こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。
FITの買取期間が終わったあと、売電単価はいくらになるのか。調べ始めると7円から14円まで幅のある数字が並びます。結局どれが自分の単価なのか、分からなくなりますよね。
この記事では、卒FIT後に実際に受け取れる単価の水準と、その幅がどこから来るのかを整理します。私自身は2026年8月に太陽光を導入したばかりで、卒FITはまだ約10年先です。
だからこそ営業と利害のない立場で、国の資料と各社の公式ページだけを並べ直しました。数字は2026年9月時点で確認したもので、あくまで目安として読んでください。
- 卒FIT後の売電単価は大手電力の標準で7〜9円台、通年で申し込める条件付き高値メニューで10〜14円台
- 単価を比べる前に、自動で買い取ってもらえる契約かを満了通知で確かめる必要がある
- 認定年度によって「卒FITで半減」が当てはまる世代と当てはまらない世代がある
- 単価が下がる区間ほど、売るより自家消費に回すほうが1kWhの価値は高い
卒FIT売電単価は結局いくらか
卒FIT後に受け取れる売電単価は、大手電力の標準メニューで7〜9円台、通年で申し込める条件付き高値メニューで10〜14円台です。買取メニュー全体の実勢は、2025年12月時点で平均10.0円/kWh・中央値9.5円/kWhでした。

つまり真ん中は「だいたい10円くらい」。そこから上に伸びる部分は、条件を満たした人だけが届く高さ、ということですよね。
卒FITって売電単価がガクッと下がるって聞くけど、実際いくらになるの?
それが、買取先とエリアと契約の中身で変わるみたいですよ。まず相場の形から一緒に見ていきましょう。
| 単価の水準 | どんな場面の単価か |
|---|---|
| 7〜9円台 | 大手電力の標準的な買取メニュー(2026年9月時点) |
| 10円前後 | 国が価格算定に置く卒FIT後の想定値・買取メニューの実勢の平均 |
| 10〜14円台 | 都市ガス系・買取専門事業者の条件付き高値メニュー |
単価は各社が自由に決めており、いずれも「変更する場合がある」と公式に明記されています。
平均10円、7〜14円は誰の単価でもない
よく見かける「卒FIT後は7〜14円程度」というレンジ。これは大手電力の標準単価から条件付き高値メニューまでを1本にまとめた幅です。
下限と上限のあいだに「平均的な人」がいるわけではありません。自分がどちら側に立つかは、住んでいるエリア・買取先・条件を満たせるかで決まります。
上限の14円台に届くのは、エリアが合っていて、セット契約や蓄電池の契約などの条件を満たし、しかもその適用期間の中にいる場合だけ。さらに東京ガスには、指定販売店で対象蓄電池を購入した人だけが半年間23円/kWhで買い取ってもらえるプランもありますが、これも通年で使える単価ではありません。レンジをそのまま自分の単価として読むと、収入の見立てを大きく外します。
国が価格の算定に使う卒FIT後の売電価格は10.0円/kWhです。ただしこれは制度の計算に置いた想定値で、その金額で買ってもらえる保証ではありません。
実際に受け取るのは、契約した小売電気事業者が提示する単価です。委員会の資料も「10円以上のメニューはセット販売や蓄電池併設などの条件付きが比較的多い」と注意を促しています。
さらに買取プランには、単価が固定の型と市場に連動して動く型があります。連動型は月ごとに単価が変わるので、平均値との比較だけでは判断できません。
単価を比べる前に契約を確かめる

単価を比べる前に確かめてほしいのは、満了後も自動で買い取ってもらえる契約なのかという点です。自動継続でない契約を放置すると、余った電気は無償で引き取られ、受け取る金額はゼロになります。

いくらで売れるかの前に、そもそも売れるのか。ここを飛ばすと、せっかくの単価比較が意味を失ってしまいます。
満了日と自動継続は通知で分かる
買取期間は10年間で、起算日はその設備がFITで売電を始めた日です。中古住宅を買って売電を引き継いだ場合も、起算日は変わりません。自分が売電を始めて10年たっていなくても、満了通知が届くことがあります。
満了日が近づくと、いま買い取っている事業者から個別の通知が届きます。国の整理では、満了の6か月前から4か月前が目安。会社によって時期と方法に差があります。(出典:資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」よくあるご質問)
| 買取者 | 通知の時期 | 方法 |
|---|---|---|
| 中国電力 | 満了の半年程度前 | 郵送 |
| 沖縄電力 | 満了の5か月前を目途 | 郵送 |
| 北海道電力 | 満了の4か月前を目途 | 郵送 |
| 九州電力 | 満了の約4か月前 | 郵送 |
| 東京電力パワーグリッド(本土) | 満了日の4か月前・1か月前を目途 | メール |
気をつけたいのが東京電力パワーグリッドの本土分です。通知がメールだけなので、購入実績お知らせサービスに登録していないと届きません。
手続きが要るかどうかは、いまの受給契約の相手で決まります。2017年4月1日以降に申し込んだ設備は一般送配電事業者と契約しており、自動継続の対象になりません。
小売電気事業者と契約している場合は、多くの大手電力が自動で自社の買取メニューへ移ります。ただし東北電力の「シンプル買取」は、継続する場合も申し込みが必要と明記されています。
「大手電力なら放っておいても続く」とは言い切れないわけです。どちらの契約かは満了通知の封書やメールで確認できます。ただし東京電力パワーグリッドの本土分のようにメール通知だけの会社もあるため、通知を待つより先に受給契約書やWebサービスで自分から確かめるほうが確実です。
放置すると単価はゼロ
どの小売電気事業者とも契約しないまま満了を迎えると、余剰電力は一般送配電事業者が無償で引き受けます。国はこれを一時的・例外的な受け皿と説明しており、必ず無償引取りになるわけではありません。事業者側の手続きにも一定の期間がかかるため、通知が届いたら早めに動くのが安全です。
蓄電池なしで必ず損は国が否定
満了通知が届くころから、訪問販売や電話の営業が増えると言われます。資源エネルギー庁は「どうする?ソーラー」で、卒FIT世帯に向けたセールストークを名指しで否定しています。(出典:資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」買い取り期間満了をむかえるみなさま)
| よくあるセールストーク | 国の説明 |
|---|---|
| 蓄電池を付けなければ損をする | 蓄電池を設置しなければ必ず損をするということはない |
| 当社と売電契約しなければ損をする | 買取を表明している事業者は複数あり、自家消費という選択肢もある |
| 自家消費のほうが絶対に得 | どちらが得かは個々のケースによって異なる |
| 現在の電力会社は買取終了だ | 必ずしも現在の電力会社が買取をしないとは言えない |
どれも「必ず」「絶対」で迫る言い方が否定されている点で共通します。国は蓄電池と売電のどちらが得かについても、電気料金や蓄電池の価格、買取メニューによって異なるため一概には言えないと答えています。
その場で契約してしまっても、訪問販売や電話勧誘販売にあたるなら、原則として法定の書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフができます。ただし取引の形によっては対象外もあるので、迷ったら消費者ホットライン188へ。判断を急がされたら、それ自体が立ち止まる合図かなと思います。
裏を返すと、得か損かが人によって違うからこそ、自分の単価と自分の使い方を数字で押さえる価値があります。ここから先が、その単価の中身です。
大手と新電力で年5万円変わる
買取先を選び直すかどうかで、同じ発電量でも年5万円前後の差がつきます。大手電力の標準7.00円と、条件付き高値の14.50円を比べた場合の試算です。

ただしこれは、高値メニューが1年間ずっと適用され続けた場合の上限値。適用期間が半年から1年で切られるメニューが含まれるため、毎年この差が続く前提では読めません。
試算の前提は、余剰売電量が月568kWh(年6,816kWh)で一年中続くとした掛け算です。私が受け取った提案シミュレーションの前提値であり、実測ではありません。
| 買取単価 | 想定している場面 | 年間の売電収入 |
|---|---|---|
| 7.00円/kWh | 大手電力の標準の下限(中部・四国・九州) | 47,712円 |
| 8.30円/kWh | 二段階買取の5〜10年目(FIT期間中) | 56,573円 |
| 9.00円/kWh | 大手電力の標準の上限(東北) | 61,344円 |
| 10.50円/kWh | 条件なしで申し込める都市ガス系(関東) | 71,568円 |
| 12.50円/kWh | 買取専門事業者の単体(関東・期間限定) | 85,200円 |
| 14.50円/kWh | 買取専門事業者のセット上乗せ後(関東・期間限定) | 98,832円 |
表の上下の幅は約5万円。毎月に直せば4千円ほどで、家計のなかでは小さくない金額ですよね。
大手の標準は7〜9円で横並び
2026年9月時点で確認できる大手電力の標準的な買取単価は、7.00円から9.00円の幅に収まっています。エリアが違っても、水準そのものは大きく離れていません。
| エリア | 買取単価 | 備考 |
|---|---|---|
| 北海道電力 | 8.00円/kWh | 手続き不要。買取1kWhにつき1ポイント進呈 |
| 東北電力 | 9円/kWh | 「シンプル買取」への申し込みが必要 |
| 東京電力エナジーパートナー | 8.50円/kWh | 手続き不要・以降1年ごと自動更新 |
| 中部電力ミライズ | 7円00銭/kWh | 2025年4月1日実施の単価 |
| 関西電力 | 8.00円/kWh | 2019年4月のプレスリリースで公表 |
| 中国電力 | 7.15円/kWh | 2026年度の値。年度ごとに見直しうる |
| 四国電力 | 7円00銭/kWh | 単価を見直すことがある |
| 九州電力 | 7.00円/kWh | 手続き不要・1年ごと自動継続 |
| 沖縄電力 | 7.7円/kWh | 10kW未満の値。変更時はホームページで告知 |
最安と最高の差は2.00円/kWhです。上の前提で年に直すと13,632円。エリアの違いだけでは、それほど大きな差になりません。
単価表に出てこない上乗せもあります。北海道電力は買取量に応じたポイントを付け、中国電力は年度ごとに単価を見直すとしています。表の数字だけでなく、付帯する条件まで含めて見るのが確実です。
つまり「大手か新電力か」より「条件を満たせるか」で結果が決まります。自分のエリアの最新の単価は、必ず公式サイトで確認してください。
関西の12円台は期間限定で入金も遅い
関西エリアにも12円台に届くメニューはあります。ただしセット契約と適用期間の二重の条件付きです。
| 契約の形(買取専門事業者・関西エリア) | 買取単価 |
|---|---|
| 買取サービス単体 | 10円/kWh |
| 自社の電気か蓄電池のどちらか一方を契約 | 11円/kWh |
| 自社の電気と蓄電池の両方を契約 | 12円/kWh |
この単価表には、2026年4月検針日から10月検針日までの適用と書かれています。それ以降は未定と明記。半年区切りで見直される前提の数字なんです。
大阪ガスも段階構造になっています。素の買取単価は8.5円/kWhで、広告に出る最大10.5円は上位の電気プランを契約したうえでの値。
しかも上乗せ分の1円は、買取開始から12か月経過後の最初の検針分までの期間限定です。関西電力の標準は8.00円なので、素の単価どうしの差は0.5円しかありません。
入金の間隔も会社ごとに違います。東京電力エナジーパートナーは10kW未満の支払いを2022年7月分から年2回にまとめました。東京ガスは6か月分をまとめて、6か月目の翌々月末に振り込みます。
FIT期間中の毎月の入金に慣れていると、通帳を見て「売電が止まった」と勘違いしかねません。単価と一緒に、支払いの時期も申し込み前に確かめたいところです。
12円って書いてあったら、ずっと12円で入ってくると思っちゃうよね。
私も表のいちばん大きい数字に目が行きます。適用期間と条件を先に読む癖をつけないと危ないですね。
認定年度で下がり方はこう違う
「卒FITで単価が半減する」という説明は、認定年度によって当たり外れが変わります。10年ずっと同じ単価だった世代と、5年目に段差がある世代とでは、落ち方がまったく違うからです。

| 認定の時期 | FIT期間中の単価の形 | 卒FIT後との関係 |
|---|---|---|
| 2019年度以前 | 24〜42円/kWhの一本値が10年 | 大きく下がる。3分の1〜5分の1になる世代も含む |
| 2020〜2025年度上期 | 15〜21円/kWhの一本値が10年 | 据え置けばおおむね半減前後。選び直せば下落幅は縮む |
| 2025年10月以降 | 24円(1〜4年目)/8.3円(5〜10年目) | 選び直せば後半6年を上回りうる。放置ならほぼ横ばい |
まず自分の設備がどの世代かを確かめる。そこからでないと、他人の「半減した」という話は自分の話になりませんよね。
契約書の14.58円は平均値だった
私の契約書には、売電単価が「14.58円/kWh・10年間固定買取」と1本の数字で書かれていました。これを「10年ずっと14.58円で入る」と読んだのは、私自身の読み違いでした。
2026年度のFITは、24円/kWh(1〜4年目)と8.3円/kWh(5〜10年目)の二段階です。24円×4年と8.3円×6年を足して10年で割ると、ちょうど14.58円になります。(出典:調達価格等算定委員会『令和8年度以降の調達価格等に関する意見』)
契約書の数字は、この単純平均そのものでした。値引きでも独自の試算でもなく、単価の水準としては正しい数字です。
ただし10年の合計額が一致するだけで、実際に14.58円で入金される年は1年もありません。前半に厚く、後半に薄く。受け取りの形はまったく違います。
1本の数字を10年の実感として読んでしまう。この誤解と、卒FIT後を一律の相場で語ってしまう誤解は、たぶん同じ種類のものですよね。
二段階世代はFIT中の後半6年が底
2025年10月以降に認定を受けた世代では、FIT期間中の後半6年(5〜10年目)が8.3円/kWhまで落ちます。5年目の単価は、4年目の約3分の1です。
月568kWhの前提で年額に直すと、1〜4年目が163,584円、5〜10年目が56,573円。差は107,011円になります。
年10万円規模の段差が、卒FITより前に来るわけです。卒FITだけを身構えていると、この落ち込みを見落とします。
私は2026年8月18日の連系なので、5年目は2030年です。まだ先の話ですが、家計の予定としては先に置いておくつもりでいます。
しかもこの区間で高く買う会社へ乗り換える道は、制度上ふさがれています。初期投資支援スキームの案件は、調達期間中に特定契約によらない売電ができない条件付きの認定だからです。
では卒FIT後のほうが高いのか。国の想定値10.0円だけを並べれば8.3円より上ですが、買取先を変えずに放置すれば7〜9円台にとどまり、下回るエリアもあります。
世代の話と、買取先を選び直したかどうかの話は別物です。ここを混ぜると「後半6年がいちばん安い区間だ」と決めつけることになってしまいます。
旧単価の世代は卒FITで半減
一本値の単価だった世代は、従来どおり卒FITで大きく下がります。2012年度の42円で始めた設備なら、大手電力の標準7〜9円台は5分の1前後です。
| 年度 | 住宅用(10kW未満)の単価 |
|---|---|
| 2012年度 | 42円/kWh |
| 2015年度 | 33円(出力制御対応義務なし)/35円(義務あり) |
| 2019年度 | 24円/26円 |
| 2020年度 | 21円/kWh |
| 2022年度 | 17円/kWh |
| 2024年度 | 16円/kWh |
| 2025年度上期 | 15円/kWh |
2015年度から2019年度は、出力制御に対応する機器を付ける義務の有無で単価が分かれていました。自分の設備がどちらだったかは、受給契約の書類で確認できます。
この世代の下がり幅は、買取先を選び直しても完全には埋まりません。それでも大手の標準に据え置くのと高値メニューへ移るのとでは、年に数万円の違いが残ります。
なお、卒FITを機に設備を新しくしても、同じ場所でもう一度FITの支援を受けることはできません。国は最初の10年のあと、少なくとも10年は自家消費や自由契約での売電が続く前提で制度を組んでいます。
2015〜2019年度の単価は設備の条件で二通りあるため、他人の「私は◯円だった」をそのまま自分に当てはめないでください。
単価が下がるほど自家消費が効く

卒FIT後の多くの世帯に共通するのは、自家消費1kWhの価値が売電単価を上回りやすいという構造です。売電が8円や10円のとき、従量電灯で買っている電気なら28〜40円台の価値を持ちます。ただし時間帯別プランの夜間単価は15円前後まで下がるので、FIT期間中の24円と比べれば売るほうが有利な場面もあります。

単価が落ちる区間ほど、売るより使うほうが1kWhあたりの得は大きくなります。卒FITは「収入が減る」話であると同時に、「使い方の比重が変わる」合図なんですよね。
自家消費1kWhは28〜40円の価値
自家消費の価値は、買わずに済んだ電気代そのものです。従量電灯の電力量料金は、東京電力エナジーパートナーで第1段階29.80円・第3段階40.49円(2026年時点の例)。
ここに再生可能エネルギー発電促進賦課金4.18円/kWhが乗ります。2026年5月分から2027年4月分に適用される単価で、自家消費した分にはかかりません。(出典:経済産業省「2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」)
第3段階まで使う世帯なら、40.49円と4.18円を足した44.67円が「1kWh減らしたときに浮く金額」の目安になります(燃料費調整を除く)。売電の何倍もの重みがあると分かります。
わが家は関西電力のはぴeタイムRです。デイタイムの夏季単価が29.59円、ナイトタイムが16.00円(2026年11月1日改定後)。同じ1kWhでも、いつ使うかで価値が倍近く変わります。
稼働初月の実測でも、その差は数字に出ました。2026年8月18日の連系から月末まで(18日は午後のみ)の月計で、発電505.4kWh・売電315.3kWh・買電86.8kWh・自家消費190.1kWhです。
モニタのめやす値では、売電が7,471円、買わずに済んだ自家消費分が4,922円でした。売電の6割を超える金額が、通帳ではなく請求書の側で効いていることになります。
実感としても変わりました。電気代が気になって控えていた衣類乾燥機を、晴れた日の昼なら気軽に回せる。厳密には売れたはずの電気を手放しているので0円ではありませんが、夏のデイタイム29.59円を減らせるぶん、いまの売電24円より使うほうが得な計算です。エアコン2台と乾燥機を動かしても、まだ売電が出ています。
ただしこれは8月の、しかも晴天が多かった連系後の約2週間の数字です。年間の収支を語れる段階ではありません。月次の実測が貯まるたびに更新していきます。
売電額だけで損得を見ると評価を誤ります。売電額と、自家消費で減った電気代の合算で見てください。
預けるサービスは実質23〜46円
売らずに預けて後日の使用量から差し引くサービスもあります。月額料金を返してもらえた量で割ると、上限まで使い切れるかどうかで23円にも46円にもなるのが特徴です。
| 事業者・サービス | 月額 | 月の返却上限 | 上限まで使ったとき | 上限の半分のとき |
|---|---|---|---|---|
| 東北電力 でんきお預かりサービス | 6,980円 | 300kWh | 約23.3円/kWh | 約46.5円/kWh |
| 沖縄電力 お預かりEeサービス | 5,000円 | 300kWh | 約16.7円/kWh | 約33.3円/kWh |
ここに、売電をあきらめている分の機会費用が乗ります。東北電力なら同社の買取9.00円、沖縄電力なら7.7円(10kW未満)を捨てる形です。
機会費用まで含めた実質単価は、東北で約32.3円、沖縄で約24.4円。数字が動く幅がかなり大きいと分かります。
判断軸はひとつだけです。毎月、上限いっぱいまで差し引ける買電があるかどうか。上限に届かない家庭ほど、実質単価は跳ね上がります。
比べる相手は、自分の契約プランの買電単価です。時間帯別プランの昼間単価と比べれば見どころがありますが、夜間単価と比べると割高になりうる点に注意してください。
四国電力には預かり上限が月150kWhまでのサービスもあります。上限を超えた分は、買取プランの7円ではなく8円で買い取る割増が付く仕組みです。
どの選び方が合うかは、家族の在宅時間や設備によって変わります。加入条件は各社の公式サイトで確認し、金額の大きい判断は専門家にも相談してください。
卒FIT売電単価のよくある質問
契約書をなくしてしまい、卒FITがいつからか分かりません。
確認の順番は3つあります。まず電力受給契約書や案内書、検針票で買取開始時期を見ます。東京電力パワーグリッドの場合は「購入実績お知らせサービス」の購入電力量のお知らせ画面に、買取期間満了日が表示されます。書類が見当たらなくても、発電を始めたおおよその時期(新築なら住み始めた時期)から10年後として見当がつきます。満了前には買取事業者から個別の通知も届きますが、東京電力パワーグリッドの本土分のようにメールだけで届く会社もあり、サービス未登録だと受け取れません。通知だけを待たずに、書類やWebサービスでも確かめておくと安心ですよ。
卒FIT後は売電収入の確定申告が必要になりますか。
多くの住宅用では、単価が下がる分だけ申告のラインからはむしろ遠ざかります。給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象になっている人の場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。判定は収入ではなく必要経費を引いた後の所得で、給与が2か所以上ある人などは別の判定になります。余剰が年6,816kWhなら、卒FIT後に想定しうる高い水準の14.50円/kWhでも収入は年98,832円で、経費を引く前から20万円に届きません。なお医療費控除などで確定申告をするときは、20万円以下の売電所得も申告に含めます。住民税の申告は20万円以下でも必要になるため、お住まいの自治体の案内で確認してください。
卒FIT後に蓄電池を後付けするとき、届出は必要ですか。
買取期間が終わったあとの設置なら、変更認定ではなく事前の変更届出で足ります。2019年8月2日の法令改正で、買取期間終了後から廃止届出が受理されるまでの間はこの扱いになりました。あわせて系統側の手続きも要ります。東北電力はパネルやパワーコンディショナの増設・取替えで受給最大電力が変わる場合、または蓄電池を併設する場合、受給開始希望日の30日前までに系統連系の申し込みをするよう案内しています。工事が必要だと希望日に添えないこともあるため、早めの相談が安全です。
買取先を切り替えると、停電しやすくなったりしませんか。
電気の品質は会社によって変わりません。どの会社の電気も同じ送電網を流れ、周波数や電圧の維持は一般送配電事業者の責任だからです。停電の復旧対応も一般送配電事業者が行うので、切り替えで順番や速度が変わることもありません。むしろ確認したいのは解約金です。縛りは料金プラン本体ではなく割引特約の側に付いていることが多く、プラン名だけでは判断できません。解約手数料の金額・更新月の位置・引っ越しが免除事由になるかを、申し込み前に見ておいてください。
卒FITを機にパネルを新しくすれば、もう一度FITを受けられますか。
受けられません。一度FITで支援を受けた場合、同じ場所で設備を更新しても再度の支援は認められないと国が明記しています。制度としては、最初の10年は固定価格での買取、その後の少なくとも10年は自家消費や自由契約での売電が続くという設計です。パネルは一般に20〜30年またはそれ以上発電し続けられる前提が置かれています。卒FIT後は「新しい支援を探す」より、買取先の選び直しと自家消費の増やし方で考えるほうが現実的かなと思います。
売電単価が下がったあとの自家消費の効き方を身近な家電で確かめるなら、衣類乾燥機1回あたりの昼夜の差額を売電単価別に計算した記事が参考になります。
関連記事:衣類乾燥機は昼と夜どちらで回すと得か
まとめ:卒FIT売電単価は契約と世代で決まる
単価はいくら?って聞いたのに、契約の話から始まったのが意外だったなあ。
私も調べてみて順番が逆だと気づきました。受け取れる形になっているかが先で、いくらかは後なんですよね。
卒FIT後の売電単価は、7〜14円というレンジのどこに自分が立つかで決まります。エリア・買取先・条件、そして認定年度。まずは自分の書類で確かめるところからです。

- 大手電力の標準は2026年9月時点で7.00〜9.00円/kWh。エリア差は年1万円強にとどまる
- 条件付き高値メニューは10〜14円台に届くが、セット契約と半年〜1年の適用期間がセット
- 2017年4月1日以降に申し込んだ設備は自動継続の対象外。放置すると無償引取りで単価はゼロ
- 2025年10月以降の認定は5〜10年目が8.3円。年10万円規模の段差が卒FITより前に来る
- 2019年度以前の一本値の世代は、従来どおり卒FITで大きく下がる
- 自家消費1kWhは従量電灯なら28〜40円台の価値。時間帯別プランの夜間は下がるが、単価が下がる区間ほど売るより使うほうが効く
本文の単価は2026年9月時点で国の資料と各社の公式ページから確認した目安で、いずれも変更されることがあります。最新の条件は必ず公式サイトで確認し、金額の大きい判断は専門家にもご相談ください。
私自身の卒FITは約10年先で、ここに書いた卒FIT後の金額はすべて推計です。5年目の段差も含めて、これから実測で確かめていきます。
