見る
  • 確定申告の判定は収入ではなく経費を引いた所得20万円。20万円以下でも住民税の申告が必要な場合がある

わが家の実測は、初月(8月18〜31日)のモニタ値と、初回入金(9月9日〜28日の20日分・5,040円)を本文の追記に載せました。

ここに挙げた金額と制度は、いずれも執筆時点の目安です。FITの単価も電気料金も年度で変わるので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。税や資金計画の最終的な判断は、専門家にご相談のうえで決めていただければと思います。

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売電を始める前提となる受給契約の通知については、こちらで届く時期と確認先をまとめています。
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りょう / エネすけ運営者

関西の新築一軒家(オール電化)で、妻と子ども2人と暮らす一般の施主です。2026年8月に太陽光7.92kW+蓄電池7.7kWhを設置しました。導入前24ヶ月分の電気代実測をもとに、「太陽光は本当に元が取れるのか」を導入前後の比較で検証していきます。

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