こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。
新築の引渡しが近づくと、電気の契約が気になりますよね。案内には「電気の手続きは不要です」と書いてある。でも本当に何もしなくていいのか、少し落ち着かない。そんな気持ちで検索している方が多いと思います。
先に答えを書くと、新築の電気は電気工事店が電力会社へ申し込むのが一般的で、その申込が出ていれば入居日から使えます。ただしその契約は、あなたが選んだものではありません。誰かが選んだ「とりあえずのプラン」です。
私も2026年4月に関西で新築へ入居しましたが、自分の契約内容を知ったのは入居後の明細を見たときでした。この記事では、契約がいつ・誰の手で決まるのか、間に合わなかった場合に入居後どう選び直すのかを、わが家の実例を交えて順に整理します。
- 新築の電気契約は引渡しの数週間前、工事店の申込で決まる
- よく聞く「2週間前」は性質の違う3つの期限が混ざった目安
- オール電化はメニュー・契約容量・沸き上げ時刻の3点セットで見る
- 入居後でも選び直せる手順と、総額で比べる前の落とし穴
新築の電気契約はいつ決まるのか
新築の電気契約が決まるのは、引渡しの数週間前です。引込線と計量器の工事を申し込んだ時点で、契約先の電力会社はもう決まっています。申し込むのは施主ではなく電気工事店。だから施主の側には「手続き不要」に見えます。

この章では、その裏で誰が動いているかを時系列で整理します。あわせて、入居日に立会いが要るのはどれか、太陽光を載せる家で増える契約は何かも見ていきます。
電気の契約先は、施主が何も言わなければ工事店の申込で自動的に決まる
手続き不要に見える裏で誰が動くか
手続きが無いのではありません。施主が意識しないまま、代理で済んでいるだけです。屋内の配線工事は施主が電気工事店に依頼し、電力会社への手続きは工事店が代理で行う。中国電力が公式にそう案内しています。
さらに送配電会社への新設申込は、工事店が「小売電気事業者の代理」として出します(関西電力送配電)。つまり申込書が出た時点で、どの電力会社と契約するかは確定しているわけです。
全体の流れを並べると、こんな時系列になります。
| 時期の目安 | 起きていること | 動くのは誰か | 施主がやること |
|---|---|---|---|
| 着工〜工事中 | 工事用の電気で現場が動く | 施工会社・電気工事店 | なし(本契約とは別建て) |
| 内装工事の前後 | 屋内の配線工事 | 施主が依頼した電気工事店 | ハウスメーカー経由が通常 |
| 引渡しの数週間前 | 引込線・計量器の新増設を申込 | 工事店が電力会社の代理で申込 | 希望があればここまでに伝える |
| 申込後〜送電 | 送配電会社が設計・工事 | 一般送配電事業者 | 進捗は工事店経由でしか見えない |
| 引渡し・入居の数日前 | 使用開始の申込(名義・支払・メニュー) | 施主または代行するハウスメーカー | 名義と支払方法を伝える |
| 入居当日 | ブレーカーを入れれば点灯 | 施主 | 分電盤の各ブレーカーを「入」にする |
工事にかかる日数も公表されています。関西電力送配電の場合、現地調査が不要で引込と計器の工事だけなら申込の翌営業日から7営業日。変圧器の交換が要れば約40日、電柱の新設が要れば3〜4か月程度です。
しかもこの日数に、電力会社側の審査期間は含まれません(東北電力ネットワーク)。施主から見た体感の待ち時間は、公表値より長くなります。ここまでは見えないところで進むので、知らないのが普通ですよね。
だからこそ、聞けば分かることは早めに聞いておく。ハウスメーカーや工事店への質問は、この5つで足ります。
- 電気の新設申込は、どの電力会社を通して出しますか
- 料金メニューは何で申し込みますか(オール電化なら時間帯別か従量電灯か)
- 契約容量(アンペア/kVA)はいくつですか。その根拠は何ですか
- 申込はいつ出しますか。外線工事(電柱・変圧器)は必要ですか
- 使用開始の申込は誰がやりますか。私がやる場合の期限はいつですか
特に1〜3を聞いていないと、入居後に明細を見て初めて契約先とメニューを知ることになります。わが家がまさにそうでした。
ガスだけ立会い電気と水道は不要
入居日に立会いが要るのはガスだけです。電気の使用開始は原則立会い不要(中部電力ミライズ)。水道もメーターが設置済みなら、基本は立ち会わずに使い始められます。
| 項目 | 電気 | ガス | 水道 |
|---|---|---|---|
| 申込先 | 小売電気事業者 | ガス小売事業者 | 自治体の水道局 |
| 使用開始の申込 | 60日前〜2営業日前(中国電力の例) | 開栓作業の日時予約が必要 | 引越しの3〜4日前まで(東京都水道局の例) |
| 立会い | 原則不要 | 必須(本人または代理人) | 原則不要。メーター設置時は日程調整が要る |
| 入居当日にやること | 安全・漏電ブレーカーを「入」にする | 開栓作業に立ち会う | 元栓(止水栓)を開ける |
ガスの訪問は時間の枠で選ぶ方式です。東京ガスの例では、9時〜12時、13時〜15時、15時〜17時、17時〜19時から選びます。結果として、入居日の予定はガスの立会い枠を軸に組むことになります。
わが家の新居はオール電化で、そもそもガス契約がありません。旧居は賃貸のプロパン併用で、最後のガス明細は2026年4月分でした。開栓の立会いが無いぶん、引越し当日の拘束が減るのは実務上のメリットだと思います。
エコキュートのある家は前日から通電が必要。電気の開始は入居日の前日までに申し込む(中国電力)
同じ案内では、タンクに水が溜まっているかの確認も求められています。空焚きは故障の原因になるためです。リモコンのタイマー時刻がずれていないかも、あわせて見ておきたいところ。
入居当日に電気が点かないときは、まず分電盤を見てください。契約開始日を過ぎていれば、安全ブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にすれば使えます(四国電力)。それでも点かないなら、使用開始の申込そのものが出ていない可能性があります。
太陽光は売る契約が別に要る
太陽光を載せる新築では、契約が2本になります。電気を買う契約(需給契約)とは別に、売る契約(電力受給契約)と系統連系の申込が必要だからです。
出力50kW未満の低圧なら、申込は電気工事店または本人が送配電会社のシステムから行います。並行して国の事業計画認定を申請し、認定書の写しを提出。工事費負担金があれば支払い後に工事となり、受給開始時に「電力受給契約のお知らせ」が発行されます。
番号も2つあります。買う側には供給地点特定番号、売る側には受電地点特定番号。どちらも22桁ですが別物で、乗り換えの申込に使うのは供給地点特定番号のほうです。
ここで買う側の電力会社を切り替えても、売る側の受給契約は自動では変わりません。2本あることを意識していないと、売電先だけ古いまま残ります。
わが家は新築と同時ではなく、入居から4か月後の2026年8月18日に設置・連系しました。シャープのパネル18枚で7.92kW、蓄電池は7.7kWhです。引渡し前に売電まで終わっている家もあれば、うちのように後から工事が来る家もあります。
売る側の契約の通知がいつ届くかは、こちらで時系列にまとめています。
関連記事:受給契約の通知が届かない?届く時期と確認先を実例で
自分で電力会社を選ぶ期限は2週間前か
結論から言うと、「2週間前」だけを覚えていても間に合いません。新築で語られる2週間前には、性質の違う3つの期限が混ざっているからです。一番効くのは工事店への意思表示で、目安は引渡しの1〜2か月前。

「2週間前までに申し込む」ってよく見るけど、あれって何の2週間前なの?
そこが混ざっているんですよね。調べ直したら、本当に効く期限は別にありました。順番に分けてみましょう。
ハウスメーカー任せにせず申込前に伝える
3つの期限を並べると、何を急ぐべきかがはっきりします。
| 期限の種類 | 何の期限か | 目安 | 守るのは誰か |
|---|---|---|---|
| ①工事店への意思表示 | どの電力会社で新設申込を出すか | 引込・計器工事の申込より前(引渡しの1〜2か月前が安全) | 施主 |
| ②送配電の標準所要日数 | 引込線・計量器の工事が終わり送電できるまで | 引込と計器のみで5〜7営業日、外線工事ありで10営業日〜数か月 | 電気工事店・電力会社経由 |
| ③使用開始の申込 | 名義・支払方法・料金メニューの確定 | 使用開始日の60日前〜2営業日前(中国電力の例) | 施主 |
よく見る「2週間前までに新電力へ申し込む」は③の話です。①を逃したあとでは、そのまま当てはまりません。工事店が新設申込を出した後に「別の会社にしたい」と言っても、申込先はもう動いているからです。
②の日数も年によって動きます。東北電力ネットワークは2026年10月1日以降の申込から、外線工事を伴う直接引込線を14日前から28日前へ、空中分岐を21日前から28日前へ繰り上げます。
つまり「2週間前で足りる」という前提そのものが、エリアと時期で崩れるということ。迷ったら早いほうへ倒しておくのが安全かなと思います。
③だけなら直前でも受け付ける会社があります。ただしエコキュートのある家は前日までに通電されている必要があるので、実質の締切は前々日です。
そして遅れやすいのは③ではなく②の工事側。天候や道路事情、材料の手配でも変動します。3〜4月に引渡しが集中する時期ほど、①の前倒しが効いてきます。
新築で新電力を選べるかの分かれ目
分かれ目は供給地点特定番号です。新築はこの番号が決まる時期が工事店の新設申込の進み方によって変わり、引渡し前には分からないことが少なくありません。そのため、番号を必須にしている会社には引渡し前に申し込めないことがあります。
たとえば東京ガスは、電気の契約手続きに22桁の供給地点特定番号が必要と案内しています。一方でidemitsuでんきは、引越し先で電気を使う場合は番号もお客さま番号も不要としています。
新築で新電力に申し込めるかは会社ごとに違う、というのが実情です。判断は公式の申込フォームの必須項目を見るのが早いと思います。
オール電化にはもう一つ壁があります。時間帯別メニューは、夜間蓄熱式機器(総容量おおむね1kVA以上)の設置が加入条件になっている会社が多い。機器が入る前に申し込めるかどうかは、会社によって扱いが違います。
選べる会社の数も限られます。auでんきはオール電化住宅向けプランの提供が関東・中部・関西エリアのみ。eo電気の「オール電化プランK」は、機器が未設置の場合は設置後の申し込みを求めています。
現実的な分かれ道は2つ
入居時から希望の会社にしたいなら、工事店の新設申込より前に会社を決め、新築(番号なし)の申込を受け付けるか確認してからハウスメーカーへ伝える。間に合わない・確認が面倒なら、いったん地域の大手のまま入居し、検針票が出てから自分で切り替える。
後者を選んでも、大きく損をするわけではありません。切り替えは新しい電力会社へ申し込むだけで、今の会社への解約連絡は原則不要だからです。入居後の選び直しについては、記事の後半でくわしく扱います。
オール電化のプランと契約容量の選び方
オール電化の新築では、申込のときに3つが同時に決まります。料金メニュー、契約容量、そしてエコキュートの沸き上げ時間帯。この3つは別々の担当が決めるので、組み合わせがちぐはぐでも誰も気づきません。

3つも一度に決まっちゃうんだ。誰かがまとめて見てくれないの?
小売の会社、電気工事店、設備屋さんとバラバラなんですよね。うちも入居後に明細を見て、やっと全体像が分かりました。
オール電化なのに従量電灯のまま
いちばんもったいないのが、オール電化住宅なのに従量電灯で申し込まれているケースです。従量電灯には時間帯の区分がありません。だから深夜に使用を寄せても、単価は1円も下がりません。
時間帯別メニューの形を、関西電力の「はぴeタイムR」の2026年11月1日改定後の単価で見てみます。
| 区分 | 時間 | 単価(税込) |
|---|---|---|
| ナイトタイム | 毎日23時〜翌7時 | 16.00円/kWh |
| リビングタイム | 平日7〜10時・17〜23時、休日扱い日7〜23時 | 23.52円/kWh |
| デイタイム(その他季) | 平日10時〜17時 | 26.96円/kWh |
| デイタイム(夏季) | 平日10時〜17時 | 29.59円/kWh |
| 基本料金 | 最初の10kWまで・1契約 | 2,842.84円 |
単価はいずれも公式の掲載値(2026年10月に確認。10月31日までは基本料金2,409.40円・ナイトタイム15.37円など)で、燃料費調整額と再エネ賦課金は別に加わります。改定されることもあるので、あくまで目安として見てください。(出典:関西電力『はぴeタイムR』)
従量電灯Aと比べると構造が見えてきます。デイタイムの夏季29.59円は、従量電灯Aの第3段階29.27円とほぼ同じ水準。ナイトタイムの16.00円は、第1段階の20.89円より安い(従量電灯Aも同日改定後の単価)。
要するに夜に寄せられる分だけが得になる仕組みです。昼にしか電気を使わない家なら、オール電化プランの割安さは消えてしまいます。基本料金も従量電灯より重いので、使用量が少ない世帯では不利になることもあります。
割引の有無も見落としやすいところ。はぴeタイムRでは、夜間蓄熱式機器を使う契約者がIHクッキングヒーターなどを設置していると、基本料金と電力量料金が5%引きになります(燃料費調整額は対象外)。
オール電化向けメニューは自由料金で、燃料費調整に上限がない。規制料金の従量電灯と同じ感覚で比べない
契約容量kVAは冬の朝で決まる
契約容量は「1年でいちばん重い日」を基準に決めます。オール電化の新築なら、その日はたいてい冬の朝です。
主開閉器契約なら計算式で決まります。契約容量(kVA)=主開閉器の定格電流(A)×電圧(V)×1/1,000。供給方式が単相3線式なら、電圧は200Vとして計算します(中国電力)。(出典:中国電力『契約容量・契約電力の算定方法』)
30Aの主開閉器なら6kVA、50Aなら10kVA、60Aなら12kVA。もう一方の負荷設備契約では、契約負荷設備の総容量に容量帯ごとの係数を掛けて算定します(東北電力)。
どちらの方式でも、申し出るのは1年を通じての最大の負荷です。新築の申込は、冬の同時使用を見込んで決めることになります。
新築オール電化で同時に動きうるのは、エコキュートの沸き上げ、暖房、IH、食洗機、衣類乾燥機。家によってはEVの充電も加わります。これが重なりやすいのが、冬の朝というわけです。
実量契約では、一度つくったピークが以後11か月の契約電力に残る(定額枠を超えると基本料金に効く)
はぴeタイムRのような実量契約では、月間で最大の30分使用電力量の2倍と、過去11か月の最大値の大きいほうが契約電力になります。引越し作業の最中に洗濯乾燥とIHと暖房を一気に回すと、その日の山が1年近く残ります。ただし基本料金は10kWまで定額なので、料金に効いてくるのはピークが10kWを超えたときです。
新築直後こそ、同時使用に気をつけたい場面ですよね。荷ほどきで頭がいっぱいの時期なので、なおさら意識から抜けやすいところだと思います。
容量は上げすぎれば基本料金が毎月増え、下げすぎればブレーカーが落ちます。工事店の申込値をそのまま受け取る前に、想定した同時使用の根拠を聞いておく。施主が介入できるのは、ほぼここだけです。
ちなみにわが家の新居は、実測がまだ春から夏の3か月分しかありません。冬は未実測です。判断材料が本当に揃うのは冬を含む12か月後で、入居前に完璧に選ぶのは構造的に無理があるなと感じています。
沸き上げ時間帯とメニューを合わせる
3つ目が、エコキュートの沸き上げ時間帯です。これは機器側のタイマー設定で、施工時の初期設定のまま引き渡されます。メニューと合っているかを確かめる人は、まずいません。
ずれると単価が効かなくなります。典型は、沸き上げ開始が22時なのにメニューのナイトタイムは23時から、というパターン。1時間ぶんを高い単価で沸かすことになります。
夜間の長さも会社でかなり違います。東京電力のスマートライフS・Lは午前1時から6時までの5時間だけで、昼夜の単価差は7.90円/kWhです。
旧プランの夜間は8〜10時間ありました。同じ感覚でタイマーを組むと、安い時間帯からあっさり外れてしまいます。
逆に、時間帯を選べる会社もあります。中部電力ミライズは標準22時〜8時・朝とく23時〜9時・夜とく21時〜7時の3種類。九州電力もセレクト21/22/23の3パターンから選ぶ方式です。
ここはタイマーを直すだけで安い時間帯に沸き上げを寄せられる数少ないポイントです。メニューの単価そのものが変わるわけではありませんが、契約を一切変えずに効くので、入居後に真っ先に確かめる価値があります。
乗り換えを考えるときも、時間帯の境界は要チェック。eo電気の「オール電化プランK」やHTBエナジーの「ぜんぶでんき」関西エリアは、はぴeタイムRと同じ23時〜翌7時の切り方です。境界が同じなら、給湯機側の設定を変えずに済みます。
入居後に気づいて選び直す手順
入居後に気づいても、遅くはありません。切り替えは新しい電力会社へ申し込むだけで、今の会社への解約連絡は原則不要です。むしろ実際の使い方が見えてからのほうが、選ぶ材料は揃います。

ここからは、放置すると何が続くのか、明細のどこを見るのか、他社と比べる前に知っておきたい落とし穴を順に見ていきます。
放置すれば続く大手プランわが家の例
放置しても、契約が切れたり電気が止まったりはしません。地域の大手が用意した標準的なメニューで契約が始まり、そのまま続くだけです。
つまり悪いことが起きるわけではなく、比較しないまま固定されるのが実害です。不便が無いので、気づく機会は明細しかありません。
わが家の例を出します。2026年4月に新築へ入居し、そのときの契約は関西電力の「はぴeタイムR」でした。自分で選んだのではなく、引渡しの時点でその契約になっていたのです。
新居の電気代は2026年5月が12,891円(415kWh)、6月が12,398円(385kWh)、7月が17,442円(549kWh)。3か月で42,731円でした。
7月分の実効単価は約31.8円/kWhです。金額そのものより、自分の家の使い方がようやく数字になって見えたことのほうが大きかったと感じています。
旧居は賃貸で、料金プランの見直しは契約上できませんでした。新築に移って初めて「自分で選べる立場」になったのに、入居直後は手続きが山積みで明細を見るまで気づかない。ここが盲点かなと思います。
気づくきっかけになるのは、だいたいこの3つです。
- 初回の検針票・Web明細で契約メニューを知る
- 切替の申込に要る供給地点特定番号が手元に来る
- 冬の請求額が跳ね、使用量に目が向く
明細と時間帯内訳で現契約を見る
最初にやるのは、今の契約を知ることです。初回の明細には、小売の名前・料金メニュー名・契約容量・割引の有無・供給地点特定番号が載っています。ここが出発点になります。
- 初回明細で現契約を確認する(会社名・メニュー名・契約容量・割引・供給地点特定番号)
- マイページで使用量の時間帯内訳を見る(30分値を出せる会社が多い)
- エコキュートの沸き上げ時間帯と、メニューの安い時間帯を突き合わせる
- 同じ会社の中で別メニューに変える余地を先に見る
- 他社を同一月の総額で比べる(燃料費調整や割引まで含める)
- 切り替えるなら新しい電力会社へ申し込む(今の会社への解約連絡は原則不要)
供給地点特定番号は22桁で、供給場所ごとに地域の一般送配電事業者が発行します。紙の検針票が無いWeb明細の契約なら、小売の会員サイトに表示されます。北海道電力は「ご利用状況」と「ご契約内容」の2か所に載せると明記しています。
2番目の時間帯内訳が、いちばん効きます。夜に使用が寄っていないなら、時間帯別メニューの旨味は出ないからです。
じつは「平均的な家庭の時間帯別使用量」を示す公的統計は見当たりません。だから比較の基準は、自宅のスマートメーターの30分値そのものになります。
年間の総量なら物差しがあります。環境省の家庭CO2統計では、世帯当たりの年間電気消費量は3,911kWh・支払11.05万円(2023年度)。戸建だけなら約4,920kWhで、集合住宅のおよそ1.8倍です。(出典:環境省『家庭部門のCO2排出実態統計調査(令和5年度)』)
ただし同じ2023年度でも、太陽光発電協会が使う平均年間電力消費量は4,492kWhで、約1.15倍のひらきがあります。平均は出典で動くもの。自分の家が多いか少ないかを見る物差しくらいに使うのが現実的かなと思います。
手順4で「同じ会社の中」を先に見るのには理由があります。オール電化メニューには、加入後1年間は他メニューへ変更できないといった条件が付く会社があるからです(中国電力・中部電力ミライズ)。
切替の手続き自体は軽いものです。スマートメーターの交換が不要ならおよそ4日程度、必要な場合でおよそ2週間程度が国の示す目安。新築はメーターが既にあるので、交換は要りません。(出典:資源エネルギー庁『電力会社の切り替え方法』)
注意したいのは切替日です。申込日ではなく、原則「次の検針日」に切り替わります。検針日の直前に申し込むと標準処理期間が間に合わず、さらに次の検針日まで後ろ倒しになることがあります。
電力会社を変えても停電しやすくなることはない。送電網は同じで、停電対応の窓口も一般送配電事業者のまま
総額で比べる前に知る落とし穴
他社と比べるときは、公表単価だけを見てはいけません。請求には燃料費調整や事業者ごとの調整単価が乗るので、数百円規模の差は簡単に反転します。
実例があります。HTBエナジー「ぜんぶでんき」の2026年8月分(低圧・関西エリア)は、燃料費調整0.00円・電源調達調整14.61円・国の支援値引き▲3.50円で、合計11.11円/kWhでした。
同じ月の関西電力の時間帯別メニューは▲0円03銭/kWh。差は約11.14円/kWhで、月450kWhなら約5,000円になります。
「燃料費調整はどちらにも同じだけ乗るから除いていい」は成り立たない、ということ。比較は必ず、同じ月の全料金項目で突き合わせるのが前提です。
検針日からずれて切り替わると、切替月の明細は1か月に満たない変則月になる。損得の判断に使えるのは、切替翌月以降のまるまる1か月分
縛りの在りかも見落としやすいところです。多くの会社は料金プラン本体に解約金を置かず、割引特約の側に付けています。プラン名だけを見ても、縛りの有無は分かりません。
ENEOSでんきの「にねん とく2割」を例にすると、割引は1kWhあたり0.2円、解約手数料は1,100円、更新月は適用開始から23〜24か月目です。
月400kWhの家なら、割引額は月80円ほど。取り戻すのに14か月近くかかる水準の手数料が付いている、という読み方ができます。
大手電力の側にも縛りはあります。オール電化メニューの1年継続条件がその例です。「新電力にだけ縛りがある」という理解は、正しくありません。
会社そのものが消えるリスクも数字で出ています。帝国データバンクの定点調査では、2021年に登録のあった新電力706社のうち119社(16.9%)が撤退・倒産・廃業しました(2024年3月調査)。
そのとき家庭の受け皿になるのは、大手の従量電灯です。自動で戻るわけではなく、通知された期日までに自分で申し込む必要があります。最終保障供給の対象は高圧・特別高圧で、家庭(低圧)は対象外。時間帯別のオール電化プランが戻り先として保証されているわけではない、という非対称があります。
最後にもう一つ。見直しの効果は「単価の差×夜に寄せられる量」で決まります。生活が昼型なら、メニューを変えるより使う時間を動かすほうが効く場合もあります。
わが家は2026年8月18日に太陽光と蓄電池が連系しました。発電が乗ると最適なメニューは変わるので、入居時に決め打ちしないほうが合理的なケースもあるなと感じています。
単価も制度も改定されます。この記事の数字はあくまで確認時点の目安なので、契約の前には必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。判断に迷うときは、契約先の窓口や専門家に相談するのが確実です。
新築の電気契約はいつ?よくある質問
入居当日に電気が点きません。まず何を確認すればいいですか?
まず分電盤を見てください。契約開始日を過ぎていれば、漏電ブレーカーと安全ブレーカーを「入」にすれば使えます(四国電力の案内)。それでも点かない場合は、使用開始の申込そのものが出ていない可能性があります。部屋の状況によっては事前の通電作業が必要で、申込がないと入居当日に電気が使えないことがあると北海道電力も注意しています。エコキュートのある家は前日までに通電されている必要があるので、そこも確認してみてください。
工事中に使っていた電気の料金は、自分が払うことになりますか?
建築中の電気は臨時電灯・臨時電力という別建ての契約で、施工側が申し込んで使うのが一般的です。住む人の本契約とは切り離されているので、入居後の請求に混ざることは通常ありません。気になる場合は、工事の契約内容としてハウスメーカーに確認しておくと安心だと思います。
引越しシーズンだと、新築の電気の開通は遅れますか?
遅れやすいのは申込ではなく工事の側です。公表されている標準所要日数は前提条件付きの目安で、関西電力送配電の例では変圧器の交換が必要なら約40日、電柱の新設が必要なら3〜4か月程度かかります。地権者との交渉や天候、材料の手配でも変動します。3〜4月に引渡しが集中する時期ほど、希望する電力会社は早めに伝えておくのが安全です。
電力会社を変えると停電しやすくなったり、電気の質が落ちたりしませんか?
それはありません。どの会社の電気も同じ送電網を流れており、周波数と電圧の維持は一般送配電事業者の責任です。停電時の復旧対応や停電情報の窓口も小売ではなく一般送配電事業者なので、切り替えで復旧の順番が変わることもありません。スマートメーターの交換工事がある場合だけ、1軒あたり15分程度の停電を伴うことがあります。
引越しと電力会社の切り替えは、同じ手続きですか?
別の手続きです。引越しでは旧居の使用停止と新居の使用開始という2つの申込が必要で、旧居の停止は自分で申し込みます。同じ住所での切り替えなら新しい会社が解約まで処理してくれますが、引越しではその形になりません。新居で申し込むときに使うのは新居の供給地点特定番号で、旧居のものではない点にも注意してください。
関連記事:オール電化の電力会社乗り換え手続き4段階
新築の電気契約はいつ決まるかの要点まとめ
結局、いちばん大事なところはどこだったの?
契約は引渡し前に決まってしまうこと。そして入居後でも選び直せること。この2つかなと思います。
新築の電気は「手続き不要」に見えますが、実際は工事店が代理で申し込んでいるだけです。だからこそ、早めに一言伝えるかどうかで入居時の契約が変わります。間に合わなくても、明細が出てから選び直せます。

- 契約先は引渡しの数週間前、工事店の新設申込で決まる
- 「2週間前」は3つの期限の混ざりもの。効くのは工事店への意思表示で引渡しの1〜2か月前
- 入居当日に立会いが要るのはガスだけ。エコキュートは前日までに通電
- 太陽光を載せるなら、買う契約とは別に売る契約と系統連系の申込が要る
- オール電化はメニュー・契約容量・沸き上げ時間帯の3点をセットで確認する
- 入居後の切替は新しい会社へ申し込むだけ。比較は同一月の全料金項目で行う
わが家も入居時の契約は自分で選んだものではありませんでした。冬の実測が揃うのはこれからなので、続きは実際の明細で確かめていきます。料金や制度は改定されるため、契約前には必ず各社の公式情報で最新の条件を確認し、迷うときは専門家に相談してください。
