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オール電化の深夜電力は何時から?時間帯の使い方を実例で解説

2026年8月2日

オール電化の深夜電力の安い時間帯が旧プランの23時から7時から現行プランの1時から6時に変わったことを示す比較画像

こんにちは。エネすけ運営者の「りょう」です。

オール電化の深夜電力は何時から安いのか。エコキュートや洗濯機をその時間に回したほうがいいのは分かっていても、自分の契約が何時から何時までなのかは意外とはっきりしないですよね。私も2026年4月に新築の一軒家へ引っ越してオール電化の生活が始まり、まずそこから調べ直しました。

調べて分かったのは、安い時間帯は電力会社ではなく契約プランで決まり、旧プランと現行プランでは開始が2時間ずれて長さも3時間違うということでした。この記事では、自分の契約を検針票とマイページで確かめる手順から、給湯・洗濯・食洗機をどの順番で深夜に寄せるか、そして深夜電力のメリットが薄れたと言われる今も得なのかまでをまとめました。

  • オール電化で安い時間帯は現行プランが1時〜6時、旧プランが23時〜7時と大きくずれること
  • 検針票と電力会社のマイページで自分の契約プランと時間帯を確かめる手順
  • 深夜に寄せる優先順位は給湯が別格で、洗濯や食洗機とは効果の桁が違うこと
  • 割引終了や基本料金の値上げがあっても、1kWhあたりの単価差は今も残っていること

オール電化の深夜電力は何時から何時まで

オール電化で電気が安い時間帯は、電力会社ではなく契約している料金プランで決まります。現行プランの代表例は午前1時〜午前6時の5時間、昔から使われている旧プランは23時〜翌朝7時の8時間です。まずは自分の契約を確かめるのが先決になります。

オール電化の現行プランは午前1時から午前6時の5時間、旧プランは午後11時から翌午前7時の8時間が安い時間帯であることを示す比較図
エネすけ
エネすけ

深夜電力って、どこの家でも同じ時間帯じゃないの?夜になったら安くなるものだと思ってた。

私も同じ思い込みをしていました。調べてみたら、プランによって開始時刻が2時間、安い時間の長さが3時間も違うことがあるみたいですよ。一緒に見ていきましょう。

りょう
りょう

時間帯別の料金プランは、1日を2つから4つの時間帯に分け、時間帯ごとに1kWhあたりの単価を変える仕組みです。夜間を最も安く、平日の昼間を最も高くするのが従来型で、会社によって季節や曜日の区分が加わります。

従量電灯のように時間帯区分のないプランでは、深夜に家電を回しても単価は下がりません。時間帯をずらす工夫が効くのは、時間帯別プランを契約している場合だけです。

では、自分の契約はどこで確かめて、確かめたあとは何から手を付ければいいのか。まずは現行プランと旧プランで時間帯がどれだけずれているのかを見て、そのうえで寄せる順番を整理していきますね。

現行は1時〜6時、旧プランは23時〜7時

同じ電力会社でも、契約しているプランで境界の時刻は変わります。東京電力エナジーパートナーを例にすると、現行のスマートライフS/Lは午前1時〜午前6時、旧プランの電化上手は23時〜翌7時です。

この2時間のずれが、そのまま請求額に効いてきます。旧プランの感覚のまま23時に沸き上げを始めると、現行プランでは最も高い単価の時間帯でお湯を沸かしていることになるからです。

プラン安い時間帯安い時間帯の単価高い時間帯の単価
スマートライフS/L(現行)午前1時〜午前6時27.86円/kWh午前6時〜翌午前1時 35.76円/kWh
電化上手(新規受付終了)23時〜翌7時28.85円/kWh朝晩35.87円、昼間 夏季43.93円/その他季40.44円
おトクなナイト8(同)23時〜翌7時28.85円/kWh昼間31.80円/39.10円/43.62円の3段階
おトクなナイト10(同)22時〜翌8時28.99円/kWh昼間33.78円/41.76円/46.71円の3段階
深夜電力A・B(同)23時〜翌7時の8時間のみ通電28.85円/kWh給湯機などの専用契約

表の単価は2026年7月時点で公表されているもので、毎月変わる燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含みません。数字そのものより、旧プランは夜間が8時間、現行プランは5時間しかないという長さの違いに目を向けてください。

「深夜電力は23時から」は旧プランの記憶です。現行のスマートライフS/Lで23時に運転を始めると、午前1時までは35.76円/kWhの高い時間帯にあたります。

旧プランは新規の受付が終わっていますが、いま契約している人はそのまま使い続けられます。ただし転居すると新規契約の扱いになって使えなくなるので、引っ越しのタイミングだけは注意が要りますね。

まず契約確認、次に給湯から寄せる

やる順番は決まっています。契約プランの時間帯を確認してから、消費電力量の大きい機器の順に寄せる。この順番を守るだけで、費用をかけずに効果が出ます。

  • 契約している料金プラン名と、安い時間帯の開始・終了時刻を確認する
  • エコキュートの沸き上げが、その時間帯に収まっているかを確かめる
  • 洗濯乾燥機と食器洗い乾燥機のタイマーを、時間帯の終わりから逆算して組み直す
  • それでも昼間の使用量が減らないなら、料金プランそのものの変更を検討する

1番目と2番目を飛ばして家電のタイマーだけいじっても、効果はほとんど出ません。給湯は家庭で使う電気のなかでも群を抜いて量が大きく、洗濯乾燥や食洗機を毎日回しても月あたりでは給湯の5〜6分の1にしかならないからです。

給湯が月あたりで数える負荷なのに対して、洗濯乾燥や食洗機は1回あたりが1kWhに届きません。だから寄せる順番は、実際の数値を並べる前から決まっています。機器ごとの数値と金額は、あとの章で見ていきますね。

順番さえ間違えなければ、契約プランの確認も沸き上げ時刻の見直しも、お金をかけずにできます。ここが個人的にいちばん伝えたいところかなと思います。

電気代が安い時間帯は検針票とマイページで確認

自分の契約プランは、検針票の契約種別欄か、電力会社の会員サイトで確認できます。プラン名さえ分かれば、あとは公式ページで時間帯の境界を調べるだけです。

  • 検針票か会員サイトで、契約中の料金プラン名を特定する
  • 電力会社の公式ページで、そのプランの時間帯区分と境界の時刻を調べる
  • スマートメーターの30分値グラフで、実際にどの時間帯へ電気が寄っているかを見る

紙の「電気ご使用量のお知らせ」には契約種別・料金プラン名の欄があり、「時間帯別電灯」「季節別時間帯別電灯」「◯◯プラン」といった表記になっています。ここに書かれているのが正式なプラン名です。

ただ、その紙の検針票は有料化・廃止が進んでいます。東京電力エナジーパートナーは書面の検針票が月110円、中国電力の電化Styleコースは各55円、四国電力は月110円、沖縄電力のEeスマートは月220円といった具合です。

手元に紙がない、という人のほうがこれからは多いかもしれません。その場合は各社の会員サイトやアプリから確認するのが早いです。

電力会社会員サイト名
東京電力エナジーパートナーくらしTEPCO web
関西電力はぴeみる電
中部電力ミライズカテエネ
北海道電力ほくでんエネモール
東北電力よりそうeねっと
北陸電力ほくリンク
中国電力ぐっとずっと。クラブ
四国電力よんでんコンシェルジュ
九州電力キレイライフプラス
沖縄電力おきでんmore-E

東京電力エナジーパートナーなら、くらしTEPCO webにログインして、画面上部のグラフ左上にある「現在表示中のプラン」で確認できます。複数の契約がある家は、プラン名をクリックして切り替えます。

プラン名が分かったら、その会社の公式ページで時間帯の中身を見ます。ここで見るべき項目は、開始時刻と終了時刻だけではありません。

確認する項目見落としやすい点
安い時間帯の開始・終了時刻午前1時〜午前6時、23時〜翌7時、20時〜翌8時などプランごとに幅がある
季節区分の有無夏季・冬季・その他季で単価や時間帯が変わるプランがある
休日の扱い土日祝が終日安いプラン、休日の昼間だけ安いプランがある
中間の時間帯があるか最安と最高の間に@ホームタイムやリビングタイムがあり、「安い/高い」の2択ではない
基本料金の決まり方実量契約は30分ごとの最大需要電力で決まり、深夜の同時運転が響く

特に見落としやすいのが、下から2番目の中間の時間帯です。中部電力ミライズのスマートライフプランには最安と最高の間に@ホームタイム28.61円/kWhがあり、関西電力にはリビングタイム23.52円/kWh(2026年11月1日改定後)があります。

つまり「安い時間か、高い時間か」の二択で考えていると、真ん中の時間帯を丸ごと見落とします。最安の時間に間に合わなくても、中くらいの単価の時間へ寄せるだけで十分に効く場面はありますよ。

プラン名が似ていても中身は別物です。東京電力の「スマートライフS/L」と「スマートライフプラン」、関西電力の「はぴeタイム」と「はぴeタイムR」は、それぞれ別のプランとして扱われます。

関西・4人家族のわが家の30分値を読む

わが家は関西在住の4人家族で、2026年4月に新築の一軒家へ引っ越しました。オール電化でパナソニックのエコキュートとIHクッキングヒーターを使っていて、断熱等性能等級は5の住宅です。

新居に移って最初にやったのは、旧居から続けてきた電気代の記録を切らさないことでした。2024年7月からの明細を毎月転記していて、手元には24か月分がたまっています。

そこに新しく足したのが、30分ごとの使用量のグラフです。月々の請求額をいくら眺めても、どの時間帯に電気を使っているかまでは分からないんですよね。

スマートメーターは30分ごとの使用電力量を計測していて、会員サイトでグラフとして見られます。私がそこで見ているのは3つだけです。どれも「沸き上げが安い時間帯から外れていないか」という同じひとつの問いに答えてくれる項目なので、この3つに絞っています。

  • 安い時間帯に何kWh使えていて、高い時間帯に何kWh使っているか
  • エコキュートの沸き上げが実際に何時に始まり、何時に終わっているか
  • 昼間の沸き増し(追加の沸き上げ)が起きていないか

沸き上げは深夜帯に消費が跳ね上がる山として現れるので、グラフを見れば「思っていた時間に沸いているか」の答え合わせができます。機器の設定を信じるのではなく、実際の山の位置を見るのが確実です。

見るときは、安い時間帯の合計だけでなく高い時間帯の使用量も必ず並べます。夜に寄せられた量が増えても、昼の山がそのまま残っていれば請求は下がらないからです。

昼間にぽつんと山が立っていたら、沸き増しを疑うサインです。30分値は家全体の合計なのでエアコンや調理の山と紛れますが、深夜の山が低いのに昼へ山が移っているなら、湯量の設定か給湯機側の電力契約モードのどちらかがずれていると見ています。

月ごとの記録のほうからも、見えてきたことがあります。私が毎月の明細から転記しているのは、次のような数字です。

期間使用量電気代
2025年(暦年の合計)5,559kWh190,766円(月平均 約15,900円)
2025年1月(いちばん重い月)704kWh25,454円
2025年6月(いちばん軽い月)296kWh9,668円
2026年5月(新居1か月目)415kWh12,891円
2026年6月(新居2か月目)385kWh12,398円

同じ年でも、月の重さはまるで違います。冬のいちばん重い月は、軽い月に対して電気代でおよそ2.6倍、使用量でもおよそ2.4倍。使用量そのものが跳ね上がる季節なので、沸き上げが安い時間帯から外れたときの痛手もいちばん大きくなります。

ただしこの期間の大半は、引っ越し前の賃貸アパートでプロパンガス併用の暮らしです。オール電化になったのは2026年5月の検針分からなので、新居の実測はまだ2か月分しかありません。

旧居ではこれとは別にプロパンガス代がかかっていて、2025年は年134,234円。電気と合わせた光熱費は年32万円台、月平均でおよそ27,000円でした。その頃はお風呂も台所もガスだったので、給湯は時間帯を気にする対象にそもそも入っていません。給湯が電気に移って初めて、何時に沸かすかが家計の変数になったわけです。

新居の2か月は、給湯がガスから電気へ移った分が乗っても表のとおりの水準に収まっています。沸き上げが深夜帯に寄っているからだろうと見ていますが、ここはまだ推測の域です。

まだ答えが出ていないこと

家も断熱も給湯の熱源も同時に変わったので、深夜へ寄せた効果だけを取り出して「これだけ効いた」とは言えません。新居の実測は2か月分で、冬もまだ越していない段階です。ここから先は、ひと冬分のグラフが出てからの答え合わせかなと思っています。

もうひとつ実感していることがあります。旧居が賃貸だったころは、料金プランの見直し自体ができませんでした。持ち家になって初めて、プラン変更も時間帯シフトも自分で選べるようになったんですよね。

だからこそ最初にやるのは、自分の契約の確認だと思っています。ここが分からないままタイマーを組むのは、地図を見ずに歩き出すようなものかなと思います。

関連記事:30分値で昼型か夜型かを判定する手順

電力会社別の夜間単価は2倍差、開始時刻も選べる

夜間の単価は会社によって大きく違います。最も安い九州電力の14.59円/kWhから、最も高い沖縄電力の34.77円/kWhまで20円以上の開きがあります。同じ「深夜に寄せる」という行動でも、1kWhあたりの得は住んでいる地域で変わります。

電力会社別の夜間単価を比較した棒グラフで、最も安い九州電力14.59円から最も高い沖縄電力34.77円まで2倍以上の開きがあることを示す図

以下は2026年7月時点で各社が公式に公表している税込単価(関西電力のみ2026年11月1日改定後の単価)で、燃料費調整額と再エネ賦課金は含みません。いま新規に加入できる主なオール電化向けプランを並べます。

電力会社・プラン安い時間帯安い時間帯の単価高い時間帯の単価
北海道電力 エネとくスマートプラン22時〜翌8時と日曜・祝日終日29.44円/kWh日中(8時〜22時)38.22円/kWh
東北電力 よりそう+シーズン&タイム22時〜8時27.95円/kWhピーク48.29〜52.21円/kWh
東京電力 スマートライフS/L午前1時〜午前6時27.86円/kWh午前6時〜翌午前1時 35.76円/kWh
中部電力ミライズ スマートライフプラン22時〜翌8時16.52円/kWhデイタイム(10時〜17時)38.80円/kWh
北陸電力 くつろぎナイト1220時〜翌8時26.98円/kWh昼間(8時〜20時)39.87円/kWh
関西電力 はぴeタイムR23時〜翌7時16.00円/kWhデイタイム 夏季29.59円/その他季26.96円
中国電力 電化Styleコース平日0時〜9時・21時〜24時と土日祝終日30.35円/kWhデイタイム 夏季46.46円/その他季44.40円
四国電力 でんかeプラン平日23時〜翌9時と休日終日33.98円/kWh平日昼間(9時〜23時)42.97円/kWh
九州電力 電化でナイト・セレクト21時〜7時/22時〜8時/23時〜9時から選択14.59円/kWh平日昼間 夏冬27.63円/春秋24.74円
沖縄電力 Eeスマート23時〜翌7時34.77円/kWh昼間(7時〜23時)45.32円/kWh

単価の絶対値より大事なのは、実は昼と夜の差のほうです。1kWhを昼から深夜へ動かしたときに浮くのは、この差額そのものだからです。

電力会社・プラン高い時間帯安い時間帯差額
北海道電力 eタイム3プラス(旧)51.02円26.74円24.28円/kWh
東北電力 よりそう+シーズン&タイム52.21円27.95円24.26円/kWh
中部電力ミライズ スマートライフプラン38.80円16.52円22.28円/kWh
中国電力 電化Styleコース46.46円30.35円16.11円/kWh
関西電力 はぴeタイムR29.59円16.00円13.59円/kWh
九州電力 電化でナイト・セレクト27.63円14.59円13.04円/kWh
沖縄電力 Eeスマート45.32円34.77円10.55円/kWh
四国電力 でんかeプラン42.97円33.98円8.99円/kWh
東京電力 スマートライフS/L35.76円27.86円7.90円/kWh

差が20円/kWhを超える北海道電力・東北電力・中部電力ミライズでは、家電の時間をずらす手間が金額としてはっきり返ってきます。一方で東京電力のスマートライフS/Lは7.90円/kWhで、しかも安い時間が5時間しかありません。

同じ手間をかけても、返ってくる金額が3倍近く違うということです。自分の地域がどちら寄りかを知っておくと、どこまで頑張るかの線引きがしやすくなりますよ。

表の単価に燃料費調整額と再エネ賦課金が加わるので、実際の請求は表どおりの金額にはなりません。ただし、これらは全時間帯に共通で掛かるため、時間帯どうしの単価差は表のまま残ります。

開始時刻を選べるプランも出てきました。九州電力の電化でナイト・セレクトは夜間の開始を21時/22時/23時の3つから選べますし、中部電力ミライズのスマートライフプランも標準の22時〜翌8時に加えて、23時〜翌9時の朝とくと21時〜翌7時の夜とくが選べます。

就寝が遅い家は開始の早いほう、朝に家事をまとめる家は終わりの遅いほう。生活のリズムに時間帯のほうを合わせられるのは、以前のオール電化プランにはなかった選び方です。

もうひとつ、表の単価は固定ではありません。四国電力のでんかeプランは2026年4月1日に見直され、5月分の料金から平日昼間が42.97円/kWh、夜間・休日が33.98円/kWhになりました。それ以前は平日昼間44.47円、夜間・休日33.78円です。

昼が下がって夜がわずかに上がり、昼夜の差はむしろ縮んでいます。深夜へ寄せて浮く金額は、契約したときのまま固定ではないんですよね。年に一度は自分のプランの単価表を見ておくと安心です。そして単価表の外にも、契約の前に見ておきたい欄があります。

単価表の外で見る欄中身と例
季節区分の有無関西・中国・九州・東北・北陸は、夏季・冬季・その他季で単価や時間帯が切り替わる
「休日」に含まれる日土日祝のほか、1月2日・1月3日・4月30日・5月1日・5月2日・12月30日・12月31日を含める例がある(どの日を含めるかは会社ごとに違う)
割引の有無四国電力はIH割5%+エコキュート割5%の「でんか割」で10%、沖縄電力Eeスマートは全電化割引10%(1契約につき上限3,300円/月)
加入条件「1kVA以上の夜間蓄熱式機器またはオフピーク蓄熱式電気温水器を使っていること」「ヒートポンプ式給湯機を使っていること」などを条件にする会社が多い
  • 北陸電力 くつろぎナイト12…原則としてエコキュートなどのヒートポンプ式給湯器を使っている人が対象
  • 中国電力 電化Styleコース…電気給湯機等を使い、昼の時間帯以外へ電気の使用を移せる人が対象

つまり、単価の安さだけで選べるわけではないということですね。時間帯・季節区分・割引・加入条件をひと組で見るのが確実なので、細かい条件は各社の公式サイトでご確認ください。

関連記事:燃料費調整額とは?電力会社を比べるときの見方

関連記事:オール電化の電力会社乗り換え手続き|申込から初回明細まで4段階

深夜に回す家電は給湯が別格、月2800円差

自宅の屋外に設置されたエコキュートの貯湯タンクとヒートポンプユニット一式
筆者宅に設置されたエコキュート一式(貯湯タンク+ヒートポンプユニット)

深夜に寄せる優先順位は、1回あたりの消費電力量が大きい順に決まります。給湯だけは別格で、エコキュートは4人家族のモデルで月およそ140kWh。昼夜差が20円/kWhある環境なら、これだけで月2,800円ぶんが動きます。

エコキュートの給湯を深夜に寄せると月2800円の差が出る一方、洗濯乾燥や食洗機は数百円にとどまることを比較した図

この月2,800円は、東北電力や中部電力ミライズのように昼夜差が20円/kWh前後ある環境を仮に置いた計算です。差が8円/kWhしかないプランなら月1,120円になりますし、地域と契約プランしだいで金額は変わります。

エネすけ
エネすけ

洗濯機を夜に回すのが節約って聞いたことあるけど、それより給湯なの?

私も洗濯からだと思っていたんですけど、使う量を並べてみたら比べものにならなかったんですよ。

りょう
りょう
機器1回・1日あたりの消費電力量運転時間の目安前提
エコキュート(給湯)約140kWh/月沸き上げは数時間4人家族モデル・給湯負荷18GJ/年の月平均
電気温水器(従来型)約460kWh/月―同じ条件での比較値。エコキュートの約3倍
ドラム式洗濯乾燥機(標準乾燥)890Wh約98分洗濯12kg・乾燥6kgクラスの定格洗濯乾燥時
ドラム式洗濯乾燥機(省エネ乾燥)620Wh約165分同上
ドラム式洗濯乾燥機(洗濯のみ)68Wh約32分同上の定格洗濯時
食器洗い乾燥機(標準コース)約770Wh約88分(50Hz)/約85分(60Hz)卓上大容量タイプ・標準食器点数時

洗濯乾燥1回を昼から深夜へ動かすと、昼夜差20円/kWhで約17.8円、8円/kWhなら約7.1円。食洗機1回なら約15.4円と約6.2円です。

毎日きっちり動かしても、月にすると数百円という規模です。無駄ではありませんが、給湯に比べれば5分の1前後の効き目です。だからこそ、手を付ける順番を間違えないことが大事なんですよね。

寄せる優先順位は「給湯(昼の沸き増しを起こさない)>EV充電(ある家庭)>乾燥>加熱調理」。小さい負荷をいくら動かしても、給湯がずれていれば取り返せません。

電気自動車がある家では、充電が給湯に次ぐ大物になります。1回あたり20〜50kWh規模なので、帰宅してすぐ充電を始めるのをやめて、タイマーで安い時間帯に開始するだけでも効果が出ます。

私自身の手の付け方も、この順番でいくと決めています。お金のかからない設定の見直しから入り、機器の買い替えは30分値のグラフが出そろうまで判断しない。新居の実測がまだ2か月分しかない段階で数十万円の投資を先に決めるのは、順番が逆かなと思うんですよね。

エコキュートは5時間で沸き切るか

ここに落とし穴があります。370L・460Lクラスのタンクを満タンにするには、おおむね7〜8時間かかります。安い時間帯が5時間しかないプランでは、冬場に沸き切らない可能性があるということです。

冬に時間が延びるのは、外気温が下がるとヒートポンプの効率が落ちるためです。370Lクラスの一般地向け機種の公式仕様では、ヒートポンプユニットの消費電力が中間期0.96kW、冬期高温1.5kWとされています(加熱能力はいずれも4.5kW)。(出典:パナソニック エコキュート HE-JU37NQS 仕様)

同じ湯量を沸かすのに、冬は電気も時間も余計にかかる。だから夏のあいだは問題がなくても、冬になって初めて湯切れが起きる家が出てくるわけです。

タンク容量が家族の人数に対して小さいと、この問題はさらに厳しくなります。日本冷凍空調工業会の資料をもとにした目安は次のとおりです。

人数の目安タンク容量
2〜4人家族300Lクラス
3〜5人家族370Lクラス
4〜7人家族460Lクラス
5〜8人家族550Lクラス

湯切れすると、単価がいちばん高い昼間に沸き増しが走ります。最も高い単価で、最も大きな電力量を使うという、いちばん避けたい組み合わせです。

対策としては、湯量設定を「おまかせ」や「たっぷり」に上げておくこと、来客や入浴人数が増える日は前夜のうちに沸き増しを済ませておくことが挙げられます。ダイキンの機種にある「沸き上げ一時休止」のように、昼間の沸き上げを止めて夜間まで沸かさない機能を持つ機種もあります。

料金プランを変えたのに、給湯機側の「電力契約モード」を変えていない例が少なくありません。ここがずれていると、安い時間帯を外して沸き上げてしまいます。

なお、メーカーが公式に勧めているのは出荷時の設定のまま使うことです。製品は最も効率のよい設定で出荷されているので、湯量が足りないときだけ沸き足しを使い、長期の不在時は休止設定にするのが基本になります。

それでも湯切れと昼の沸き増しが常態化するなら、容量や機種の見直しの出番です。交換はおおむね30〜60万円のレンジで、国の給湯省エネ2026事業ではヒートポンプ給湯機1台あたり70,000円、性能加算が付けば30,000円が上乗せされます。(出典:経済産業省 給湯省エネ2026事業)

ただし補助金には条件と期限があります。着工日は2025年11月28日以降が対象、交付申請の期間は2026年3月31日から12月31日までで、予算上限に達した時点で終了します。事業に登録した事業者からの購入・施工が条件なので、契約の前に最新の要件を公式サイトでご確認ください。

洗濯と食洗機のタイマーは逆算、同時運転は避ける

タイマーは安い時間帯の「終わり」から運転時間を逆算して組みます。開始時刻だけ合わせると、運転が終わる頃には高い時間帯に入っていた、ということが起こります。

たとえば安い時間帯が午前1時〜午前6時で、標準乾燥の運転時間が約98分なら、遅くとも午前4時20分までに開始する設定にします。省エネ乾燥モードは約165分かかるので、午前4時に始めると終了は午前6時45分です。

省エネモードのほうが消費電力量は少なくても、はみ出した分は高い単価で計算されるので、節電の効果はその分だけ目減りします。ただし標準乾燥へ切り替えたほうが安くなるとは限りません。東京電力のスマートライフS/Lの単価なら、省エネ乾燥の165分がまるごと高い時間帯に入っても0.62kWh×35.76円で約22.2円。標準乾燥を全部夜間で回した約24.8円より、まだ安いんですよね。昼が夜のおおむね1.4倍を超える単価差でないと逆転しないので、コースを変える前にご自身の単価で計算してみてください。

洗濯だけなら1回68Wh、乾燥まで回すと890Whで、13倍の差があります。時間帯を気にする価値があるのは乾燥まで回すときで、洗濯だけの日はそこまで神経質にならなくて大丈夫です。

食洗機は標準コース1回で約770Wh、運転時間は約88分(50Hz)/約85分(60Hz)。夕食後にセットして深夜に自動運転させる予約機能が一般的なので、こちらは組み込みやすいと思います。

実量契約のプランでは、30分ごとの使用電力量の最大値で契約電力が決まり、その値は直近12か月の最大値が採用されます。深夜にエコキュート・洗濯乾燥機・食洗機・EV充電を同時に走らせると、その30分で1年間の基本料金が決まってしまいます。

対策は単純で、運転の開始時刻を30分から1時間ずつずらして並べることです。せっかく深夜に寄せたのに基本料金が上がっては本末転倒なので、ここは意識しておきたいところですね。

もうひとつ、夜間の運転音も見落とせません。ドラム式洗濯乾燥機の公称値は洗濯時32dB・脱水時41dB・乾燥時46dBで、集合住宅や木造住宅では深夜の脱水音や排水音が階下や隣室に響きます。

一般的なマナーとして語られるのは22時まで、遅くとも23時までという線です。安い時間帯が午前1時〜午前6時のプランでは、この目安と完全に食い違ってしまいます。

折衷案としては、深夜帯に回すのは運転音の小さいエコキュートの沸き上げやEV充電に限り、洗濯乾燥は朝方に終わるよう寄せる形になります。エコキュートの室外機も、寝室や隣家の窓に近いと苦情の原因になることがあるので、設置位置は気にしておきたいです。

タイマー機能のない家電には、コンセントとの間に挟むスマートプラグという手もあります。数千円のレンジで買えて、消費電力を計測できる製品もあります。ただしモーターやヒーターを内蔵する機器、冷蔵庫のように通電を切ってはいけない機器には使えないので、製品ごとの注意事項を必ず確認してください。

昼間に電気を使わない生活が難しい家の選択肢

在宅勤務や小さい子どもがいる家では、昼間の使用量をゼロには近づけられません。その場合は深夜に寄せる努力より、契約のほうを生活に合わせるほうが筋がよいです。

昼間の電気使用を減らせない家庭向けに、0円でできる契約・設定の見直しから始め、それでも足りない場合に昼型プランへの変更や設備投資を検討する対策の順序を示すフロー図
エネすけ
エネすけ

昼にずっと家にいる人は、深夜に寄せろって言われても無理だよね?

そうなんですよね。うちも小さい子どもがいるので昼をゼロにはできません。だったら契約のほうを合わせる手もあるみたいですよ。

りょう
りょう

先に押さえておきたいのは、費用をかけずにできることが2つあるという点です。契約プランの確認と機器設定の見直しは0円、料金プランの変更も原則0円で手数料はかかりません。ただし契約によっては解約金や違約金が設定されていることがあるので、切り替える前に今の契約条件だけは確かめておいてください。

エコキュートの電力契約モードを実際のプランに合わせる、湯量設定を適正化する、洗濯乾燥と食洗機の予約を組み直す。この3つだけでも、昼夜差と動かせるkWhしだいで月あたり数百円から数千円の改善が見込めます。

選択肢初期費用の目安効果の性質向いている家庭
運用だけ見直す(タイマー・湯量設定)0円小〜中昼夜差が大きく、機器設定がずれている家庭
同じ電力会社で料金プランを変更0円中昼間在宅が多い/夜型・朝型が偏っている家庭
電力会社を変更(新電力を含む)0円(現契約に解約金がある場合を除く)中現行プランが割高な地域・条件の家庭
スマートプラグ・タイマーコンセント数千円/個小予約機能のない家電が多い家庭
エコキュートの買い替え(容量アップ・高効率機)交換で30〜50万円程度(工事費込み)中〜大湯切れで昼間の沸き増しが常態化している家庭
家庭用蓄電池の導入高額(容量による)中。往復効率90%なら夜間20円/kWhで充電した電気が実質22.2円/kWh相当になり、昼夜差がロス分を上回らないと成立しない昼夜差が大きい/太陽光の余剰がある家庭

順番としては、0円でできる2つを先に試して、それでも湯切れや昼の沸き増しが残る場合に数十万円規模の投資を検討する流れになります。いきなり機器から入ると、効果は出ても割高な買い物になりがちです。

休日が安いプランを活かす手もあります。中国電力の電化Styleコースは土日祝が終日30.35円/kWhのホリデータイム、四国電力のでんかeプランは休日終日が33.98円/kWh、九州電力は休日昼間が春秋18.61円/kWh・夏冬22.01円/kWhです。

平日にやっている家事を休日へ動かすのも、立派な時間帯シフトです。時計の針だけでなくカレンダーで寄せる、という発想もあるかなと思います。

暖房だけは事情が違います。家庭のエネルギー消費に占める暖房のシェアは25.1%(2020年度)と大きいのですが、必要なときに使う性質なので単純に時間をずらせません。蓄熱暖房機やヒートポンプ式暖房なら寄せる余地はありますが、エアコン暖房は断熱や設定温度の見直しのほうが効く領域です。(出典:資源エネルギー庁『エネルギー白書2022』第2部第1章第2節 部門別エネルギー消費の動向)

昼が安い逆転型プランも出てきた

「深夜が常に最安」という前提は、すでに崩れ始めています。中部電力ミライズの昼とくプランは、デイタイム10時〜17時が春秋16.42円/kWhで、ナイトタイム26.55円/kWhより安いという逆転型です。

2025年4月1日に提供が始まったプランで、狙いは「昼間の電力需要の創出などを通じた再生可能エネルギーの有効活用および導入拡大」だと公表されています。太陽光の増加で、晴れた日の昼間はむしろ電気が余る方向に変わってきたわけです。

電力会社・プラン最も安い時間帯単価対象
中部電力ミライズ 昼とくプランデイタイム(10時〜17時)春秋16.42円/kWh、夏冬18.50円/kWhエコキュート・蓄電池・EVのいずれかを使い昼へ寄せられる家庭
北海道電力 エネとくスマートlifeプラン時間帯区分なし30.80円/kWh昼間に沸き上げる給湯機などを使う家庭
東京電力 くらし上手時間帯区分なし120kWh超過分30.72円/kWh太陽光発電とおひさまエコキュートの両方を使う家庭

時間帯の区分そのものをなくしたプランもあります。北海道電力のエネとくスマートlifeプランは終日30.80円/kWhの一律で、東京電力エナジーパートナーのくらし上手は太陽光発電とおひさまエコキュートの両方を使う家庭が対象です。

昼に沸き上げるのは、効率の面でも理屈があります。北海道電力は昼間の通電について、外気温が高いことと貯湯タンクの放熱ロスが減ることで使用電力量の削減が見込めるとしています。

旧プランから現行プランへ移ると、元のプランには戻れません。中国電力の電化Styleコースは加入後、原則1年間は他メニューへ変更できず、中部電力ミライズも変更後は原則1年以上の継続が必要です。

各社の公式サイトには、過去の使用量を入れて比べられる料金シミュレーションが用意されています。プランは条件しだいで有利不利が入れ替わるので、切り替える前にご自身の使用実績で試算し、条件は公式サイトでご確認ください。

太陽光を契約した私は昼と夜どちらへ寄せるか

わが家はシャープ製パネル18枚・7.92kWの太陽光と7.7kWhの蓄電池を契約し、2026年8月18日に設置しました。ここから書くのは、実測が貯まる前の段階で私が立てた判断です。

太陽光がある家では、昼間の自家消費に買電の単価がかかりません。深夜に沸き上げるということは、昼の余剰を売電に回して、その代わりに深夜の電気を買うということになります。

つまり一次の判断軸は、売電の単価と夜間の買電単価のどちらが高いか。FIT期間中で売電単価が夜間単価を上回るなら夜に寄せるほうが有利になりやすく、卒FITで売電単価が下がれば昼に寄せるほうが有利に傾きます。ただし昼と夜では外気温も貯湯後の放熱ロスも違うので、同じ湯量でも必要な電力量が変わります。単価の大小だけで決めきらず、最後は実測で確かめる領域です。

中部電力ミライズも、太陽光発電を保有している場合は昼にシフトすると売電量が減って売電収入の減少につながるため、最適な料金メニューにならない場合があると注意しています。逆転型プランが誰にとっても得というわけではないんですよね。

私の当面の方針は、しばらくは深夜の沸き上げのままにして、発電量と30分値の実測を見てから昼シフトを判断することです。昼間沸き上げ形の機種への買い替えは数十万円の投資になるので、まずは0円でできる設定変更の範囲で試します。

蓄電池のほうは、安い時間帯に買った電気を高い時間帯に放電する使い方もあります。ただし充放電にロスがあるので、往復効率90%なら夜間20円/kWhで充電した電気の実質コストは約22.2円/kWhです。昼夜差がロス分を上回らないと成立しません。

わが家はまず、太陽光の余剰を貯める使い方が主軸になると見ています。正直なところ、卒FIT後まで含めてどうなのかという疑問は残ったままで、そこは実測が出てから検証していくつもりです。

深夜電力のメリットが薄れた理由と今の損得

メリットが薄れたのは事実です。ただ薄れたのは主に入り口の条件と固定費のほうで、1kWhあたりの単価差そのものは今も残っています。時間帯別のプランを契約しているなら、寄せる価値はあります。

深夜電力は旧プランの終了や割引終了・値上げでメリットが薄れた一方、1kWhあたりの昼夜の単価差は今も残っていることを対比した図

理由は大きく4つに整理できます。旧プランの新規受付が軒並み終わったこと、割引の終了と基本料金の値上げが重なったこと、昼夜の需給バランスが逆転しつつあること、そして時間帯を動かしても減らせない負担が増えたことです。

電力会社プラン新規受付終了
東京電力エナジーパートナー電化上手、おトクなナイト8/102016年3月31日
中国電力時間帯別電灯(エコノミーナイト)等2016年4月1日以降 受付なし
沖縄電力Eeらいふ2017年3月31日
東北電力よりそう+ナイト122023年3月31日
北海道電力eタイム3プラス2024年4月1日
沖縄電力Eeホーム(ホリデー・フラット)2025年9月30日
関西電力はぴeタイム新規加入停止中

今から新規に契約できる夜間割安プランは、旧プランより夜間の時間が短いか、夜間の単価が高いか、その両方であることが多いです。東京電力の例では、電化上手の8時間に対して現行のスマートライフS/Lは5時間しかありません。

つまり「深夜電力は安い」という言葉が指していた中身が、この10年で入れ替わったということです。昔の記事や親世代の感覚がそのまま通じないのは、ここが理由ですね。

時間帯を動かしても減らせない負担も増えました。再生可能エネルギー発電促進賦課金は2026年度が1kWhあたり4.18円で、月400kWhの家庭モデルなら月1,672円・年20,064円。全kWhに掛かるので、深夜に寄せても金額は変わりません。

オール電化向けの自由料金プランには燃料費調整単価の上限がなく、燃料価格が高騰した局面では上限のある規制料金プランより高くなり得ます。関西電力・中国電力・北陸電力・四国電力・北海道電力も同様の注意喚起を公式に出しています。

割引終了と基本料金値上げが重なった

象徴的なのが、東京電力エナジーパートナーが2025年4月1日に実施した低圧料金プランの見直しです。電化上手などに適用されてきた全電化住宅割引が、2025年3月31日で終了しました。(出典:東京電力エナジーパートナー『低圧のお客さま向け電気料金プランの一部見直しについて』)

この割引は2000年10月からオール電化住宅を対象に、毎月の電力量料金から5%(上限2,200円/月)を引くものでした。長くオール電化の家計を下支えしてきた仕組みが、静かに姿を消したことになります。

同社が示したモデルケース(契約電力8kVA・月610kWh)では、20,480円だった料金が21,446円になりました。月に966円、率にすると4.7%の増加です。

2016年に電化上手の新規加入が止まったあとも割引だけは続いていましたが、ここで幕引きになりました。理由として同社は、オール電化住宅の潮流が定着して電化機器が広く普及したこと、省エネの進展などで電気の使用量が割引開始当時から大きく減っていることを挙げています。役割を終えた、という説明ですね。

同じタイミングで、給湯機などの専用契約である深夜電力A・B・第2深夜電力の基本料金も引き上げられました。こちらは1974年と1984年から続いてきた古い契約です。

プラン区分2025年3月31日まで2025年4月1日から
深夜電力A基本料金(1契約)182.50円329.19円
深夜電力A電力量料金(1kWh)28.85円28.85円(据え置き)
深夜電力B基本料金(1kW)355.75円649.12円
深夜電力B電力量料金(1kWh)28.85円28.85円(据え置き)
第2深夜電力基本料金(1kW)245.75円539.12円
第2深夜電力電力量料金(1kWh)27.86円27.86円(据え置き)

ここで押さえておきたいのは、上がったのは基本料金だけで、電力量料金の1kWh単価は据え置きだという点です。深夜に寄せることで得られる1kWhあたりの得は、変わっていません。

変わったのは固定費のほうです。深夜電力B(契約電力4kW・月290kWh)のモデルでは9,006円が10,179円になり、月1,173円・13.0%の増加でした。負担は確かに増えましたが、時間帯を寄せる工夫の効き目が落ちたわけではありません。

単価差は残る、わが家なら月1900円

では今の単価差でいくら動くのか。関西に住むわが家の地元、関西電力のはぴeタイムRを例にすると、デイタイム夏季29.59円/kWhとナイトタイム16.00円/kWhの差は13.59円/kWhです。

ここにエコキュートの給湯負荷、4人家族モデルの月140kWhを当てはめると、単価差だけで月約1,900円になります。給湯を安い時間帯に収めるか外すかで、年に2万円強の差がつく計算です。

2つの金額は前提が違います

先ほどの月2,800円は、昼夜差が20円/kWhある環境を仮に置いた全国向けの計算です。こちらの月約1,900円は、関西電力はぴeタイムRの昼夜差13.59円/kWhで置き直したものになります。給湯負荷はどちらも4人家族モデルの月140kWhで同じですが、単価差が違えば動く金額も変わります。

わが家の実測に照らすと、この金額の重さが見えてきます。前の章で挙げた月平均の電気代に対して、月約1,900円はおよそ1割強にあたります。設定を見直すだけで届く範囲だと考えると、けっして小さくない金額ですよね。

一方で、効きにくい家もはっきりしています。時間帯区分のない従量電灯や区分なしのオール電化プラン、東京電力のスマートライフS/Lのように昼夜差が8円/kWh未満で安い時間も5時間しかないプラン、そして太陽光で昼の自家消費のほうが得な家です。

ここに挙げた金額はいずれも一般的な目安で、地域・家族構成・契約プランによって結論は変わります。料金プランや制度は改定されるので、最新の単価と条件は必ず公式サイトでご確認いただき、切り替えで迷うときは電力会社の窓口や専門家にご相談ください。

オール電化の深夜電力と時間帯のよくある質問

家じゅうで電気を使っているのに、なぜ給湯から深夜へ寄せるのですか?

家庭で使うエネルギーを用途別に見ると、2020年度のシェアは動力・照明他が34.0%、給湯27.8%、暖房25.1%、厨房10.7%、冷房2.4%です。いちばん大きいのは動力・照明他ですが、これは冷蔵庫や照明のように使いたいときに使う負荷の集まりで、時刻をずらす余地がほとんどありません。一方で給湯と暖房は合わせて半分を超えるうえ、お湯や熱の形でためておける、つまり「使う時刻」と「つくる時刻」を切り離せます。なかでも給湯は毎日ほぼ決まった量が必要で、機器のタイマー設定だけでつくる時刻を動かせるので、最初の一手になりやすいというわけです。暖房は寒い時間に使う性質があるぶん、蓄熱式でなければ時刻を動かしにくくなります。

エコキュートの沸き上げが始まる時刻は、自分で変えられますか?

多くの機種は「電力契約モード」を持っていて、契約プランの安い時間帯に沸き上げが収まるよう自動で制御しています。まずはこの設定が実際の契約と合っているかの確認が先で、そのうえで時刻そのものを調整したい場合の話になります。三菱電機の機種は台所リモコンで電力契約モードを「マニュアルモード」に変えると沸き上げ時刻を調整でき、過去2週間のお湯の使用状況を学習して沸き上げ量を加減する「わき上げ制御」もあります。コロナの機種には深夜時間帯だけ控えめに沸かす「使いきり」モードがあり、2022年6月以降のモデルなら昼間に最大80%まで沸かす「ソーラーモード」も選べます。2010年以前の機種は「深夜のみ控えめ」「深夜のみ多め」という設定になります。機能の名前も操作の場所も機種によって違うので、リモコンのメニューと取扱説明書でご確認ください。

蓄熱暖房機を使っています。深夜の蓄熱量はどう決めればいいですか?

蓄熱暖房機は、レンガなどの蓄熱体に深夜の電気で熱をため、日中に少しずつ放熱する仕組みの暖房機です。ためた熱を昼のうちに使い切ってしまうと、単価の高い時間帯に補助暖房を足すことになりますし、逆に蓄熱しすぎれば熱を余らせます。気温と家の広さに合わせて蓄熱量を調整する運用が要る、というのが正直なところです。寒さに合わせて蓄熱量を上げ下げしながら、自分の家に合う量を探っていく形になるので、はじめのひと冬は手探りになるかと思います。暖房まわりでは割引が用意されている場合もあり、北海道電力のeタイム3プラスにはヒートポンプ式暖房機や電気式ロードヒーティングを使う人を対象に、冬期間(12〜3月分)の電力量料金を10%割り引く暖房融雪割引(上限あり・ヒートポンプ式給湯機は対象外)があります。適用条件は公式サイトでご確認ください。

エコキュートで、時間帯を動かす以外にできる節電はありますか?

メーカーが公式に挙げているのは、お風呂の使い方です。保温や追いだきは電力を使うので、冷めた残り湯を沸かし直すより、残り湯を使い切って新しく湯はりするほうが構造的に省エネになります。湯温を少し上げたいだけなら、追いだきより約60℃のお湯を20Lほど足す「高温さし湯」のほうが節電です。家族が続けて入浴する、浴槽のふたを閉めるといった基本も、保温運転の回数を減らす意味では効きます。湯量の設定でいえば「節水モード」にするとシャワーの流量や湯はり量を自動で抑えられますし、その日だけお湯が少なくて済む日は「今日の湯増し休止」という機能もあります。機能の名前は機種によって違うので、リモコンのメニューと取扱説明書でご確認ください。

深夜の時間帯に、どれくらい使えていれば合格ラインですか?

ひとつの目安になるのが、東京電力エナジーパートナーが電化上手のモデルケースとして公表している月610kWhの内訳です。このモデルでは夜間時間が246kWhで、夜間の比率はおよそ40%。残りの約6割は、昼間や朝晩の高い時間帯に使われている計算になります。オール電化の家でも夜へ寄せられるのは全体の4割前後、というのが一つの現実的な水準だと思っておくと、目標を立てやすいかなと思います。会員サイトの30分値グラフでご自身の夜間比率を出してみて、これを大きく下回るようなら、まず給湯の沸き上げが安い時間帯に収まっているかを確かめてみてください。あくまで一例なので、在宅の時間や家族の人数によって適正な比率は変わります。

関連記事:オール電化の電気料金プラン見直しは得?実測24ヶ月で再計算

関連記事:新電力に乗り換えると損する条件を実測で検証した記事

オール電化の深夜電力は契約確認と給湯シフトが要点

エネすけ
エネすけ

結局、うちが最初にやることって何だっけ?

検針票かマイページで契約プランの時間帯を確かめて、そのあとエコキュートの沸き上げを合わせるところからですね。

りょう
りょう

オール電化の深夜電力は、何時から何時までかがプランで決まり、現行と旧プランでは開始が2時間ずれ、安い時間の長さも3時間違います。だからこそ、最初にやるのは家電のタイマーではなく契約の確認になります。

オール電化の深夜電力を使いこなす要点をまとめた図解。安い時間帯は契約プランで確認し、給湯から優先して深夜へ寄せ、単価差は今も残っているという結論を示す

そのうえで給湯から順に寄せる。割引の終了や基本料金の値上げでメリットが薄れたと言われる今でも、1kWhあたりの単価差は残っていて、給湯を安い時間帯に収める価値はあります。

  • 安い時間帯はプランで決まる。現行のスマートライフS/Lは午前1時〜午前6時、旧プランの電化上手は23時〜翌7時
  • 契約プラン名は検針票の契約種別欄か電力会社の会員サイトで確認し、季節区分・休日の扱い・中間の時間帯まで見る
  • 夜間単価は九州電力14.59円/kWhから沖縄電力34.77円/kWhまで2倍以上の開きがあり、昼夜差が大きい地域ほど効果が出る
  • 寄せる順番は給湯が別格。エコキュートは4人家族モデルで月約140kWhと、洗濯乾燥や食洗機を毎日回した量の5〜6倍にあたる
  • タイマーは安い時間帯の終わりから逆算し、実量契約のプランでは同時運転を避けて30分〜1時間ずつずらす
  • 昼間を減らせない家は、昼が安い逆転型プランや休日が安いプランなど、契約を生活へ合わせる選択肢がある
  • 全電化住宅割引の終了と基本料金の値上げで負担は増えたが、電力量料金の1kWh単価は据え置きで単価差は残っている

ここに挙げた単価や金額は2026年7月時点で確認した目安で、地域や契約プラン、家族構成によって結論は変わります。プラン変更の前には各社の料金シミュレーションで試算し、条件は公式サイトでご確認ください。電気工事が必要な変更は有資格の業者の領域ですし、判断に迷うときは電力会社の窓口や専門家にご相談いただくのが安全です。

わが家も太陽光と蓄電池が動き出したばかりで、昼と夜のどちらへ寄せるのが得かの答え合わせはこれからです。実測が出たら、またこのサイトで共有しますね。

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りょう / エネすけ運営者

関西の新築一軒家(オール電化)で、妻と子ども2人と暮らす一般の施主です。2026年8月に太陽光7.92kW+蓄電池7.7kWhを設置しました。導入前24ヶ月分の電気代実測をもとに、「太陽光は本当に元が取れるのか」を導入前後の比較で検証していきます。

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